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1020「ビジョンの執行者」

山口組の高山清司若頭が服役を終えて、府中刑務所から出てきたらしい。ニューヨークに住んでいるのに日本のヤクザ情報にアンテナを張っているのもどうかと思うが、一時期私の中で大ヤクザブームが勃発した際は、毎日毎日そっち系の本ばかり読んでいたので、見過ごせないニュースではある。

高山清司若頭といえばヤクザ界で言ったら大変な人で、2014年からの山口組の分裂・抗争は、高山若頭の服役にともなって山口組本体の求心力が低下したから発生したとまで言われる。山口組が今の体制になったのは2005年だが、高山若頭は、山口組六代目の司忍組長とは名古屋の弘田組時代からのパートナーシップであり、司親分が弘道会をつくった後も、弘道会という組織を中心人物として大組織に育て、司忍組長が山口組六代目に就任すると、その流れで山口組の若頭(ナンバー2)に就任する。しかし、2005年の代替わり後、すぐに司忍組長が逮捕・収監されてしまう。つまり、その後の6年間くらい、実質的なナンバー1として山口組という大組織をリードしていたわけで、ある種、「山口組の本体」なのではないかと、実話時代読んでいる限りでは思う。関西に出張したときに、三宮の神戸サウナのカプセルに投宿して、夜、酒を飲みながら実話時代を読むのは、とても幸せだ。「ああ、自分は神戸にいるんだなあ」と思う。

私の大ヤクザブームは、ちょうど司忍組長が収監された頃だったので、もう14年前か。時の流れというのは速い。

司親分が服役中に、納会による組長の挨拶を代読している映像がこれだ。こういう映像って誰が撮っているのだろう。メディアがカメラを入れているのだろうか?

カラオケを歌っている高山若頭の映像もあった。YouTubeはすごい。

そんな求心力の強い高山若頭が帰ってきた。相変わらず、刀傷で閉じた右目は健在で、めちゃ怖い。これからの山口組はどうなるのか。

どこの会社にも、高山若頭みたいな「本体」というかキーマンはいて、その人がいなくなると組織が分裂してしまったり、弱体化してしまったりする。そういった人たちは多くの場合、「ビジョンの執行者」で、組織が掲げたビジョンを形にする仕事をリードしているか、そこにビジョンが存在しない場合は、ビジョンがないなりに組織内のモチベーションを束ねる存在だったりする。

私が所属しているBASSDRUMにも「本体」と呼ばれる人はいて、明らかに本体だよなあと思う。前にいた会社にも「本体」はいた。以前もこの日記に書いたような気がするが、「本体」は時としてわかりにくい。たとえば自民党とか、結局誰が「本体」なのかよくわからないが、よかれ悪しかれ、たぶんその中には優秀なブレーンというのがいるのだ。

私は会社に就職したのが2007年とかで、ヤクザブーム時にそっち系の本ばかり読んでしまった後だったので、微妙に自分の会社や人の会社や、そういった場所で起こる揉め事をヤクザ社会に重ねて見てしまうところがあって良くない。

ちなみに、ニューヨークに移住してから、ニューヨーク・マフィアのプチブームが来たことがあって、それ以来、マフィアの墓がたくさんあるセント・ジョンズ墓地にずっと行きたいのだが、週末に子連れで行くほかないので、妻にはずっと言い出せずにいる。


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