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30代に入って気づいた自分と作風の変化


こんにちは、QoiQoiの吉次です。
次回作「ちいさな鱗」の上演が決まったのでまたぼちぼちnoteを始めようと思います。

今回はタイトルの通り「30代に入って気づいた自分と作風の変化」について、独り言のようにボソボソと書いてみることにする。

吉次匠生(よしつぎ しょうい)
1992年12月生まれ。
北九州出身。
両親は幼き頃に離婚。花屋を営んでいる父親のもとで育つ。先天性の骨の疾患により、2年浪人したが大学を機に状況。
大学卒業後、同期の大橋とユニットを結成。現在のQoiQoiの活動に至る。

20代の僕

これが僕の簡単なプロフィールだ。この記事を読んで僕に興味を持ってくれた方は、ぜひこれまでのQoiQoiのnoteを読んでみてほしい。もっと僕のことを知れるはずだ。
さて話は置いておいて、僕は10代にあまりいい思い出がなかった。家庭環境と自身の病により少し腐っていたと言っても過言じゃないかもしれない。
そのおかげで、二十歳の大学に入学したての時の僕はかなりトガっていたと思う。(当時迷惑をかけた大学の同期のみんな、申し訳ない)
当時「恵まれてない環境と思っていた自分の立場をなんとかしたい」という個人的な感覚が反骨精神となり、トガりに繋がったのだと思う。
現に僕は学費を自分のアルバイトから賄い、朝から授業を受け、夕方に帰宅し、食事を済ませ、移動で仮眠をとりながら深夜のバイトに行って、そのまま朝に現場から大学へという生活を続けていた。普通に通学し、サークルや休みの日の予定を話し合っている同期に対し「お前らとは気合いと意識が違う」と思いながら生活していた。(今思えば性格悪い)

そんなこんなで学生の時から、少しずつ「格差」や「分断」など社会的なテーマに興味が湧いていた。そんな学生生活を送ったおかげで、僕は大学卒業して、東日本大震災を扱った作品や自分の病に関わる作品を多く作ってきたし、時にはウクライナの戦争や劇場という公共施設のあり方などを問う作品を作ってきた。
言い換えれば20代の僕が社会との接点をもつためのツールは作品であり、その作品を作るための原動力に、社会に対する不満や怒りのような反骨精神を燃やしてきたと思う。
当時を振り返ると本当に何者でもない自分をどうにかしたくて必死だったと感じる。その思いはコロナを経験してさらに大きくなっていた。

写真 加藤春日


30代になって少し自分に絶望した話

そろそろ読者のみんなも読むのに疲れてこの記事を閉じるか悩んできた頃だろうから、タイトルの伏線を回収していこう。
20代でエネルギーが有り余っていたので、公演を行った後には常に次回作の構想を考えていた。それがはっきりと変わったのが去年の夏ぐらいからである。コロナで走り続けた後遺症か、去年の公演「劇場」を終えた後、何も自分の中から湧いてこないという経験をした。

今まで自分が扱ってきた題材やテーマにあまりリアリティーを持てなくなっていた。

この記事が公開される時期であろう2024年9月現在まだ31ではあるが、30を過ぎてなぜこうも急に今までの感覚と違う感覚に陥ったのだろうか?

その理由は二つ考えられる。
一つは、純粋に金銭的余裕ができたからである。大学を卒業して時間ができたのでバイトで学生時代よりも多く稼ぐことができたのと、コロナの時に本当に死ぬ気で補助金や助成金を申請しまくったり、積み立てNISAで投資を始めたりと圧倒的に金融リテラシーがついたからである。
二つ目は今のパートナーの影響がでかいだろう。端的にいうと結婚を考え出したのである。

今のままの人生設計で本当にいいのか?

と本気で考える日々が続いたのだ。

僕はなんだか自分が安定志向に入ったと思い、アーティストとしての牙を自分で抜いてしまったのじゃないかと、自分にがっかりした。なりたかったアーティスト像とは確実にかけ離れていた。

20代のエネルギーが枯渇して30代の環境の変化とともに価値観が変わってきた。そのことを少しずつ受け入れられるようになったのは、今制作している次回作「ちいさな鱗」を作るようになってからだ。なぜ受け入れられるようになったのかは今後の記事でまた書いていこうと思う。

今回の記事で言いたいことは、この記事の読者にも少なからず僕と同じ経験をしたことある方がいるのではないか? また、同じ経験をしたことなくても、いつか来る自分の変化に準備することができるのではないか? ということである。

必死に紡いでいた人生という糸は思うようにいかない事ばかりで、時にほつれ、時にほぐれなから、どんどん不格好になっていく。
でも遠くから見た時、僕はその絡まった糸の名前を成長と呼びたくなった。

そんな成長した自分を見てほしいと密かに思いながら、現在キャストスタッフと一生懸命作品を制作中である。
見にきていただいたお客様が日常で抱え込んでる肩の荷がふっと降りるような作品を作っていこうと思う。 

QoiQoi 吉次匠生



チケット予約

https://www.quartet-online.net/ticket/chiisanauroko



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