沼田半

沼田半のポート、ポ、ポートフォリ…、オ。98年生でlive loopingの音楽などを。

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最近の記事

【短歌18首】station to stationary

高卒可年間休日120求人ポルノなスラップベース バーガーに細い小指が食い込む君は黒ギャルじゃないから白ギャル 200km南西琵琶湖に小雨が落ちる今日もなにもしてないなにもしてない 一束でこんがらがってる永遠を肩代わりするカイワレ大根 ゴミ箱はゆかにおくはこ人間は帯に短し襷に長し 海はまだ君にふさわしくない 海は一人称、総理が変わった 悲しみは2束茹でたそうめんのほぐれて無数になったとき等 永遠の1秒前まで土下座します 低温やけどの話をしよう 飛行船 革職人

    • 【創作・小鳥書房文学賞投稿作】1/1から3日間の日記【3792文字】

      第二回小鳥書房文学賞・募集テーマ『日記』に投稿したものです。創作です。 2024/1/1 0:00 年越しの瞬間は覚えていないがBjorkを聴きながら中原昌也『あらゆる場所に花束が……』を読みつつ、旧ツイッターで紅白の感想をチラチラ見ていたかと思う。大晦日に読んだ花村萬月『自由へ至る旅』の影響から、「夜が明けたらすぐに四国に旅にいこうかしら。大江健三郎記念館を目標に」とか思いながら。なお、調べてみると「大江健三郎記念館」というものは無いらしく、何故かそういうものがあると思い

      • 【書評】まだ日々にテーマがなかった頃【『天国』ゴトウユキコ短編集】

        ※多分にネタバレを含みます。未読で話を楽しみたいという方は一行も読まないことを推奨します。また、引用元はすべて『天国』内の言葉です。  子供のころはつらいことが多かった。これは境遇が不幸だったということではなくて、例えば鬼ごっこで全員に逃げ切られてしまってトボトボ歩いたり、友達とサッカーのゴールのルールについて揉めて泣いたり、気まぐれから自分の前髪をぱっつんに切ってしまって翌日の登校を本気で憂いたり、しょっちゅう転んで膝から血が出たり。常に自分は無防備・剥き出し。世の中には

        • 【芸術・論考】奇跡と簡単さについて

          新曲ができないまま当noteの文章だけが増えていってしまっている感があるが、それが私の性質らしくしょうがない。書かれている内容はきっと音楽制作にもつながってくることだと思う。※文末に少し自作に触れます。  話を分かりやすくするために「奇跡」という単語を二義に分けたい。 ①とんでもなく確率が低いこと起きること ②超自然的な現象がおきること  例えば賭け事で何連発も大当たりを引き当てることを「奇跡だ」というとき、それは第一義にあたる。確率的にはとんでもなく低いが起こりうるこ

        【短歌18首】station to stationary

          【創作】『双魚』(第2/2回・約4000文字)(“しょぼい文体”の実践)

          第一回https://note.com/qe5aspuv/n/nc97687b5bf57)  下着を履き居間に戻る。スマホで時間を見ると十五時五五分。間に合うペース。  ドライヤーは、強い熱風を顔付近に当てるのが神経逆立つので嫌いだが、しないわけにはいかない。人は、大雨に打たれると必ず走る。濡れてもいいとき、例えば、あとは帰宅して服を洗濯機に脱ぎ捨てるだけのときも走る。大雨は目に当たり視界を阻みまぶたを強制的にこわばらせ、呼吸の隙間に入り込み、背筋に冷たいしずくが流れる、つ

          【創作】『双魚』(第2/2回・約4000文字)(“しょぼい文体”の実践)

          【創作】『双魚』(第1/2回・約3750文字)(“しょぼい文体”の実践

          (前書き)  長大・重厚な文体や思想からは資本のにおいがする。読む分には満足させてくれるけど、その一方で自分のような小市民とは馴染み難いものがあるように思わないでもない(その割に読んでしまってはいるけど)。  逆に私はバッハのメヌエットが――それもピアノ初心者が習うような簡素な楽譜のものが――ずいぶん好きなんだけど。そういった単音や単純な和音の構成音が対位法的に作用するように、小説の、一つ一つはしょぼい各文が同時進行しつつ互いに作用するものを作ることが狙いである。 (区切り線

          【創作】『双魚』(第1/2回・約3750文字)(“しょぼい文体”の実践

          【エッセイ】気象予報士試験に落ちた

          2024年3月8日。第61回気象予報士試験に落ちた。 不合格通知を受け取ったのである。 大学を中退してボーっと働いているのにも飽きた、2022年4月ごろ。体力も愛嬌も運転免許証もない自分の先行きに不安を抱き、適当なウェブページの「資格一覧」を眺めた。 弁護士、会計士、司法書士…… しかつめらしい文字列に目線を滑らせる。  「ム……」 【気象予報士】で手が止まったのは ①難関資格と言われている(合格のバリューが高い) ②ビジネス臭が薄く、学問臭がして好ましい ③池澤夏樹

          【エッセイ】気象予報士試験に落ちた