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フリーランスエンジニアが理解しておきたい『商流』について

フリーランスエンジニアの皆さん、ビジネススキルに自信はありますか?
技術面で優れていても、ビジネスの流れや予算の管理に関する知識は不足しているかもしれません。

今回は「商流」という非常に重要なビジネスの概念を確認しておきましょう。

商流の基本概念

商流は、商品やサービスが生産者から消費者に届くまでの一連の流れを指します。
このプロセスには製造、流通、小売、そして最終消費者が含まれます。

IT業界における商流は、エンドクライアントが元請けに発注し、元請けが開発会社やSES、派遣会社に再発注することで、プロジェクトの人材を確保します。

フリーランスエンジニアにとっては、エンドと直契約しているのか、エンドの間に開発会社やエージェントが入っているのかは、月単価の価格設定、クライアントとの人脈の関係構築に影響します。

商流が深いと単純に月単価にマージンが多く設定されてしまいます。
ですので、商流は常に意識しながら、できるだけ深い商流の案件は避けた方が良いです。

特に、大企業やSIerは外部リソースを利用してプロジェクトを進行させることが多く商流が深くなるケースが多いです。
メガベンチャーやスタートアップは商流が浅いケースが多く、フリーランスと直契約しているケースも多いかと思います。

商流が深くなる例

私が関わった商流が深い例では、エンドクライアントからSIer、そして複数の開発会社を経由し、最終的に私に仕事が回ってきました。
この場合、中間の会社はプロジェクト自体にはほとんど関与せず、実際の開発はほぼ私ともう一人のPMで行われました。

しかし、元請である大手SIerが新規のベンダーに発注するためには、SIerの社内工数がかかるため、既存ベンダーに発注する方がプロジェクトの組成がスムーズになります。
既存ベンダーはそのような社内工数はかかりませんが、開発工数を確保できずに別会社に発注するという形になったようです。
SIerと直接取引ができる営業力を活かして仕事を持ってきてくれているので、2次請の開発会社はプロジェクトにこそ関与しませんでしたが、価値はしっかり発揮してくれていたと考える方が素直かと思います。

特にこの案件はSIerがしっかり単価を上げてくれていたこともあり、末端の商流にいた私にとっても単価的には美味しい案件でした。

商流は短いほど良いけれども

商流は短いほど良いです。しかし、そう単純ではありません。

前述のようにSIer案件のような大きな案件を持ってきてもらうには商流がある程度深くなる必要もありますし、
一見、商流が浅い案件でも商流には入らず案件を紹介した手数料を受注者側に請求し「営業支援費」を受け取り続けるような例もあります。

弱小SESや弱小エージェントが自社のネットワークで紹介している案件はエンドや元請けから商流制限が設けられており、見かけ上は「エンド->エージェント->フリーランス」のようになっている商流の浅い案件でも、裏でネットワークで案件を紹介した複数の中間業社が営業支援費を受け取っており、結果的に単価が安くなってるケースも少なくありません。

商流を飛ばしたい

「商流飛ばし」はリスクが伴うため、慎重に検討する必要があります。商流飛ばしのやり方は別の記事で提供していますが、この記事で書いてあるとおり商流を飛ばす際は一つひとつ丁寧に進める必要があります。

私の元にもTwitterのDM相談では商流を飛ばしたい方からの相談がけっこうたくさんきます。
結論から行くと深すぎる商流を飛ばすのは非常に難しいです。上記の商流飛ばしの記事もエージェントを外すだけを想定しています。

「商流を飛ばし」をすれば単価が上がることは容易に想像できるため、直契約に切り替えたいというエンジニアが多いです。エンジニアに辞められても困るので、とりあえず直契約に切り替えつつ、裏ではエージェントに営業支援費を払い続けるというような行為も結構散見されるようです。
ほとんどのフリーランスエンジニアは営業支援費の存在すら知りませんから、舐められておりますw

いかにエンドから案件を獲得する営業力が重要かというのが、上記からでも理解できれば、そもそもエージェントを使わずに自分で案件を獲得しようというマインドになってもらえるのではないでしょうか?

そのマインドになった方にはこちらの記事がおすすめです。


まとめ

今回はフリーランスエンジニアが理解しておくべき商流について、説明してきました。
商流を理解してもらった上で私がお話ししたかったポイントは二つです。

  • 基本的に商流は浅い案件に関わるべき

  •  絶対に商流が深いからダメというわけではない商流が深くても実入りのいい案件はある

  • 商流が浅い案件でも出回り案件は営業支援費でマージンを結局抜かれまくっている

この記事がフリーランスエンジニアの皆さんのビジネススキルの向上に役立つことを願っています。

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