量子コンピュータってどうなん

量子コンピュータという技術自体は将来的には有用だと私も思ってます。
ただ、少なくとも私が理解できている数理最適化・線形計画法(Operations Research)の分野では整数計画問題(巡回セールスマン問題やナップサック問題など)への適用が期待されていたものの、その技術の出始めのころから既存の有償ソルバーの方が早くて便利だと言われて久しかった。

そのあたりをわかりやすくバッサリ解説してるのが上記の記事、本当に助かる。
OR分野のうち数理最適化関連の研究者は、ビジネスの状況をある程度わかってる人がいるし、わからないことはわからないとも言ってくれる。ORでも待ち行列あたりは根性腐ってるのもいる(笑)

その後の不定期のベンチマーク結果などでも同様であり、最近も量子コンピューターの性能は実用化には遠いとの専門家の指摘もあった。

でも日系ITベンダ内のローテーションで「AI担当してまーす」みたいな実際は何もわかってない人らが平気で嘘をつく。まぁ機械学習とかマーケティングとかの研究者(?)の中には、中途半端に応用分野に手を出してわかったようなことを言って、実務のデータサイエンティストが頭を抱えるヒドイ中身が多いのだけど「AI担当してまーす」な無能な企画(?)担当会社員が大学と連携してますアピールに使って変に有名だったりする。
日本の学者って本当に有名なのと優秀なのは一致しないことが多いね、、、という最適化と関係ない愚痴をつぶやこうとしているときに、どうやら量子コンピュータの研究開発の動向が変わったらしい。

前後のツイートを含めたザックリ理解で言うと、現在の技術はいわば第二世代で、第三世代的な技術が発芽したらしい。そのイノベーションはマクロに見れば良いことだけど、第三世代は第二世代と技術的な連続性はないので、第二世代の技術への投資は多くの部分が無駄になるので、ビジネスや政策としてはどうするかねぇ、ということらしい。
他の適用分野(暗号とかあるらしい)の観点はわからないけど、整数計画問題のベンチマーク結果とかリサーチを知っていれば、「AI担当してまーす」みたいな何もわかってない人らがポジショントークで「量子コンピュータ凄いんですヨ」みたいなことを語ってるよりはシックリとくる。

その状況やリスクをわかった上で踏み込んでいた人には、ビジネス的にキツイだろうことは同情するし、投資余力など考えて撤退するにせよ、何らかの形で継続するにせよ、頑張って頂きたい。
また、その状況やリスクをウォッチしてきた人は、暫く傍観だったはずだけど、またウォッチし直すべきタイミングが来たということかと(あえて言えば僕もこの中の1人、ただの利用者でしかないけど)。

厄介なのは、第二世代の技術への投資が無駄になったと思いたくない研究者によるポジショントークに惑わされること。少なくとも僕には、それらを切り分けて理解できるほどの知見はこの分野にないので、難しい問題。
あと、ビジネス関連の人は無限に血を流せないので、どこかで損切りすると思う。。。のですが、「AI担当してまーす」な無能会社員が自分の立場を守るために所属する会社に正しい状況を認識させず会社に更に血を流させ続けることもあるかもしれない。
そのうち過渡期の騒めきが聞こえてくるかも。

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