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授業が無くてもプログラミングは学べる

「授業をしない塾」といえば武田塾の専売特許ではあるが、テックジムもまた「授業をしない塾」である。

さらにいえば、武田塾は参考書を使うが、テックジムは参考書すら用意していない。

なぜ、他のスクールは授業動画だったり教科書があるのにテックジムは用意していないのか?

創業の経緯から話したいと思う。

中村と出会ったのは彼がサイトビジット社のCTOをやっていたときで、マーケティングの業務委託で同社にジョインして一緒に仕事をした。前任者は有山さんだった。

仕事上、開発チームの面々とは仲良くなった。中村以外の開発者は皆大学生だった。

彼らのほとんどはプログラミング未経験で、毎週土曜日開催の通称中村会でプログラミングを学んだという。

毎回、各学生に口頭でお題を出して、サンプルコードを元に仕様変更をさせるというやり方で、わからないことがあったらネットで調べて自己解決。

どうしてもわからなかったら土曜日にまとめて質問する。
そして、またお題を出してもらう。こんな感じで、彼らは3ヶ月後には開発現場に投入されていた。

俺自身もかつてアプリ開発講座を運営していたので、このやり方には目が鱗だった。また、当時の反省点も中村会ではクリアされていた。このやり方で運営していたら良かったとさえ思った。


そして、このやり方をカリキュラム化したのがテックジムの原型である。
受動型の学習方法では、自己解決能力を鍛えることができない。
中村の「自走できるエンジニアを作りたい」という想いから、このカタチとなったのである。

教科書や授業では、エラーが出ないような教え方になるが、
テックジムの場合は、まずエラーを出してから、そのエラー解決方法をゲーム感覚で試行錯誤することで、プログラミングスキルが向上するという学び方だ。

さらにいえば、完成系のソースコードをなぞるのが教科書的なやり方であるが、テックジムでは、その都度の仕様変更の流れに沿っており、プロの書き方の手順をなぞることができる。最初からリファクタリングを学べるのはテックジムならではと言っていいだろう。

さて。本当に、授業なし・教科書なしで、プログラミングが学べるのか?
テキストが完成したとき、40代の非エンジニアの俺が、最初の実験台になった。

テックジムの入門コースでは、3問目にいきなり関数を書かせる。

「この難易度の上がり方で本当に大丈夫ですか?」

俺も一応、プログラミング開発講座の運営経験があるから、初心者の気持ちになって、中村に抗議したところ、

「いや、これが重要なんです」と一歩もひかない。

懐柔策として、サブ問題を用意したが、後から思えば杞憂だった。

イメージとしては、初心者にスキーをやらせるときに、いきなり山のてっぺんから滑らせる。初心者にギターをやらせるときに、いきなり一曲分のコード進行をやらせてみる。初心者にバッティングを教えるときに、バッティングセンターで一番早い球速のボックスに立たせる。

趣味の世界では当たり前にやっていることを、プログラミングでやるとすれば、初日に関数を書かせることなんだと合点があった。


3回目の復習で解けるような難易度で、5回復習をさせるような課題を作って欲しいというのが俺のオーダーだったのだが、実際に3回目にして関数が書けるようになった。4回、5回と重ねるごとにコーディングスピードは速くなり、プログラミングの理解も深まった。


用語やメソッドを覚えなくても、概念すら理解しなくても、サンプルコードやヒントをもとに類推したり、エラーに対処するうちに、プログラミングの書き方がわかってくる。

これをあの学生たちはやっていたのか。
既存のプログラミング教室と違うやり方なので、ビジネスとして成功するかは不安ではあったが、この中村の教え方に出会った人は絶対的にラッキーだと確信した。

授業がなくても教科書がなくても、このやり方だったら、プログラミングを学べると感じた瞬間だった。しかも、エラーしてからも楽しいのだから、プログラミングに対する考え方も変わった。


おかげさまで、テックジム方式で学んだ学生エンジニアも増えてきた。
彼らが、初心者たちにアドバイスする時の合言葉が「理解しようとするな」である。

とにかく手を動かせば、そのうちなんとかなるということだ。

実際にテックジム方式を体験してもらう機会として、「ゼロからはじめるPython入門講座」を毎週開催している。

おかげさまで、この2年半で1万人以上に参加していただいている。


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