【日記】アルトーへの態度

 音楽と違って、本の場合、とりあえず流し聞くということが、できないとはいわないまでも、とても難しいと思う。
 それだけに、アルトーの「カイエ」を読んでいて、あまりに理解が追い付かないので、だからといってどこかで投げてしまうには、自分は今までアルトーに関わり過ぎてきたし、アルトーという存在への意味付けに対して、身体的に反応しすぎてきた。無視するということは出来ない。なので、その無理を通し、能動的に読みながら、頭の中にそれを流している、という、相当に奇妙な読み方を強いられることになった。
 だが、もしかしたら、読書の、とても重要な局面においては、こういう読み方をするしかないのかもしれない。

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