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思いは正直に真っ直ぐに

こんにちは、QoiQoiの大橋悠太です。
緊急事態宣言が出され、状況が目まぐるしく変化している最中ですが、今回はその中で感じた事をそのまま書いてみようと思います。


年明けから状況が180度変わった

2020年8月公演の延期が決まり、それをプラスに捉えて出演者と共に取材やリサーチを重ね、脚本も改良して、12月から新作公演に向けて稽古を進めてきました。
キャストと相談し、稽古日数を減らして一回の稽古の濃度を上げる決断をして、確かな手応えは感じていました。
後は「自分達がどこまでやり切れるか」という問題で、必ず全員を勝たせるという意思を貫き通す覚悟を持って作品制作していました。
12月の最後の稽古で一番の不安点だったシーンも光明が見えて、少し肩の荷が下りて年明けに向けて歩めるなと思っていました。

しかし、年明けになるとコロナ第三波による緊急事態宣言、それにより稽古場の減少による制作の危機、キャストの体調不良もあり、一転して公演中止という危機に追い込まれています。
その中で今も話し合いが続いていますが、完全に中止するか、代役を探すのか、公演は中止し映像など他の作品として制作を続けるか、再度の延期を考えるか、未だ決まっていない状況です。



話し合う中で身に染みて実感した

絶望的な状況下で話し合っていくうちに気が付いたのは、こうした状況でこそ人間の根本を見つめ直して、それを曝け出す事でしか前に進めないということです。

ちょっとめんどくさく書きすぎましたね。
つまりは腹を割って本音でぶつかり合うということです。
延期してでもやりたいのか、コロナを考えると不安でやりたくないのか、自分の現状(経済状況、生活、仕事)を考えるとどこまでこの作品に賭けられるのか、等々。一人一人全く違う腹づもりで作品に関わっている中で、普段であればそれを隠していても問題はない。
各々が出来うる限りで作品を作ればいいと思います。

しかし本番の3月を控えて、稽古場は少なくなり、世間の目も厳しくなり、代役も見つかるか分からない、公演中止が現実味を帯びてきた状況では、「なぜやるのか」「本当にやりたいか」ということを再確認しなくてはなりません。
全員が納得して進めなくては組織として崩壊する危機を抱える事になるし、お客様にもその不安がダイレクトに伝わります。
そんな作品は誰も見たくありません。(僕も見たくも作りたくもありません)

その時に関係者に問う言葉は自然と「俺はこう思ってます。みんなはどう思っていますか?」という言葉になっていました。
普段であれば「このシーンどう思う?」とか「何か悩んでる事とかある?」といったコミュニケーションをしてしまいがちですが、そうした言葉では緊急時には意味がないと気が付きました。
自分がまず腹を割り、本音を吐き出し、胸の内を曝け出す事ができなければ、目の前にいる人だって同じ事をします。


コロナ時代をどう生きる?

これまで自分は、自分がどう思うかを隠して、相手に嫌われない事を無意識に選択していたのかもしれません。
そして、その考えは危険だとも思いました。
そういったコミュニケーションを取る人のことを本質的な部分で信頼できないからです。

コロナによって日本中の人が生きる事に必死になり、必死で考え行動している時に最も大切なのは人と人との信頼関係だと思います。
「コロナは時代だ」という言葉を誰が最初に使ったかは覚えていませんが、コロナ時代はそうした本音と建前のバランスが変わる時代だと思います。

読んでいる方の中にも苦しく厳しい状況にある方もいるかもしれませんが、誰かと向き合う時に今一度ご自身のコミュニケーションを振り返り考えてみると発見があるかもしれません。

僕ら自身まさに瀬戸際にあると言っても過言ではない状況ですが、自分と向き合い、他人の想いと向き合いながら本気でぶつかり、決断していきます。
諦めることはしません。
その決断が関わってくれた全員と、応援してくれた方々、そして自分達にとって正しかったと胸を張れるように、全力で頑張りますので、どうか応援お願い致します。

QoiQoi 大橋悠太



QoiQoiプロフィール

2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。
また、「想像力を創造する」を信念に演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。

このnoteでは作品制作のことを中心に、被災地のことや原発のこと、その他考えたことなど、読んでくれている方へなるべく為になるような記事や僕らをより知っていただける記事を書いていくことを目指しています。
もしも気に入った記事や活動の参考にして頂けたら、スキやQoiQoiをフォローをしてもらえたら嬉しいです。
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サポートして頂いた資金は現地取材や稽古など全て作品作りに使用させていただきます。
今後とも我々QoiQoi(コイコイ)をよろしくお願いいたします。

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