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1018「死ねない」

「十二国記」の18年ぶりの新作がついに発売されたというニュースや、プロモーションが日本でどこまで盛り上がっているのかは知らないが、この日記でも何回か書いている通り、18年超前からリアルタイムで体験して、その後も何度も何度も本がふにゃふにゃになるまで読み、その間ずっと2ちゃんの十二国記スレで「新刊マダー?」と叫び続けた人としては、ついにこのときが来てしまった、ということになる。

去年の12月に既に「ついに新刊が出るらしい」という情報をキャッチして、二日間くらい休んで読書に集中することを宣言している。

18年前、私は既にハゲ始めていて、その点は変わらないが、この18年の間に結婚して三児の父になった。長男はアニメの十二国記を見たりしている。18年もかかってしまうとは思わなかった。

で、どうやら、見ている限り日本では本当に新刊が発売されているらしい。しかし全4冊で、発売されたのが前半の1巻・2巻で、後半の3巻・4巻の発売は11月だ。

こうなると、いつどこで、どういうセッティングで読むかはわりと人生レベルの重大事ということになる。

今日これからブライアントパークの紀伊国屋に行って、書籍を購入してすぐに読み始めるということすら可能だ。たぶん入荷している。何しろ物は発売されているのだ。

しかし、平日仕事しながら読むとか、通勤しながら読むとか、これはそういうものではなくて、しっかり時間を取って集中阻害要因のない状態で作品に向き合う必要がある。何しろ18年ぶりだ。読んでいる間、誰かに話しかけられたりしたら、私はその相手のことを噛んでしまうかもしれない。

そう考えると恐らく、十二国記を読むのに一番良い環境はニューヨークからアジアに向かう、あるいは逆にニューヨークに帰る飛行機の上だろう。ということで、来月の出張時、飛行機で読むことに決めた。その頃には3巻・4巻も発売されている。

私の妻は、かなり強烈なスターウォーズファンだ。付き合い始めた頃、初めて彼女の部屋を見たとき、壁と床がスターウォーズ関連商品で埋め尽くされていてびびったほどだ。

結婚して最初の「スターウォーズの新作」は、エピソード3だった。アナキンがダースベイダーになっちゃう重要な回だ。

彼女にとっては私にとっての十二国記と同じで、スターウォーズの新作をどのスクリーンでどういうセッティングで観るかは、すごい重要事だ。私たちは、ヤフオクで先行試写会のチケットを買って、東京国際フォーラムのでかいスクリーンで、たくさんのスターウォーズファンと一緒にエピソード3を観ることにした。

国際フォーラムに、スターウォーズのあの最初のファンファーレが鳴ったときの、全員の心臓が共振するような感じが忘れられない。続き物の素晴らしさって、そういうことなのだろうし、私もいつか、そのくらいのものをつくりたい。

あともう少しで、あの感じを飛行機の上で味わうことになる。あと1ヶ月は死ねない。

みんなにも読んでほしいですか?

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