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菅義偉『政治家の覚悟』レビュー

 以下は、私がAmazonのレビューに書いたものです。

★☆☆☆☆
権力快感おじさん、読まれては具合の悪い1章を削除して再出版!

 プチ鹿島氏が本書を読んで、こう指摘しています。

 <新たに収録された「官房長官時代のインタビュー」  新書版では削除された章の代わりに官房長官時代のインタビュー収録が売りだが、そこにも怖いことがシレッと掲載されている。
 《内閣法制局長官や事務次官の人事については、強引だとの批判もありましたが、政権の方向性に合う人をきわめて客観的に選ぶという方針ですから明快そのものです。》(P195、2014年のインタビュー)  
 ギョッとする。  
 内閣法制局長官でさえ「政権の方向性に合う人」と明快に言っちゃってる。そして「政権の方向性に合う人をきわめて客観的に選ぶ」って支離滅裂でもある。
 いろんな意味でヤバいのだ。こういうのを残したのはやはり文春の意地悪か。

・・・・

 「重みと思うか、快感と思えるか」
 菅義偉氏の権力の行使に対するこのヤバさは何なのか。実はその正体を書いた記事があった。
 菅官房長官の番記者として取材してきた毎日新聞政治部の秋山信一記者は10月2日の「記者の目」で以下のように書いている。
 菅氏は記者に「権力」について、
《「重みと思うか、快感と思えるか」とボソッと語った。重圧に潰されないようにするためには、思うように政策を進める快感を力に変えられるかどうかだということだ。》 
 権力を行使するのは重みではなく「快感」。
 ギョッとする。
 権力者はその力を抑制的に使うはずだが、快感らしいのだ。
 菅氏は「たたき上げ」を売りにしているがこの振る舞いはただの「田舎っぺ」である。
 もとの単行本が発売されたのは8年前だが、現在この権力快感おじさんは総理大臣となった。
 新書となった『政治家の覚悟』はむしろ「国民の覚悟」である。

 菅氏は、この本を文春文庫で再版するにあたって、旧版の一部を削除したと評判ですが、なぜか、ブログに書いた同じ趣旨のものは削除してないので、いまそれがあちこちで出回っています。つぎのようなものです。本書をお読みになる方は心に留めておかれるといいでしょう。
 森友、加計、伊藤詩織さん事件、桜を見る会と、安倍政権は隠蔽、改ざん、削除が相次ぎましたが、その中心にあったのが菅氏です。菅氏は、これをも「問題ない」「改ざんとのご指摘は当たらない」と言うつもりでしょうか。

意志あれば道あり
衆議院議員 すが義偉
オフィシャルブログ by Ameba

今週、東日本大震災に対応するために立ち上げた多くの会議で議事録が作られていないというずさんな実態が、次々と明らかになりました。
歴史的な危機に対応していることへの民主党の意識の薄さ、国家運営への責任感のなさが如実に現れています。
公文書の作成は、政党の主義主張とは全く関係のない、国家運営の基本です。
公文書管理法では、記録を「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」とし、意思決定に至る過程の文書を作成することを義務付けています。
1000年に一度という大災害に対して、政府がどう考え、いかに対処したかを検証し、そこから教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録はその最も基本となる資料です。
それを作成していなかったのは明らかな法律違反であるとともに、国民への背信行為です。
人類が原発事故を二度と起こさないために、事故が起こった原因、被害の拡大を防げなかった理由を徹底的に究明することは、国民や世界に対し、国が果たすべき重要な責務です。
しかし、福島第一原発の事故に対処した原子力災害対策本部でも議事録は残されていませんでした。
これでは国会の事故調査委員会の検証にも支障が出るのは避けられません。
議事録のないことは昨年5月の時点で問題になって、当時の枝野官房長官は改善を約束し、野田総理もこのことを十分認識している立場であるにもかかわらず、その後も作成されずに、23回にわたる昨年末までの原子力災害対策本部の議事録は一切残されていません。
 これでは、民主党政権が自らの失敗を隠そうとしたと疑われるのは当然です。

#スガ政権の退陣を求めます

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