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0103「黄金郷の夢」

仮住まい問題で昨日は出社できなかったが、今日は出社した。
昨夜はNYに来てうちに宿泊している友人を、共通の友人と一緒にハーレムらへんに案内しつつ、ハーレムのマクドナルドで延々といろんな話をした。友人は初めてのアメリカなのだが、私が5年間で全く気づかなかったことによく気づく。
東京の地下鉄とかは、基本的にネジが露出しないつくりになっているから、ツルツルしている、NYの地下鉄はそうでもなくてそこかしこにネジが露出しているのだが、そのネジが特殊なネジで、普通のドライバーでは外せないようになっている、なんていうことは5年住んでいても全く思いもよらなかったので、すごいなあと思った。

今日は昨日の続きで、若くしてハゲてしまった場合の処世術的なTIPSを書こうと思っていたのだが、面倒くさくなってきたし、そんなものを書いてわざわざ公開する意味がわからなくなってきたのでまた明日にする。

昨夜の会話の中で日本の図鑑について話をしていたのだが、私の中での重要な図鑑体験といえば、昆虫図鑑とかのりもの図鑑とかではなく「人間」という図鑑だ。私が小学生当時の図鑑「人間」には、男性と女性の幼少時から成人になるまでの裸体標本のイラストが描かれていて、これには大いなる衝撃を受けた。14歳くらいで第2次性徴が見え隠れし始めたような時期からの成人女性が直立した裸体。思えば小学校2年生くらいに見たあのイラストが自分にとっての性の目覚めだったのか、なんとなく、いかなるセクシーなポーズよりも、直立して標本的に気をつけしている女性が一番こみ上げるものがある。

そういう体験は子供時代にいろいろ散りばめられていて、一部では有名だが、中央公論社が出していた手塚治虫監修の「世界の歴史」が自分にとってはその次の原体験になっている。この「世界の歴史」は、うさぎの耳みたいのが生えた派手なコスチュームを着た宇宙人の兄妹が地球の歴史を追体験して解説するような構造なのだが、基本的に主人公は有名な歴史上の人物ではなくて、名もなき一般人だったりして、ちょっとひねりが入っている。その構造はとても面白くて、私はこのシリーズを何度も何度も読むことで、エジプトやローマ帝国、ナチス・ドイツに至るまでの断片的な世界の歴史をインプットされたのだが、同時にこのシリーズはとてもエロい。

ググったら、このシリーズのエロさについて書いた記事が出てきた。

この記事では面白く書かれているが、私は、エロと歴史の勉強は実は相当に親和性が高いと思っている。歴史というものは人類の歴史であるし、人類の歴史であるということはそういったものとは切っても切り離せない。人類の歴史は人類の営みだ。
中高生なんかはそういったものに興味しか無いわけだから、色っぽい話を通じて歴史を勉強するというのは、わりと合理的なのではないかと思う。山川出版と白夜書房あたりが突然合併して、「歴史の教科書」+「エロ」のハイブリッドを出してくれないだろうか。

これだけではなくて、第7巻である「黄金郷の夢―インカ帝国の悲劇」に出てくる主人公のおじさんの名前が、直球の放送禁止用語だったりするのだが、子供の私はそんな放送禁止用語は知らないので、普通にインカの男性の名前としてその言葉を受容していた。「沖縄の湖」で検索すると出てくるあの言葉である。これを通した中央公論社の編集の方はすごいし、手塚先生は絶対に狙ってやられていたのだと思う。

私は汚言症の気があって、洗い物をしながら下品な言葉をつぶやいたり、citibike(ニューヨークのシェアリング自転車)に乗りながら放送禁止用語で歌を歌いながら移動したり、ついついしてしまう。

で、一度ウォール街らへんを、放送禁止用語を歌いながら自転車で移動していた際に、日本人の観光客の方とすれ違ってギョッとされたことがある。せっかくお休みをとってニューヨークまでいらっしゃったのに、本当に申し訳ないことをした。

今まで数回、テレビやラジオの生放送に出させて頂いたことがあるのだが、これは本当に危ない。放送中というのは、放送禁止用語を言ってはいけない場面の極みであるがゆえに、なおさら突然そういう言葉を叫んで真っ白な灰になりたくなってしまう。

友人と話したり飲んだりする時間が長いと、読むべき本や興味の対象がどんどん広がるし、そんな原体験への考察も深まるし素晴らしいのだが、今は空いている時間はドラクエビルダーズ2に集中したいし、なかなか時間が足りない。息子のNintendo Switchを借りて地下鉄でドラクエビルダーズ2をやっているが、他の乗客が「それなんのゲーム?」とか聞いてくるのがとても困る。ニューヨークの良くないところだ。時間が限られているのに。私は村を整地したいのに。

みんなにも読んでほしいですか?

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