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免許への道① ~離見の見を獲得せよ~

こんにちは、QoiQoiの大橋悠太です。
今日はかなり自分に近しい話題になってしまいますが、現在自動車免許を取るために教習所へ通っています。
その中で日常にも通ずる発見があったのでまとめてみようと思います!

テーマは「離見の見」。
これは能楽師として有名な世阿弥の著書『風姿花伝(ふうしかでん)』に出てくる言葉なのですが、僕が大学に通っていた時によく先生から言われていた言葉です。

なるべく読んでいただいた方にも還元できる内容にしたいと思っていますので、最後までお付き合い下さい!

目次
1、運転するのはむずかしい!
2、大切なのは演技も運転も「離見の見」
3、初心忘るるべからず
4、まとめ


1、運転するのはむずかしい!
まずは自分の話をさせてください。
現在僕は、運転免許教習所で技能教習に励んでいるわけですが、自分が運転席に座ってみて気が付くことが沢山ありました。
自転車ってめちゃくちゃ怖いし危ないし、自分も自転車乗るときに運転手を怖がらせる走り方していたな、とか思ったり、車って死角多すぎじゃねぇか? とか、40キロって体感だとありえないくらい高速だなとか、毎回驚きと恐怖の連続です。笑

そんな中、教習を進めていく内に僕には苦手な部分として「右左折」と「S字・クランク」があることがわかりました。
具体的には、曲がる際には曲がる方向の道路の先を見ながらハンドルを操作する必要があるのですが、僕は手元や車のタイヤやボンネット部分に気を取られてしまい、うまく曲がることが出来なかったのです。

縁石に乗り上げた時には心の中がビックビク、切り返しの時には汗ダックダク、教習が終わる頃には背中とお尻がビッショビショでした。
指導員の方にも落ち着いて目配せをしっかりするようにしましょうね。と言われ、意気消沈で帰宅しました。

そして、その日帰って反省をしている時に、ふと気が付いたことがありました。


2、大切なのは演技も運転も「離見の見」
自分の運転について思い返している時に、気が付いたのは【身体の状態】がどのようになっていたかでした。
ミスをした運転の際には身体は緊張し、目線も「手元、タイヤの位置、ハンドル、手前の縁石、手元」のように、視野が狭まっている上に一つ一つを見て確認しようとし過ぎていたことに気が付きました。

そして、その状態と自分が一番緊張せずに良い演技ができている時を、思い出しながら比較してみました。
すると良い演技の際には、まず視野が広い。でないと相手の台詞や自分の立ち位置、観客の意識がどこに向いているかが把握できません。そして演技の際には、複数のことを同時に行うことができています。台詞を聞きながら動きつつ、目線は別の場所へやりながら相手へ台詞を返す。など複雑な心情や状態を表現する為に絶えず周囲を把握しながら動き続けています。
この演技の状態を「離見の見」と言い、一つ一つ意識せずとも完璧にできる状態、まるで自分から抜け出して裏で自分を操っているような、余裕のある身体の状態と感覚に持っていくことが、自分にとっての良い演技の条件でした。

これを思い出して、「そうか、運転の時にも離見の見の状態になれれば上手くなれるかもしれない!」と思ったのです。
そして空いた時間に、ハンドル操作のイメージトレーニングと教わった目線の送り方やハンドルを切るタイミングを反復練習し、次の技能教習に備えました。
その結果、次の教習ではS字・クランクで縁石に乗り上げたり、曲がりきれずに切り返すということなく運転することが出来たのです!
この時意識したのは、とにかく余裕を持って視野を広く、ハンドルや手元を気にしたりタイヤが曲がりきれるのかに気を取られないこと、何より心の中で離れた場所から自分を見つめる目線を絶やさないことを意識しました。


3、初心忘るるべからず
教習所に通い始めたことで、大学時代や昔に教わったことを思い出す機会が多く、忙しく過ごす現在、そうした初心のようなものを随分忘れてしまっていたなと思い返しました。
そしてこの「離見の見」という身体の状態や身体感覚は、他の場面でも応用が効く機会が多いと思いました。

自分の場合は現在挑戦している「演出」という分野です。この場合も役者の演技の状態を見つつ、位置関係やその時に観客の目線をどこに誘導しておくか、次にどんな展開を起こして空間を変化させるのかを同時に考えなくてはいけない場面があります。
そんなときにどうしても目の前の動きに気を取られがちになってしまいますが、落ち着いて意識を高いところに持っていき、空間全体を見下ろすような意識で「演出」を考えていくと、同時に見れる箇所が増えました。

この感覚は演技や演出以外にも、もちろん運転の際や、スポーツ、ビジネスにも応用できるのではないでしょうか?
しかも「離見の見」は日常の中でも、意識を持ち続けることで訓練することができます。

視野を広く保ち、複数の情報を同時に処理する能力は日常の小さな意識で獲得できる。

そんなことを教習所に通いながら発見することができました。


4、まとめ
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
免許への道はまだまだ遠いのですが、もっともっと運転の際の視野を広くし、いずれは自分の身体のように車を操れるようにしたいものです。

今後も気が付いたことや、還元できそうな発見があればこのnoteで共有していきたいと思います!

「離見の見」皆さんも少し意識してみてください、きっとできること、見える景色が広がると思います。

今日はこの辺りで失礼します。
ではまた。

QoiQoi 大橋悠太



QoiQoiプロフィール
2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。

また、「想像力を創造する」を信念に演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。

このnoteでは作品制作のことを中心に、被災地のことや原発のこと、その他考えたことなど、読んでくれている方へなるべく為になるような記事や僕らをより知っていただける記事を書いていくことを目指しています。
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