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鉄路を物流に生かす未来はないのか

 若者の車離れが進んでいるという。車を購入するためのお金、車税や保険料、燃料代など車にかかる維持費を考えると、車を持つことにメリットを感じない若者が増えているということのようだ。田舎の若者にとっては必須アイテムであることには変わりないが、都会に住む若者にとっては優先順位は低いようだ。お金をかける対象が変わったり、収入がそれほど上がっていないことも理由かもしれない。

 ネットに挙げられている「国鉄/JR廃線リスト」を眺めて驚いた。北海道や福岡県は、特に廃止されている鉄道路線が多かった。福岡県は石炭事業の衰退によって、北海道は利用者減少や過疎化によって赤字路線となって廃線となっている。かつては日本国土を人間に見立てて、大動脈などと表現されていた鉄道。これからは、路線が廃止されることによって、血液が行き渡らなくなり壊死していくということなのか。儲からない路線は、次々に廃線となっている。北海道は日本の国土の5分の1を占めており、その維持には多大な経費が掛かる。1路線単体で考えれば、費用対効果は低く儲からない。
 そして、今や、道路網が整備されたことにより、鉄路に代わって道路が血管としての役割を果たしている。血液は、車。

 現代の物流はトラック輸送に支えられているが、免許を持たない若者の増加は運転手不足を深刻化させていくだろう。
 ドローンや配達ロボットの実証実験も進んでいるようだ。新幹線やバスを使った物流実験も行われている。利用者を利用物に変え、鉄路を生かして貨物列車をもっと物流において重要な手段とすることはできないだろうか。なんでも切り捨てるだけでなく、将来を見据えながら有効利用することを考えて欲しい。
 こんな時こそ、地方自治体や国がリーダーシップをとって、一企業だけではできない、多面的に考えた物流政策を官民共同で考えてどうだろうか。


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