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衝動買いのすゝめ

ここ数年ずっと、冬のコートを買いそびれている。
フリースの安いものやフェイク・ムートンのショートコートを何年も着ていて、寒さをしのぐには問題ないが、ちゃんとしたコート欲しいなー、買いたいなーと言い続けて早や幾年。
一昨年、カシミアかカシミア混のウールコートに狙いを定め、シーズン初めの10月頃から、めぼしいECサイトの巡回開始。
出かける機会があれば必ずお店でもチェックしていた。
だが、まだ買えていない。この冬もいくつかの候補で迷ったあげく、またしても見送った。何してんだわたし。
そのモヤモヤを晴らすかのように、冬物セールが始まったユニクロで、またまた中途半端な値段とデザインのダウンジャケットを買ってしまった。
軽くて暖かい素材を望んでいたからね……カシミアじゃないけど、ダウンも軽いし。とよくわからん言い訳をして。
来年は絶対、カシミアをゲットする。
と、現段階では思っているけど、なんか自信ない。

コートは一例で、自分の望むものを、満足とともに手に入れるということがすんなりいかなくて、軽くへこむ。以前はこうじゃなかったのに。
判断力が衰えた? 
いざという時に貧乏性が出る? 
そもそも本当に欲しいと思っていない?
いやいやいや……アレだ。たぶん。
足りないのは、「勢い」。周到に計画するから、勢いに欠ける。きっとそう。

つまり買い物の王道は、衝動買いだ! 
ということになる?
さて衝動とは。

子どもの頃まで遡り、衝動的だった出来事を思い出してみる。
小学校の高学年で急にハマった、とあるアニメ映画。
きっかけも覚えていないけど、思春期の一時期、のめり込んだミュージシャン。
前から好きだったけど自分で飼うという発想はまったくなかったくせに、あろうことか高校3年の受験前になぜか両親に頼み込んで飼うことになった、柴犬。
うん、どれもかなり衝動的。
(もちろん柴犬は13歳で亡くなるまでちゃんとお世話した)
なんであんなに夢中だったのか、不思議に思うものもなくはないが、
意味のわからない強い気持ちと、その勢いにおされて突っ走ったことは
今もちょっとワクワクするような記憶だ。

そして今のわたし。
てっきり衝動買いは卒業したと思い込んでいたが、それはまったく甘い考えだったのか。
いろいろ考えるのを抑えて、あえての衝動的な感じでいってみるとか…?

ところで、前述のダウンジャケット、なんでも合うし、意外にいい買い物だった。
本命を買いそびれ続けた末の、あれも衝動買いだったわけで、そうなるとやっぱり、衝動は正義。


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