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ドイツの(ケルン)大学に留学するための色々



!注意!

 筆者は2022年8月25日~2023年3月8日(冬学期)までケルン大学に留学していました。情報が古い場合があるので必ず最新の情報を確認してください。特にビザの交付要件などは頻繁に変更されています。また、記事の内容は個人的なものにすぎず、思い出しながら書いているので不正確な部分もあると思います。あくまで参考にしてください。

この記事は、パスポートを持っていることを前提にしています。パスポート新規取得には約1か月かかるので持っていない人は早めに申請してください。


  studium_in_koelnさんというインスタグラムアカウントには、とても助けられたのでそちらも参照するとより分かりやすいと思います。



〇ケルンについて

ケルンの位置。ベルリンよりもフランスベルギー、オランダの方が地理的に近い。

 ドイツ西部にあるケルンは、人口109万人を擁するドイツ4番目の都市です。古くからライン川流域の要衝として栄えてきました。ケルン大聖堂を中心とした古い町並みと戦争からの復興の際に建設された近代的な建物がまじりあった都市です。街中には電車とバスの路線網が張り巡らされ、生活するのに便利な街でもあります。

 ケルン大学はヨーロッパ最古級の大学であり、人間科学部、経済学部、哲学部、医学部など6つの学部で構成され、学生数計5万人を抱えるドイツ最大の大学です。また、世界各地から留学生が来ており、国際的な大学です。近年では、全編英語で開講される教育プログラム(CGSP)が創設され、さらに開かれた大学になっています。また、哲学部には日本語学科があり、日本語を学んでいる学生もいます。
 ケルンにはケルン大学の他、音楽大学、スポーツ大学などがあり、合計で約10万人ほどの学生がいます。そのため、学生にとっても住みやすい街である反面、住宅事情は困難であり、寮に入れなければかなり苦労するでしょう。

〇日本で行うこと①大学関係

 留学が決定すると国際交流センターは、ケルン大学に留学生として学生を登録してくれます。それ以降は、あなたに直接ケルン大学からメールがくるようになるのでそれに沿って進めてください。また、最初に送られてくるメールには、留学生のためのパンフレット(WiSe)が送られてくるので熟読してください。入学までの手続きや諸情報が含まれています。不安な人はDeepL(https://www.deepl.com/ja/translator)にファイルごと翻訳できる機能があるので活用してください。
 

・学部への登録

 Curriculum VitaeやMotivation Laterを送ると学部登録のメールが届きます。
学部の他に、全授業が英語で行われる国際教育プログラム(CGSP)への登録も可能です。

ケルン大学学部URL:https://portal.uni-koeln.de/en/research/research-profile-at-a-glance/faculties

 ドイツ語で授業についていける自信がない人はCGSPも取ったほうがいいでしょう。CGSPに所属している人は後述のドイツ語講座が学期前・学期中どちらも無料になります。


  また、ケルン大学にはドイツ語プログラムとして、学期前、4週間の集中講座(Presemester Session / Intensivkurs)と学期中に行われるドイツ語講座があります。
学部への留学生はどちらかを無料で受講することが出来ます。私の場合はプレセメスターセッションが終わった後にも通常のドイツ語講座を取りました。追加費用は200€程度です。


・寮の申し込み

 ケルン大学では、Studierendenwerk(以下werk)が寮や学生食堂の管理を行っています。交換留学生は優先されて案内されるようですが、基本的にケルンは住宅事情が非常に厳しく、寮に入れない場合はかなりの苦労を強いられます。そのため留学が決まった時点で以下のサイトから申し込みしたほうがよいです。遅くても半年前、余裕を持つなら1年前から登録しておいたほうが無難です。
URL:https://www.kstw.de/

 また、WGが探せるサイトもいくつかあるのでそれで探すのもひとつの手かもしれません。その他Facebookなどでコミュニティもあるようです。
Wg-gesucht URL: https://www.wg-gesucht.de/


・学期費振込(Semester fee)

 学部への登録が完了すると振込銀行の詳細が送られてくるので送金の手続きを行ってください。私の場合は300€程度でした。ゆうちょ銀行や一般の銀行で国際送金すると手数料が1万円ほどかかるうえに時間がかかるのでWiseを利用することをお勧めします。
URL:https://wise.com/jp/


補足:Wiseの本人確認では、
・運転免許証
・2020年2月以前に発行されたパスポート
・マイナンバーカード
のいずれかが必要です。マイナンバーカードの発行には1か月ほどかかるので必要な人は早めに自治体に申請してください。
 


・KLIPSへの登録

 KLIPSとは、ケルン大学の学生のためのポータルサイトです。Semester feeが支払われたことが確認されると最初のログインパスワードなどが送られてくるのでログインしてください。
 ここでは自分の申請状況の確認や書類のダウンロードなどが出来ます。

〇日本で行うこと②ドイツ滞在関係

 大学関係の手続きと同時にドイツに滞在するための手続きも同時並行で進めないといけません。特に保険やお金関係はきっちり準備しないとビザが取れない可能性もあるので気をつけてください。
 ドイツに3か月以上滞在する人は、ビザが必要です。ビザはドイツに行ってからでないと申請できませんが、書類は日本で用意しておきましょう。


・ビザ取得に必要な書類の準備

 以下がビザ申請に必要な書類です。日本で準備できるものは準備しましょ       う。

・ビザ申請書
・在学証明書(KLIPSでダウンロードできます)
・住居証明書
☆保険証書
☆閉鎖口座の証明書(残高証明)
☆パスポートのコピー
☆証明写真
☆手数料

※☆印は日本で準備出来るものです


・ドイツの保険

 ビザの申請には、その期間をカバーする保険に入っていることが条件となります。この保険はドイツが定める法的保険でなければなりません。つまり、大学が斡旋する留学用の保険などでは認められません。

・閉鎖口座(Sperrkonto/Block account)

 閉鎖口座とは、お金を一定額しか下ろせない銀行口座のことです。私の時は1か月850€程度だったので半年間滞在(×6)で約5,000€を事前に振り込みました(金額は毎年変更されています)。これの残高証明がビザ取得の書類として必要です。滞在費の先払いのようなものなのでお金は溜めておきましょう。
※2023年6月時点で1か月934€以上に変更されています。ドイツ総領事・大使館HPから確認できます。
https://japan.diplo.de/ja-ja/service/studium/992854

 閉鎖口座の有効化(実際にお金を引き出せるようになる)には、時間がかかります。なので二か月分くらいの滞在費は事前に持って行っていった方がいいです。私は渡航前に5万円くらいを€に変えて持っていったのとVISAのデビットカードを持っていきました。スーパーや薬局などは基本的にカードで払えますが露店や市場などは現金しか使えません。

・Expatrioについて

 「保険と閉鎖口座のことは分かったけどどうやって申請すればいいの?」
色々方法はあると思いますが私はExpatrioという会社で閉鎖口座と法的保険がセットになったプランがあったので申し込みました。Expatrioのこのセットでは、閉鎖口座と一緒にドイツの法的保険Techniker Krankenkasse(TK)に加入することが出来ます。
また、申し込み手続きをするとケルン大学に自動的に保険加入の通知が行くのでこちらから入力する手間が省けて便利です。
今のところなにかトラブルがあったということはないのでおすすめできます。
ビザの手続きに関しても詳しいのでなにか分からないことがあればメールを送ってみればいいでしょう。割と早く返してくれます。


〇ドイツに来てから行うこと

・住民登録

 住民登録はドイツに来て住居があるなら出来るだけ早くした方がいいです。住民登録証明書が無いと保険や銀行口座も開けません。法的にも到着2週間以内にしないといけないようです。

必要な書類は、
・住民登録のための申請書(役所のウェブサイトからダウンロード)
・住居証明書(大家、学生寮からサインをもらったもの)
・パスポート
です。

申請は自分が住んでいる管轄の役所にする必要があるので下記ウェブサイトから確認してください。また。申請書のダウンロードもここから出来ます。

↓ケルンのウェブサイト

全ての書類がそろえば申請と行きたいですが、それには2種類の方法があります。①予約(Termin)をする。➁予約なしで申請可能な曜日に行く。

自分の場合は、予約しようと思うと2、3か月後になったので予約なしで行ける曜日(月、水)に行きました。受付で整理番号をもらい待つこと2時間半…。ようやく住民登録が出来て、住民登録証明書がもらえました。ちなみにやり取りは英語で出来ました。

 住民登録証明書が発行されるとそれで普通口座が開けたり、保険の有効化が出来たりするようになるので手続きを行いましょう。また、ビザ申請にも必要になるので大切に保管してください。

・普通口座について(N26)

 閉鎖口座からお金を引き出すためには、そのお金の受け皿となる(ドイツの)普通口座が必要になります。私はN26 というオンラインバンクを開設しました。本人確認のビデオチャットがありますが英語で出来るのでなんとかなります。担当の人によっても難易度がかなり変わるので何度も挑戦しましょう(私は4回目ぐらいでクリアできました)。
 N26には、Standard、Smartなどいくつかプランがあります。私はN26 Standardを選びました。基本的な機能はあるので十分だと思います。ただ、物理カードが付属しておらず、ATMで引き出しが出来ないことが多いので私は別途10€でカードを注文しました。StandardでもDM(ドラッグストア)などの店頭からお金を引き出せるCASH26という機能もあるのでそれで事足りる場合は必要ないと思います。


・ビザ取得について

 ビザの取得は非常に長丁場になることを覚悟しましょう。手続きのざっくりとした順番は以下のようになります。

①書類の準備
➁ビザが欲しいというメールを外国人局に送る
③必要書類を書いたメールが返ってくるので書類を添付したメールを返送
 ↓ 3週間後ぐらい
④不備がなければ「〇月×日△時に来るように」というメールが来る
⑤外国人局にて仮ビザの発行、本ビザの申請のためのお金(100€ぐらい)を支払う
 ↓ 2週間後ぐらい
⑥ビザを取りに来るようにメールが来る
⑦ビザゲット!!

 メールの一通のやりとりでも1週間かかるうえに、書類の不備を指摘されると再申請で大幅なロスタイムが発生するので、出来るだけ完璧な状態で申請した方が良いです。本ビザ取得には短くても3か月はかかると思います。また、あまりにもメールの返事やビザの到着が遅い場合などはメールで催促してもいいと思います。

・仮ビザについて

 仮ビザとは本ビザが取得できる前の一時的なビザです。本ビザは顔写真入りのカードですが仮ビザは紙一枚です。

仮ビザ

この仮ビザにはいくつか種類があり、それは出入国可能なもの、出国のみ可能(再入国不可)なもの、出入国不可なものです。見分け方は仮ビザ裏面のチェック欄で、3つ目の欄 (§ 81 Abs. 4) にチェックが入っているものは出入国可能となります(EU圏外でもおそらく可能)。2番目の欄のチェックは、再入国が出来ないためEU圏外への出国は避けたほうが無難かもしれません。

仮ビザ裏面のチェック欄


 もし、ドイツ以外への旅行を考えている人は仮ビザ発行の際に、一時帰国や旅行の予定があると伝えた方が良いでしょう。

 私の場合は10月に全ての書類を提出し11月に仮ビザが取得できました。仮ビザ取得時に担当官の人が「3月に帰るんだったら、有効期限を4月にしとくから本ビザ申請必要ないよ(意訳)」と言ってくれたため、本ビザの取得なしですみました。私のように留学期間が半年の人は、仮ビザだけで問題ないかもしれません。

〇最後に

 この記事がなんらかの助けになれば幸いです。念押しになりますがこれらの情報はあくまで参考程度にとどめ、必ず最新の情報を確認してください。また、特にドイツは言えば何とかなることもあるのでとりあえず言ってみる、行動してみるというのも大事です。皆さんの留学に幸あることを!

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