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いのちのうちがわ

石川竜一写真展 いのちのうちがわを見てきました。渋谷のMIYASHITA PARKの3階のSAIというギャラリーで開催中です。

以下展示の内容を示す文章となります。また展示内容が動物等の臓器などの写真となっておりそれに準ずる表現も含まれます。各自ご判断の上読み進めて下さい。

石川竜一について

1984年生まれ、沖縄出身在住の写真家です。木村伊兵衛写真賞など様々な賞を受賞しました。詳しくは展示のプレス資料をご覧ください。

展示について

ちょっと複雑な形をしたギャラリースペースに数多くの写真と自然から持ってきた枝などのインスタレーションがありました。そちらにはキャプションはなかったのであくまでも演出かと思いますが、形状であったり、状態が意味深な印象を受けました。

写真に写されているのは正に「いのちのうちがわ」で、例えばその中の一枚「道路で轢かれていた雉の首」では美しい羽毛とそこから露になる(おそらく)食道や気管といった内部の様子が強いコントラストとなって、単純な美しさだけではない普段は触れる機会のない力を感じました。

写真の点数は多く半数以上はそういった「いのちのうちがわ」を写したものであったが、ときどき箸休めのように挟まれた美しい風景もあり、それに救われた気持ちになった。

ただ少ない説明と、こうした写真だけを見ているとここに写っているものは自然とそうなったものなのか、人為の結果なのか作品リストの解説にある「何度も動物を捕まえ、殺して、食べた。」という言葉を見つけてもその境は分からなくなるばかりだった。

正直、内容が内容だけに誰にでも勧められるものではなかったが、普段の生活では触れることのない境界をある程度の距離をとって、しかし的確に越えさせてくれる作品だと感じた。

石川竜一と私

彼のことはこの展示で初めて知った。

展示を知るきっかけとなったのは最近静かな盛り上がりを見せている、Clubhouse という音声SNSで展示について話していた方がいたからだ、その話によるとこの写真家はSNS等にあらわれることもなく、そうした時間を割くくらいなら山でこうした命と向かい合いたいと言っていたということで、インターネットをはじめテクノロジーがもてはやされるなか、そうした作家の姿勢も含め興味を持ったので間近に見られる機会をもとめ足を運ぶことにした。今後の活動も注目したい。

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