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【SBIアートオークション】落札結果発表!

一昨日終わったばかりのSBIアートオークション
落札結果が公式ホームページにUPされていたので、先日行った下見会と合わせて自分なりのに考察してみた。

人生初体験。下見会へ訪れた際の投稿記事はこちら。

オークションはたった2日間で約300点近くの作品を落札していく。

落札率は96%、ほとんどが売れてることになる。

そして落札総額はなんと驚異の
¥1,420,181,000-(約14億円)!!!

すごい世界だなと改めて思った。

セカンダリー(2次市場)は、プライマリー(1次市場)に比べ、作品価格が高騰する中、お構いなしに作品がボンボン売れているということは、アートコレクターの絶対数が増えてきているのだろう。

もちろん日本だけでなく海外からもネットでオークションに参戦できるため、増加の要因には海外コレクターの影響も多分にありそうだ。

つまり海外コレクターたちも、日本のアート作品に注目しているということが伺える。

なかでもこの度最高額で落札された作品が、こちら。


LOT183 
ロッカクアヤコ「無題」
落札価格: ¥ 95,450,000 JPY
アクリル、キャンヴァス
145.0 × 75.0 cm 
※Estimate:  ¥40,000,000 - 70,000,000

【プロフィール】
ポルトガルを拠点(2021年時点)に世界的に活躍中。筆などを一切使わず、手で直接キャンバスや段ボールに絵を描くのが特徴。その独特のスタイルで行われるライブペインティングや、瞳の大きな少女のモチーフとカラフルな色彩の作風が国内外で人気を誇っている。


※について
オークション会社が作品ごとに、事前に見積もる価格のことを「エスティメート(Estimate)」といい、ロッカクさんの今作はMAX7,000万円で落札と予想されていたわけだが、結果的に大幅に予想を上回る形となった。

そもそもエスティメートの時点で7,000万円、
いかにロッカクアヤコ作品が世界的に人気を博しているか一目瞭然だ。


他にも何人か落札価格上位のアーティストを紹介したい。恥ずかしながら私があまり知らなかった方々を、勉強の意味も込めてピックアップしたいと思う。


LOT178
空山基 「Sexy Robot_walking in the space」落札価格: ¥ 46,000,000 JPY
アルミニウム、シルバーミラーペイント、スチール、クリスタルガラス
184.0 × 43.0 × 37.5 cm
※ Estimate¥30,000,000 - 50,000,000

【プロフィール】
イラストレーターであり現代アーティスト。
1999年ロボット犬「AIBO」のコンセプトデザイン担当。2001年にはスミソニアン博物館&MOMAのパーマネントコレクションに収蔵されている。またDIOR、STUSSYなどファッション業界ともコラボ歴多数。

一度アートフェア東京で見かけたことがあるので印象には残っていたが、まさかこんな以前から注目されてて、現在75歳とは驚いた。作品のスタイリッシュさからは年齢を感じさせないセンスとエネルギーを感じる。

空山さんは光を描きたいアーティストの1人で、彼にとっては光は女性とのこと。

しかしまさか「AIBO」の生みの親とは!
言われてみれば納得の類似性が伺える。


他にも井田幸昌、山口歴、KYNEなど上位落札者から紹介していきたいところだか、私が下見会に行ってすごく魅力的に感じた1枚が、エスティメートの約9倍に爆上がりしていたので、そちらを最後に紹介したい。


下見会の投稿記事でメイン画像にもさせてもらったこちら。

LOT012
佐藤 誠高 「Star 10」
落札価格: ¥ 5,520,000 JPY
アクリル、鉛筆、紙、パネルにマウント
53.0 × 45.5 cm 
Estimate ¥600,000 - 900,000

【プロフィール】
1980年愛知県生まれ。2006年東京藝術大学デザイン科卒業、08年東京藝術大学デザイン科修了。
写真と見間違えるほどの緻密な描写のドローイングに抽象的なマチエールを融合した肖像画や静物を描く。

佐藤なりたかさんと読む。
一言でいうと、『リアリティ』を追求する画家のようだ。

一見本物と見間違えるほどの緻密な描写だけの方がリアルと感じてしまいがちだが、アクリルの厚塗りで目を覆い隠すことにより、目に見えない対象の一面すら可視化しようとしているのだという。

まるで仮装パーティーのマスクによって正体を隠した者たちが、普段見せない自分の一面を曝け出すような感覚だろうか?

とても面白い切り口だし、何よりこの繊細さと大胆さのギャップがたまらなくカッコいいと感じた。


考察としては3点。

①良い作品でエスティメートが安価な作品は、逆に競争率が上がって落札価格が跳ね上がるので、購入希望の際は上限決めておかないと危うい。

②私は高額な作品ばかりと感じたが、世の資産家たちからすれば日本のアート作品は安くて良い質の物が多いので狙い目。
これからセカンダリーで落札価格が高騰していき、益々買えない作品が増えてくるかも。

③そうなると個人のコレクターは、プライマリーで発掘し、安く手に入れ、自分の推しアーティストをつくることが新たな需要になり、1つのムーブメントになるのでは?

とまぁそんな感じです。
いつもより長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!

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