【日記】時間がない

 今では毎日になっていないが、こことは別に、個人的な日記を書いている。
 月末になったので、今日のことだけではなく、一日一日遡って、あったことを思い出していこうとしたのだが、どこかに書きつけていたり、グーグルマップのタイムラインでどこにいたと記録があるもの以外は、二日前以前のことを全く思い出すことが出来なかった。
 自分の記憶力のなさに、今更ながら愕然とした。
 覚えようとすることは覚えている。今も、たった二日か三日の勉強であるにもかかわらず、英単語を覚えるのはかなり順調に記憶に入っている。逆にいえば、丸暗記とは、たかだかそんな程度の努力で出来ると言えるかもしれない。それらは、意識の焦点がそこにあるから、覚えられるものであるのだが、問題は、意識の焦点がばらついている時の記憶だ。
 今、何となくとある日の記憶を引き出そうとしても、それは丸一日、なにかしら印象的出来事もあったろう日であるにもかかわらず、その取っ掛かりが一切ないのだ。
 あの日は、文字通り消え失せたのだろうか。

 今日は雨が降っていて、KIRINJIの「Rainy Runway」という、かなり新しめの曲が、何度も頭の中を流れていた。ずいぶん安直な頭だと思った。しかし、頭の中を流れている曲を聞くのは、面白い。そこで、改めて聞き直しているような感想を得ることがある。
 KIRINJIは、現在はほとんど堀込高樹一人のプロダクションだと言っていい。いくつかの曲に言えることだが、いわゆるJPOPのように、サビが来るたびに、同じフレーズを繰り返す、とくにサビの繰り返しの最後、大サビというのか、それは最後の音を伸ばして終わるとか、いくつかの展開形に任せて安易に作られる場合が多いが、この「Rainy Runway」など、サビが回数を重ねるごとに印象を変え、はじめはとても地味で身の回り一つだけといった情景なのに、最後はとても壮大な画で終わる、という風になっていて、聞きごたえがある。
 それを、頭の中の曲を聞きながら、思った。実際に流している時に思ったことでもある。

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