1106「搭乗前の血液クレンジング」

これから台北へのフライトがあり、そこから比較的長期のデスロードが始まる。基本的に飛行機の上では本を読みたいし、日記書いたりしたくないので、乗る前に6日の分を書いて公開しまおうと思う。秋本治先生も、連載ものは書き溜めておくと時間が自由に使えて楽、と言っている。

飛行機に乗る直前に何か文章を公開するのは恐ろしい。なぜかというと、ジャスティン・サッコを思い出してしまうからだ。

ジャスティン・サッコという人は「世界最大のツイッター炎上」で世界中から叩かれた人で、内容は下記リンクに詳しいが、飛行機に乗る直前に、

「アフリカに向かう。エイズにならないことを願う。冗談です。言ってみただけ。なるわけない。私、白人だから!」

という笑えない、恐らく差別を皮肉っているニュアンスも入った絶妙にひどいジョークをツイートして飛んだところ、飛行機に乗っている間に世界中でこのツイートが大炎上して、世界のトレンド1位になり、11時間のフライトを終えて着陸した後には一躍、(悪い意味で)時の人となり、それによって職を失ってしまった。

これは怖い。さすがに自分がこんなひどい、リスクの高いジョークをツイートはしないとは思うが、何が炎上するかわからない世の中だ。迂闊なことはできない。飛んでいる間は火消しもできない。本当は長時間飛行機に乗る前にネットに何か公開したりなどすべきではないのだ。

ところが、搭乗直前に何も公開しないで済んでも、油断はならない。

今年の初夏に、着物屋さんの広告で、着物のビジュアルに、「ハーフの子を産みたい方に。」というコピーが入っているポスターが大炎上していた。TCCでコピーの賞なんかも獲っていたものだからさらに燃えていた記憶がある。

が、これは3年前のポスターだ。このポスターが結局どうなのかみたいのは言及を避けるが、このコピーライターの方は、3年前に納品・公開したコピーを突如掘り起こされて突然炎上してしまったのだ。

こうなると、いつ何が掘りおこされるかわからない。私なんかボーッと生きているものだから、知らないうちに落とし穴に落ちているのかもしれない。飛行機なんて怖くて乗れない。「自分は昔、血液クレンジングをステマしたことはなかっただろうか」とか、ふと振り返って確認してしまう。針刺すの嫌なので絶対しないけど。

そしていよいよ、購入しておいた「白銀の墟 玄の月」を読み始めるときが来た。エコノミークラスに正座して読む。どうか、フライト中に何も炎上しないことを祈る。


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