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Film6:ずっとここに居たんだね

Film6の現像を受け取った、受けっとってから数ヶ月経ってしまった。これは自分には珍しくモノクロームフィルムだった。2本目に現像に出していたが、店頭で処理できずラボへ送られるということで仕上がりの順番が変わり実質3本目の現像となる。

カラー現像機の普及の結果、より単純な仕組みのモノクロ現像が店頭でできないというのも不思議な話だがそういうものなら仕方がない。いっそ自分で現像する環境を整えるのも面白いかもと頭をよぎる。

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受け取りのいざこざ

今回の #Old11Films は一度に現像してしまうと収拾がつかないと判断し、最近始めた中判フォーマットなど、最近の撮影分と抱合せで現像に出すようにしている。古いフィルムだけ現像した場合、現像がうまくいかなかったときのガッカリ感や、反対に内容によってその当時の記憶に強いショックを受けることもありえると想像されるからだ。

あくまでもついでを装い、少し距離を置きながら一本ずつ丁寧に紐解こうということだ。なぜそこまで慎重になるのか、さっそくこのフィルムが体現してくれる事となった。

受け取りの際に中判のネガシート、35ミリのネガシート、CD(実際にはDVDだったが)の3点を渡された。

中判の撮影はまだ慣れずコマ送りに不安があったのでそれを伝えると、現像はネガシートからのプリントやデータ化の指示を勧められたので今回はネガから好みの写真を選んでプリントやデータ化ということになるはずだった。

この古いフィルムのシリーズ #Old11Films の35ミリの方はプリントが嵩張るし、note記事にまとめやすいように常にCDへのスキャンを依頼している。つまり渡されたものに一見問題はないようだった。

しかし対応してくれた店員が顔を曇らせ、ちょっと確認してきます。と支払い金額が二転三転となった。どうやら中判フィルムの分もCDにスキャンデータが入っているようで、その代金が入る入らないと混乱をきたしたようだった。

こちらもネガシートだけだと不便だなと思っていたところなので、元のオーダー通りではなかったがそれはそれでありかなと思ったのでOKし、それも含む料金を支払うことになった(DVDメディア内ではフォルダ分けもしてくれていたので配慮すら感じた)

こうした些細なすれ違いは常にあることだし大した問題ではないだろう。このやりとりがあったおかげで、現像された写真と対面するのにワンクッション挟まれたことも結果的に好都合だった。

これをわざわざ書き記し、遠回しに時間稼ぎをしているのは訳があるので時間の許す方はじっくりお付き合いいただきたい。

2000年の夏に撮影

さてFilm6の話題に戻るが、現像されたフィルムを受け取りCDケースに挟まれたインデックスプリントに目をやると、小さなプリントのサムネイルだがそこに写る人物のシルエットを見てハッと息が止まるような気がした。

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2000年の夏というと私は大学2年の時ということになる。このフィルムは装填時に半分感光したこんな一枚から始まっていた。

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海へ向かう自動車内のようだった。その後数枚は海でビデオカメラを構える女性とおもちゃのトカゲが写っていて、それは私にとってやや重たい写真なので後に記すことにする。

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おそらく海に行くためにフィルムを詰め、撮り終わらなかった分を使ったのだろう。フィルムの大半を占めていたのは室内の様子で、大学1、2年を学生宿舎で過ごした私は、2年目に宿舎内で転居をして少し広い部屋へ移ったのだった。

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その特徴ある部屋は記憶にも残っておりその頃のことを詳細に、このフィルムは思い出させてくれた。今も何本か手元に残っているが、ギターやベースといった楽器が多く写っており、若い時分の好みが顕となって少々照れ臭さも感じる。

そして非常に散らかった様子は、一人暮らし2年目だからと大目に見てもらうことも願いたいが、私の性分なのだろう。今もだいたい変わらずむしろ酷くなったかもしれない自分に呆れる。

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