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BPSDの対応の考え方 対症ケアと根治ケア

医療には、とりあえず症状を抑える「対症療法」と、症状の原因を治療する「根治治療」があります。

例えば、感染症で熱が出ているときに「とりあえず熱を下げるために解熱剤を服用する」のが「対症療法」で、「発熱の原因となっている感染症そのものを治療する」のが「根治治療」です。

同様に、ケアにもとりあえず目の前の状況を回避したり、解消するために行われる「対症ケア」と、その状況が発生する原因そのものに対して実施される「根治ケア」があります。

例えば、目の前に他の利用者を杖で叩こうとしている人がいるとき、原因が何であれ、杖で叩くのを止めたり、職員が間に入ったり、2人を遠ざけたりして、杖で叩かれるのを回避できるようにします。

また、食べられない物を食べようとしている時にはそれを止めますよね?

これらが「対症ケア」です。

これに対して、他人を杖で叩く原因
例えば、他の人からもっと愛されたいと欲している、とか、便秘でいら立っている、のようなことを解決していくケアが「根治ケア」です。

帰宅願望がある人に「鍵をかけて閉じ込める」「家から電話があったように振る舞い、もう少しで迎えに来ると伝える」「一緒に散歩に行って、ごまかして施設に戻る」のような対応も「対症ケア」です。

根治ケア
目の前の状況を引き起こす原因に対応することで改善を促すケア

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対症ケア
目の前の状況をとりあえず回避・改善するためのケア

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現場での実践に使える認知症ケアの基本的な考え方からBPSDへの対応についてまとめています。

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