フリマサイト100日戦争

某メルカリで、男性もののスポーツウェアを出品し、売れた。
ウェアのタグはLだった。購入者(中肉中背の男性らしい)から、到着したけれど、身幅が合わなくて入らないから返品したいと言われた。

クレーマーの誕生である。

これは、クレーマーとの100日の戦いの記録。

この100日に、何度、「クレーマー メルカリ」「クレーマー いつ終わるか」「取引 最長」と検索したかしれない。
事務局に何度も問い合わせても、個人間で解決してくださいという定型文返信。フリマサイトが当たり前になった今、誰かの参考になるかもしれないと、これを書くことにした。

※詳細を記しますが、各人にとって必要のない部分も多いと思うので、すっ飛ばして読んでください。
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今回の出品についてもわたしは、ほかの販売サイトで明記されているサイズと、
自分で測った平置きサイズを書いていた。
購入者も、その数字は間違っていなかったと認めている。

なら、
①購入者の自己都合によるキャンセルではないか。
(自分は今まで汚れがあるものが届いてもサイズが合わなくても我慢していたけれど、世の中にはこんな人もいるのかと驚いた。)
②返品にはこちらの氏名と住所を言わなくてはいけない。相手は自分で送料を持つ気はなさそうだし、面倒そうだ。

→わたしは、返品は受け付けないことにした。

でも、購入者は引き下がらなかった。
この商品は、男性もののLではなく、女性もののLだろうという。「同じブランドのウェアのLはどれも入った。これだけ着られないのはおかしい。それに、着られないものにお金を払う人間がいますか?」という。

それでわたしは、個人情報が要らない返品方法を調べたり、このスポーツ用品店に電話して女性ものの可能性はあるのかを聞いたりした。

ブランドに問い合せた結果、
わたしが売ったものは男性のLサイズのウェアで間違いはなさそうだった。メールで説明された。ほっとした。終わると思った。

購入者様には誠意をもって対応
と思ってやっていたんだけれど、
事態は思うようには進まなかった。

年をまたいで約100日間、泥仕合の様相。
わたしはすぐにでも放り出してやめたかった。けれど、負けたくなくて、自分を曲げられなかったし、なんといっても同僚が「なんだそいつ。10年計画だ‼」と笑顔で応援してくれるもんだから、相談するたび、そんなもんかという気になった。
その半面、周囲が応援してくれても、わたしは自分が正しいという自信も持てず、メッセージでも問い合わせでも低姿勢に終始した。
クレーマーの方は、クレーマーとして生まれてきたかのように生き生きとしているように見えた。

わたしの側には(メッセージのやりとりで)確かに落ち度があって、次から次と購入者から揚げ足を取られる形になっていた……。

取引の後半(50日くらい経ち、年末を迎え、わたしは風邪を引いて、クレーマーは「お大事に」と言ってくれた。でも返事は催促された。そして新年を迎えた)、クレーマーは何度も「消費者センターに相談する」と言い、わたしは「承知しました」を返し続けた。
クレーマーは、消費者センターで、わたしの商品説明の何が悪いかを教えてもらったらしく、そこを何度も追及するようになった。

しかし消費者センターでは不満だったクレーマーは、次に町の弁護士の無料相談に行くと言った。わたしは「承知しました」と言った。

朝、メルカリでメッセージがきていると分かった瞬間、内臓が動く。
強いストレスだった。
わたしはもう何があっても返品は受け付けないと決めていたし、プレゼントキャンセル(商品もあげるし、返金もする)でよいと思っていた。
クレーマーに返事をすると、また何か言われる。自分でも「今度は何を責められるんだろう」と思いながら返事を待つことになる。だから、何を言われても無視することにした。
それでもクレーマーは元気そうにメッセージをくれた。

「⋯何度も記載してるんですがねぇ…今後ご返信の際は、一から読み直して貰えますでしょうか。」

「依然返信をスルーされてるようですので、
改めて違反項目を以下に箇条書きします。
❶以前に何度も言及している、いわゆる⋯


❹⋯其方のプロフ及びメッセージの数々が該当
コレでも、まだシラを切るおつもりでしょうか?」

こんな感じ。

そして、事務局から、長い定型文が届いた。
「…《この通知から24時間経過後も取引相手への対応がない場合》
・利用停止等の措置を行う場合がございます
・取引キャンセルを行います
・商品については保証できません…」
つまり、わたしが購入者のメッセージを無視しているのが問題になってしまって、わたしのアカウント自体が停止されそうになった。

もう嫌だ。
事務局に、もう嫌だという気持ちを書いて送った。
やりとりするのが苦痛だということ、
先方が途中から何を言っているのか読解できなくなったこと、
商品はあちらに譲るし、売上金もいらない。強制終了させていただいて結構だと書いた。

事務局からの返事は、前にも読んだメッセージの文面で、つまるところ、自分で何とかしてほしいということだった。末尾は「ご希望に沿う対応ができず申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします」。

そしてわたしは、またクレーマーと向き合うことになる。
戦いが始まって90日目のことだった。
改めて自分がどういうことを考えていて返品を拒否するのかと、方針は変わらないことを説明して送った。

クレーマーは呆れていた。

わたしは、
この取引をあなたの言う通りにキャンセルしたとして、あなたはほかで同じ商品をまた間違って買うこともあるのではないですか? この商品は男性のLサイズだということは認めていますか?と質問した。
返事はなかった。

それから10日後、事務局からメッセージが届いた。

取引に進展がないことを指摘され、
24時間以内に解決できないなら、
①取引成立またはキャンセルを行います
②商品については保証できません
というものだった。

24時間以内に、わたしかクレーマーかどっちかに転ぶことになった。もうすぐ終わる!

ただ、実際は24時間たっても終わらなかったんだけれど。
2日たって、終わった。

取引成立のメールが届いた。
アプリを開くと、わたしに売上金が入っていた。

クレーマーの対応は、クレーマーの言う通りにして早々に終わらせるのがいいと、どこを見ても書いてある。まったくその通りだ。


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