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映画三昧「マトリックス」 ゴキゲンLIFESHIFT 16 異次元の粋人

時間ができたら映画三昧というのは、だれにとっても「死ぬまでにやりたいリスト」の共通の一項目のようです。
ということで今日はすこし肩の力を抜いて、大好きな映画の話。

20年ぶりにマトリックスの新作が見れるということで、今週は「マトリックス・トリロジー」を見直してバッチリ復習したうえで、昨日、新作の「マトリックス・レザレクションズ」を鑑賞しました。

「同じものを見ていながら、まったく違うものを見る」というのは、人間界の真理だと思いますが、マトリックスについては、まさにそういう側面があります。

新作の1シーンで、「MATRIX」というゲームの新作をつくるためにディスカッションするという奇妙なシーンがあるのですが、そこで各々の視点から語られるマトリックスの印象がそれを裏付けています。
「救世主の物語」、「カンフー」、「バレットタイム」、「エージェント・スミス」、「シンギュラリティ後の世界」と、それぞれの印象はバラバラ、解釈もバラバラというのが正しい認識でしょう。

このマトリックスなる世界が、いまでいう「メタバース」の世界で幻想であり、実際には地球の支配者はマシンになり、人間は彼らの「発電池」として、生産・管理されているという設定すら理解していない方も多いと思います。

こうしたSF的な設定は日本人にはお得意。それもそのはずでウォシャウスキー姉妹(兄弟)が日本のアニメ(特に攻殻機動隊)などから着想しているのです。マトリックス世界の裏読み、謎解きも日本で大いに流行りました。

さて、20年経って、マトリックスになにがもたらされたか?

それは、「救世主も歳を取る」という絶対的な真理でした。

伝説のザ・ワン(救世主)が、地球に平和をもたらし、マシンはマシンの世界で、人間は人間の世界で暮らしていくことになった。
そして、多くの時間が経った。
現実社会のザイオンの生き残りの子供たちは、それを伝説として語り、
幻想のメタバースでは、それを超ヒットゲームのストーリーとして語る。
誰もが聖書の一説のように語る愛の物語がそこにある。

主人公のアンダーソン=ネオは、そんな多重世界の入れ子構造にとらわれている。

これが、レザレクションズの前提です。

では、新作は何を描こうとしていたか?
突き詰めて言えば、それは「多様性の時代における不変の愛」でした。

今回、ザ・ワンと呼ばれた「男」と、その傍らにいる愛する「女」という構図が、大きく変わります。

それは、自らも性転換手術を受けたラナ・ウォシャウスキー監督が目指した「多様性」の象徴なのでしょう。
#MeTOO運動を受けて 、MATRIXの世界の主役に交代の時期がきたのです。

今回、救世主として目覚めるのは「トリニティ」なのです。

愛ゆえに捕らわれ、愛にゆえに引き裂かれた二人。
それを打ち破るのは、救世主の自覚だけ。

「赤いピルか?青いピルか?」

しかし、女性ゆえに、捨て去るべき既存世界の壁は厚く、子供や家族という今生の情けも深い。
そして、20年という時間はネオにも、トリニティにも等しく訪れていた。
老いや、しがらみから自由になるには、どうすべきなのか?

このゴキゲンLIFESHIFTで追ってきたテーマがここにも現れました。

だからこそ、「人生を選択するときは、未来の選択肢が増える方を選ぶ」のです。それがどんなに危険に見えようと、それがどんなに困難に見えようと。

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