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マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在

東京都現代美術館で開催中のマーク・マンダースの展覧会をみてきました。同時開催のライゾマティックス展を目的に行きましたが非常に楽しめました。

なお、以下の文章には一部展示等の具体的な様子も書かれています。ご自身の判断で御覧ください。
そして新型コロナ対策としてチケットの時間帯予約が可能です。
予約がない場合混雑時展示会場の人数次第で待機列に並ぶ必要があるようなので、予約をしておくと便利です。

マーク・マンダースについて

1968年オランダのフォルケル生まれ。現在はベルギーのロンセにスタジオを構えているそうです。詳しくは展覧会の紹介ページをご覧ください。日本では初めての大規模な個展となるそうです。

展示について

今回、あまり予習をせずに見始めたため一部屋一部屋が驚きの連続でした。どの作品も部分が切り取られていたり異素材が組み合わされていたりと目が飽きることがありませんでした。(この時シン・エヴァンゲリオンの総監督庵野秀明の「欠けているのが好き」という話を思い出しました。)

部屋を進むと開けた空間に巨大な作品群が続きますが、養生のような薄いビニールの間仕切りで空間が分離してあって作品ごとに独立して見られるようになっているのは感心しました。また大きな作品に紛れて、見逃してしまいそうな小さな作品も散りばめられていて、見知らぬ土地を探り歩いているような感覚を楽しみました。

そしてポスター等のメインビジュアルになっている巨大な頭部の塑像がやはり迫力がありますが、作品リストを見てみると素材は彩色されたブロンズとなっていました。粘土や土のまま美術館へ持ち込まれることは稀だという頭が働きましたが、どうも表面のヒビ割れた様子や乾いた感触(当然触っていませんが)からまんまと騙されていることに気がつきました。当然作られた作品なので見た目の印象などどうにでもなるわけですが、相当の世界観の作り込み、もしくは溢れる作家のこだわりを感じることとなりました。

そうしたこだわりを感じたもう一つの部分に、間仕切りをしている支柱の足があります。これは未確認ではありますが、多分作家が作ったものだと私は見立てています。そうしたこまかい部分があるからこそ展示案内にある「本展は、作家本人の構想により、展示の全体を一つの作品=想像の建物のインスタレ―ションとして構成するものです。」という一文にも頷けます。

会場を一周したあと、ついもう一度見たいところ見に行こうという気持ちになり非常に刺激的な展覧会でした。

マーク・マンダースと私

今回の展示で知ることとなりました。同時開催の展覧会のついでということで不意打ちのようではありましたがそれを抜きにしても興味深い作家を知ることができました。広大なアトリエやご本人にも興味を持ちましたが、また機会があれば作品を見てみたいです。


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