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稽古始めに思う事
こんにちは、QoiQoiの大橋悠太です。
今日は新年に入って初の稽古の日なので、演出を担当する中で気が付いたことを書いておこうと思います。
何かのプロジェクトなどで指示を出したり、統括することがある人にも共通する気づきがあると思うので読んでみて下さい!
演出はやってもらう仕事
基本的に演出の仕事は頭の中にある作品イメージを伝えて、俳優・照明・音響さんたちに、そのイメージを作ってもらうのが仕事です。
演出として本番で舞台上に立つ仕事は存在しません。
どうしても演出という立場上、全体を見ながら指示を出したり改善点を見つけたりしなくてはならないので、組織の中で上の立場として見られがちなのですが、そんなことはなくて演出だけでは何もできないのが現実です。
しかし別の側面ではその作品の良し悪しや評価に関して、一番矢面に立つのも演出です。その作品が世に出た際に責任を取る覚悟もしておかなければいけません。
こういった所は、どこかスポーツでいう所の【監督】と似ています。
野球やサッカーといったプロスポーツでは、どのような結果であれ監督の采配に注目が集まります。
その結果の責任を負うのは監督の仕事です。
だからこそ演出は、作品の為に何ができるか・必要かを考え、周りの俳優やスタッフをよく見て、最後には信頼することが大切だと思います。
任せられると思っていないのに、良い作品ができるとは思えませんよね。
人としては苦手でも、俳優としてスタッフとして信頼できる状態にしておかなければいい仕事はできないと思います。
言葉の扱い方に意識的になる
演出を担当して思うのは、特に言葉の扱いに慎重にならなければならないという事です。
イメージを伝える際に、どの情報をどの順番で俳優やスタッフさんの頭の中に入れるか、整理できた状態で聞いてもらえているか、それが理解できているか、納得できているかを検討しながら話さなくてはいけません。
そして自分が冷静になっていないと、自分の言葉で傷つけてしまう人が出る可能性が比較的高い役職だと思います。
だからこそ相手の立場を考え、尊重しつつ言葉を選んでいく必要があります。
更に演技に関することを指摘する際には、相手がイメージしやすい言葉を使う必要があり、相手が知っている語彙の中で自分のイメージや要求を伝えなくてはなりません。
その為に日頃からよく話を聞き情報を集め、使う言葉や趣味嗜好をリサーチして自分の説明の仕方をいつでも切り替えられる様に準備しておかないといけません。
そうなんです、演出って大変だし疲れるし骨の折れる役割なんです。
でもその分たくさんの人や言葉と関わります。
その為、今までにないくらい頭をひねりながら自分と他人の言葉を聞き、考える機会になるので、成長するにはもってこいの仕事のように思います。
役者やスタッフワークはもちろんですが、演出が良くなければやはり舞台は成功しません。
成長してベストな結果を出せなければ、そこで終わってしまう厳しい仕事なだけに普段よりも責任感も強くなるし、「やらねば!」という気合も入ります。
奉仕の精神で向き合っていく
ここまでくると本当に演出という仕事はサービス業だなと思えてきます。
役者がやりやすいように現状思い描く舞台のイメージを言葉にしたり、絵にしたり。小道具などを準備して出来る限り本番に近い状態に整えて稽古に臨んだり。時には役者・スタッフの個人的な悩みを聞いてメンタルケアも兼ねたり、それ以外にも話を聞きながら情報収集して話を振り稽古場の雰囲気を温めたり。
もちろん集団創作なので出来る所を頑張って、雰囲気作りなどはムードメーカーの役者に任せたりできるのですが、全体を見るとはそういうことで、組織に対して【奉仕の精神】で向き合う必要があると思います。
集団の中で起こる些細な事も見落とさないように集中力を高めて臨み、ここで書いてきたような演出としての役割を全うできれば、自ずとその集団全体の集中度やパフォーマンスを上げていく事が出来るのではないでしょうか。
そして最後に忘れてはならないのが、自分で決めるという事です。
一番話を聞き、受け入れ、言葉を選んで返した上で、舞台の為とあらば独断で冷徹な判断を下さなくてはいけません。
ダメな仕事をする人間は切らなくてはいけないし、厳しい言葉をかけることも仕事です。
奉仕の精神も大切ですが、逆に心を鬼にもしなくてはいけません。
僕自身も上手くできる日はまだまだ少なくて、準備が足りていない時や、イレギュラーに対応できなかったりなどありますが、毎回勉強になっていますし、徐々にではありますが視野を広く、言葉を選びながら話すという事も意識的に出来るようになってきました。
今日が稽古始めの日ですが、ここから三月に向けて演出としても役割を全うし、舞台全体の質も高めていきたいと思っています。
まとめ
いかがでしょうか。
演出として大切なのは【奉仕の精神】である。
誰よりも話を聞き、言葉を選び、責任を取らなくてはならない立場である。
だからこそ最後には全て自分で決める覚悟が無くてはならない。
この事が僕が演出をしていて気づいたことでした。
今後更にアップデートされ沢山気づきがあると思いますが、今は3月に向けて全力で自分の仕事と向き合っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします!
今日はこの辺りで。
ではまた。
QoiQoi 大橋悠太
QoiQoi新作情報❗️
QoiQoiでは来年3月10日~14日(9日にプレビュー公演アリ)に新作公演
『SCRAP AND…?』を上演します!
コロナの感染拡大によって延期をしておりましたが、その期間に更に取材やリサーチを重ねクオリティーを高めていますので、ぜひこの機会にご覧ください。
コロナ対策も万全にしてご来場をお待ちしています。(ご予約はこちら↓)
QoiQoiプロフィール
2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。
また、「想像力を創造する」を信念に演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。
このnoteでは作品制作のことを中心に、被災地のことや原発のこと、その他考えたことなど、読んでくれている方へなるべく為になるような記事や僕らをより知っていただける記事を書いていくことを目指しています。
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