消費税は何故愚策なのか?
2020年の国の税収は60.8兆円で過去最高だったそうだ。
その前のピークは1990年の60.1兆円。
それから税収はどんどん下がり、2010年には40兆円を下回った。
そこからの挽回劇。あっぱれである。
法人税はこの30年で、43.2%から23.2%まで下がった。
国は色々な理由をつけて消費税をあげてきたが、
ようは分配の仕方を変えただけだ。
ルールを変えれば、誰かが得をして、誰かが損をする。
消費税率が高いのはヨーロッパで、軒並み20%以上。
低いのは台湾、カナダが5%。
日本は平均的なところにいるが、なぜか日本だけGDP成長率が低い。
消費税は1954年にフランスが最初に導入した。
70年代にヨーロッパ各国が採用し、日本は1989年に導入した。
最初の3%は、奇しくも、租庸調の時代の「租」のパーセンテージである。
ヨーロッパでは、付加価値税という意味合いで名付けられたが、
それじゃ分かりづらいということで消費税となったようだ。
私はこのネーミングが悪手だったと思っている。
そもそも「消費」という言葉は以前、「米の消費量」という使い方しかされなかった。いわば理科の用語に留まっていたのである。
それが一般名詞に返り咲いて、「消えてなくなる費用」のイメージを受け付けた。というかその文字の意味のとおりだけど、よくよく見てみると無慈悲な言葉である。
しかも、お金を出す瞬間に「持っていくぞ」というイメージがつきまとう。
事実、税金が10%もっていかれるとしたら、以前の9割しか買えない。
大蔵省が、密かに緊縮財政を狙ってつけたのならば、大正解だ。
インフレもおこらず、無駄遣いもなくなった。
バブルの反省というのなら合点があう。
では、どういう名称をつければ良かったのか?
それは「ありがとう税」である。
病も気から、景気も気からである。
プラシーボ効果は10%ぐらいのボラティリティがある。
おまじないで癌が治る人もいる。
それぐらい気持ちというのは「気」を動かすのである。
金は天下の回りもの。
ありがてえ話じゃねえか。
と思えば、お金も出しやすい。
それが、パンデミックがどうのこうのなんて言うもんだから、
金を払うのが億劫になるのである。
何度もいうが緊縮財政が本当の目論見ならば、大正解である。
そうじゃないのなら、もっと気分が盛り上がる言葉遣いをしてほしいものである。
「税」という漢字は、「悦び」ののぎへん版である。
穀物を収穫できたことに対して喜び合おう。
お上への感謝の印として、穀物を献上したということだ。
だから、あながち「ありがとう税」という名称は間違っていない。
あなたが政治家や官僚に感謝していて、取引先やお店にも感謝して、
貨幣が安定していることに感謝しているならば。
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