【読書録】シャイフ・ハーレド・ベントゥネス『スーフィズム イスラムの心』5くらい

 すべての知、すべての心理は〈究極的真理〉の中に含まれていて、後者自体は「ビスミッラーヒ」の力の中に含まれている。

(シャイフ・ハーレド・ベントゥネス『スーフィズム イスラムの心』、171-172)

 これは今度は、知ってる人は知ってるかもしれないが、GNUという、フリーソフトウェアのセットの命名法と似ている、ちょっと違うかもしれないが、朗唱の中の文言に、同心円的な光景を持ち込んでいる所は似ている。これって、実は先ほどの、垂直性と水平性、右と左のある空間、四つの象限に区切られる平面的思考、スピード感をもってどこかに進化しようとする矢印のような秩序に歯向かう、円環的時間の構成要因なのではないか? GNUの方は、過度に権利化し資財化しているソフトウェアというものに嫌気がさし、リチャード・ストールマンという、反資本主義をパソコンの上で現実化させたような人が、その資本主義の秩序を崩すという、僕の単なる裏読みだが、意図があってこのような命名法が選ばれており、イスラム教の方は、何だろうか、わからないけれども。垂直性と水平性の世界を提示しておきながら、同心円状の、渦巻くような破壊的な時間構造も指し示し、あたかも人を眩暈に巻き込むかのようにも感じられる。
 最近、僕の推論過程は変だ。


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