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お寺で育った私~かまばの森の〈場づくり〉の原風景~

〈かまばの森〉の原風景

はじめまして。

〜自然と共に 幸せに生きる力を育てよう〜
長野県松本市の自然学校
自然体験・かまばの森で遊ぶ会代表の
玉田尚子です。

私がなぜかまばの森で自然体験の場づくりをするようになったのかを振り返ってみました。理由はひとつではなくて、たくさんの要素がつなぎ合わさって今があるなあと思います。

今日はそのたくさんの要素の中でも、最初のひとつについてお話したいと思います。

最初の原風景はなんといっても、育った家だと思います。

子どもの頃は、家がお寺なのも父が僧侶なのも、本当に嫌だった

私は比較的大きなお寺の長女として生まれました。

実は私、だいぶ大きくなるまで、自分の家がお寺であることがずっと嫌だったんです。
学校に行く前の年齢くらいには、お父さんが坊主頭で着物を着ていることがイヤでした。近所の子のお父さんがネクタイをしめて毎朝会社に行っている姿にあこがれを持っていました。
もう少し大きくなると、「家が大きいからお金持ちなんだろ?」とか、「お坊さんは税金払ってない」と言われたり、妻帯して普通の子ども時代を送っている私のような子が生活しているお寺なんて、修行僧のイメージとは程遠い・・・と勝手に罪悪感も感じていました。

お寺はこうあるべき、お坊さんはこうあるべき、って父や他のお坊さんに対してすごく厳しい目で見ていたと思います。

だけど、今になって振り返ると、私が今やっている「かまばの森」の在り方の原風景って、どう考えても、あの頃過ごしたお寺の光景なのです。

家族以外の大勢が出入りするのが日常だった我が家

その当時のお寺には、常に老若男女様々な人たちが出入りしていました。
父や母、あるいは祖父母が、ひょっこり現れるお客さん相手に、たばこの煙がモクモクしている部屋の中で、徒然な話をうんうんと相槌を打って聴いていた姿が、記憶に残ってます。
我が家にはいつも、家族以外の人が出入りしていることが普通でした。

そして、いつも近所の子たちがなんとなく遊びに来ていました。
お寺があったのが北海道だったからか、当時、はっきりした塀も少なく、広大な敷地にたくさんのお墓、池のある庭、野草や野花が咲き乱れる草っ原がありました。広い境内には松の木や大きな岩もあって、上に登って鬼ごっこやおうちごっこのような遊びをしていました。家の中も広くて、本堂中でかくれんぼや鬼ごっこをしてはしゃぎました・・・

お彼岸やお盆など、年に何度もある行事には、たくさんの檀家さんがお寺に集まって、ご飯やお団子を作ってお供えしたり、みんなでご飯を食べ、夜は男の人たちが遅くまで宴会をしていました。私たち子どもは、その横をちょろちょろウロウロしてはいろんなおじさんのお膝に乗っかっては甘えたり、遊んでもらっていました。泊りのお客さんもしょっちゅうありました。
座布団が大量にしまってある物置に隠れて遊ぶのも大好きでした。ぐちゃぐちゃにしては叱られていましたが、気にしていませんでした。ダメだよ~!と言いながら大人が本気じゃないのが、子ども心にわかっていたんでしょうねww

私は、お客さんが来て、ガヤガヤ賑やかなうち(お寺)が本当に大好きだったなと思います。夜、お客さんがかえってシーンとすると、すごく寂しいような、がっかりした気持ちになっていました。
嫁いだ母にとっては、家なのに24時間本当に気の休まる暇のない空間は、とても息苦しかっただったろうなと、今になってみるとわかりますが。

かまばの森で出会う子どもたちにも・・・

家の外も中も、たくさんの人たちが入り混じる空間、みんなで同じ釜の飯を食べて笑顔になる空間・・・
私にとっての「家」は、そんな場所でした。
子どもの頃のことを思い出すと、両親、祖父母はもちろん、たくさんの大人たちに愛されて可愛がられて育ったんだな、と心が温かくなって、深い感謝の気持ちになります。
私がかまばの森で出会う子どもたちにも、私が受けて育ったように、心にたくさんの愛情の肥しを蓄えてほしい・・・子どもの頃に、たくさんの人に出逢い、たくさん交流して、たくさん遊んで育つこと。それは、「何かが身についた」「変わった」「できるようになった」といった、すぐに目に見えるものとは限らないと思います。

長い目で子どもの育ちを見守って、幸せに生きる力を自ら育んでいくことを、これからも横で見守っていきたいなと思っています。

私が家でもかまばの森でも「場づくり」に対する思いが強いのは、そんな原風景があるからかなあと、今になって思います。

かまばの森でお待ちしています!!

~自然と共に 幸せに生きる力を育てよう~
かまばの森では、子どもたちが「守られている」という安心感の中で、
伸び伸びと自分らしく遊び込み、生まれもった創造力を発揮できる環境作りを大切にしています。

春休み休日ひろば受付中!
次年度の募集もまもなく開始します。

かまばの森でお待ちしています!


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