「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見てきた

久々の外出で、「なぜ君は総理大臣になれないのか」という映画を見てきました。ネタバレに気をつけつつ、感想を書いてみたいと思います。

見にきてた年齢層は中年〜年配の男性が7割ぐらいで、残りは女性や若者だったイメージ。

選挙の大変さ/難しさ

この映画は、その名の通り、小川淳也衆議院議員の初出馬の2003年衆議院選から今までの物語に焦点を当てています。

2005年の衆議院選で初当選して以降、現在まで当選5回。しかし選挙区の香川1区には自民党の平井卓也氏がおり、2009年の政権交代選挙を除けば全て比例復活。そのため党内での発言権が弱い、と本人が語っていました。

で、映画でも詳細に描かれるんですが、選挙ってすごく大変なんですよね。まずは家族を巻き込んでの戦いになるということ。小川さんの場合、両親、妻、娘2人が総出で選挙を手伝っています。娘さんの

将来、政治家になる気持ちは全くない。政治家の妻にもなりなくない。でも、今回の選挙は勝ちたいから全力で応援する。

という言葉と、お父さんの

若者が政治を目指すのは大事だと思うし、そういう世の中であるべきだと思う。でもそれが自分の息子が、という話になると単純にそうは言えない

という言葉が政治の難しさを物語っているように思いました。

僕の地元でも選挙は家族総出でやる大イベントみたいな感じがありました。今はそうでもないのかもしれないですが、家の前で食事や飲み物をふるまったり、ポスターを貼ったり。そしてやっぱりうちの地元みたいな田舎だと、長老的な人が発言権大きんですよね。選挙のときはそういう人が見方についてくれるかで大きく情勢が変わるので、その辺りの付き合い方も大変そうでした。

政治信条と党利党略


これは結構序盤から描かれているんですが、小川さん自身、自分の政治信条と党利党略の間で悩み続けます。特に2018年の総選挙では、小池都知事が率いる希望の党ブームが起き、小川さんが所属する民進党は分裂。希望の党公認として選挙に臨むのか、無所属で立候補するのか、という難しい決断を迫られる様子は映画の中でも長い時間をかけて注目されています。

小川さんは、希望の党の公認としての立候補を決断するんですが、安保法制などの政策がこれまでの小川さんの姿勢と違う党からの立候補ということで、地元の有権者から厳しい言葉を投げかけれれる場面も映画では捉えられています。

一連の場面を見て、「なんでここまでして政治家になろうと思うんだろう?」というのが最初に出てきた感想でした。選挙(特に小選挙区)は地元重視の側面がある以上、上で書いたような田舎でのしがらみと似たような問題を抱えます。

地元の人に頭を下げないといけない、厳しい言葉も投げかけられる、家族も巻き込まないといけない、政治のしがらみに巻き込まれる、しかも三世議員という強力な対立候補がいる、などなど自分だったらあえてそんな環境には絶対に飛び込みません。

それでも人生をかけて、自分の意思を貫こうとしている小川さんは立派だと思いました。

51対49と100対0

特に印象に残ったのが小川さんの

世の中全てのことは51対49のはずなのに、特に政治では出てきた結果は100対0のように見える。自分は51の側に立ったとしても49の意見を汲み取りたい。

という言葉でした。

政治家の役割とは何か、と考えたときに「有権者の意見を代弁すること」とのが教科書的な答えなわけですが、自分に投票しなかった人の意見も汲み取る、ということが大事なのは明白です。これは言うは易しですが難しい。議会では51の勢力があれば法案は通るわけで、自分たちの意見を通し続けることの方が簡単です。

昨今は特に49の意見が届かない傾向が強まっているように感じます。そういう状況だからこそ、小川さんのような意見を持っている人が政治家になるいみは大きいように思いました。

小川淳也さんは政治家に向いているのか?
これも映画の中で何度も問いかけられています。魑魅魍魎の政治の世界で、小川さんのような純粋な意思を貫くのはもしかしたら難しいのかもしれません。

けれども、少なくとも僕はこういう純粋な思いで政治をやってくれる人に1票を投じたいと思いました。

まとめ


この映画は、こういう(特に野党の)政治家もいる、ということを広く知るという点で非常に意味のある映画だと思いました。個人的にはもっと若い人に政治に関わって欲しいけれでも、残念ながら自分自身が政治に関わるまでの力はありません。

だからこそ、政治に挑戦しようとする人を応援することが大事だと改めて感じた1日でした。

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