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手続き記憶を引き出す!

体で覚えたこと(手続き記憶)は衰えにくい

手続き記憶とは長期記憶の一種で、時間をかけて学習したこと(自転車の練習、楽器の練習など)でいわゆる「体で覚えた記憶」のことです。

「手続き記憶」は認知症の方に残りやすい機能の一つです。

この機能を引き出し、活かす介助が大切です。

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ヒント!
スタッフ同士で、回想法を視点とした会話を実施してみましょう。
この際、記憶、感情、感覚、人生の振り返りなどの要素を高める(深める)ことを意識して会話を展開してみましょう。

回想法とは何か?

回想法は、アメリカの精神科医ロバート・バトラー(R.Butler)によって、1960年代初めに提唱された心理療法です。

バトラーは、"老いの繰言"として疎まれていた高齢者が思い出について語る行為も、死が近づいてくることにより自然に起こる心理的過程であり、また、過去の未解決の課題を再度とらえ直すことに導く積極的なな役割があると提唱し、意味のあるものだと考えました。

回想法には、レミニセンスと呼ばれる、いわゆる昔話などの一般回想法と、ライフレビューと呼ばれる治療的な目的で行われる自分の人生の評価・洞察を行う心理療法の一部をなすものの2種類があります。

また、対象者の数にもよる個別回想法とグループ回想法という分類もあります。

現場での回想法の実施方法は、実際の物品、写真・ビデオを使用したり、話をしたり、歌を活用したりと実にさまざまです。

回想法で良く使用されるテーマには以下のようなものがあります。

(1)食べ物
(2)遊び
(3)行事
(4)○○の思い出
(5)楽しかったこと
(6)学校、仕事、家事

回想法中に、音楽や匂い、音、食べ物などで五感を刺激する方法もよく取られています。記憶やコミュニケーション機能を使用するため、認知症の方への適応は症状が進行するに従って難しくなります。

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