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善と毒

これはちょっと昔。知人Aの話。

Aは高校生の頃、人に優しくしようと頑張っていました。

つらそうな顔をしていたら周りを心配させるし、雰囲気は伝わってしまう。

自分のつらい経験は誰も聞きたいと思わない。

いつも笑顔を絶やさず後ろ向きなことは言わないように、の意識は常に。

困っている人がいたら、全力で話を聞いて「なんでも言って。力になるよ!」

一方で悩みもありました。

どんなに頑張っても

ありがとうの一言もくれない人。

Aには何も言わないのに

同じことをある別の人がしたら満面の笑みで感謝する人。

他にもいろいろあったようで

Aくんがよく思ったのは

「むかつくなぁ」

「なんで認めてくれないんだっっ!」

しまいには

「あの人はああいう人だから、仕方ない。
ああはならないように自分は気をつけよう・・・」

そう思わないと落ち着かなかったんですね。

ふと、冷静になり思ったそうです。

「なんで、こんなにつらい思いをしているんだろう?」


「いらいらして」

「不満で」

「悲しくて・・・」

「そういえば、人のためになりたいと思って始めたことのはずなのに今は」

「感謝の言葉がほしくて」

「自分が認めてもらいたくてしてる・・・」

そう気づいたと言っていました。


・・・人の為に何かをするのは親切。

親切はよいこと。

ボランティア活動も、人を元気づけ助けることもそのすべてがすごいことだと思います。

それをどんな気持ちでしているか。

Aは当時を振り返って語っていました。

「自分の中の心の毒が自分自身を苦しめていたんだなぁ」

・・・人の為にとする善は偽善と呼ばれる。

その多くは、

見返りを求めてしまう毒。

心の毒の混じった善。

昔の人は、『雑毒の善』と名付けたそうです。

Aは、自分自身にある心の特徴を知ってから

親切するとき、毒が起きる度

「自分がしたいからしてる。ただそれだけ」と思うように心掛けているそうです。

「そう思ったら少し楽になりました」と。

人間だから、認めてもらいたい

そんな承認欲求(毒)は誰にでもあるし、なくならない。

「でも、そんな毒に振り回される自分がわかったら、少し楽になりました」

ちょっとした

だけど意外とわからない『心の処方箋』

QOLを高めるヒントは意外と近くにあると思う。

薬にならない毒はない。

頑張り屋さんで真面目なA。

どうか幸せになっててほしいなぁと思います。

<追記>
毒=承認欲求と表現しました。

気づく人はいると思いますが
心を見つめると他にも毒はいっぱいです。

今後、勉強会でもそんな心の仕組みに具体的にふれていきたいと思っています。

みなさんがQOLを高めるきっかけになれば幸いです(^^)

※サムネイルは富山県富山市の呉羽山公園。

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