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エルヴィス

今更ながらですが…ゴールデンウィーク中に家族が奥さん実家へと泊まりに行って一人の時間が出来たので色々と映画を観賞。
「DUNE〜砂の惑星〜」
「カンフースタントマン」
「デビルクエスト」
「エルヴィス」
全部休み休みの観賞なのですが、なんとか観れました。
早くまともに一本観れるようになりたい。

そんな中で印象に残った一本。

「エルヴィス」
元々、エルヴィス・プレスリー好きだったのですが、生い立ちから彼の生き様がわかって更に好きになりました。

悪徳マネージャーと言われたパーマー大佐の視点から描かれているのですが、人種差別の激しい当時のアメリカ南部の黒人街で育った黒人の歌い方が出来る白人のエルヴィスを見出してからエルヴィスの死までが語られます。

エルヴィスがまだ駆け出しの頃にパフォーマンス中に何かの拍子に出た足を開いたり閉じたりする動き。
これが聴いていた女性観衆に響き(勿論、歌唱力がある事前提で)、そこから火がつき、瞬く間にスターダムに駆け上がっていくんですよ。それはもうパフォーマンス中に女性用下着が飛んでくるぐらいに女性を虜にしていくわけです。
しかし、男性からは疎まれ、「あんな下品な踊りはけしからん。」あげくの果ては「白人文化の中に黒人文化をいれてしまった、とんでもない奴」というクレームもあり。
出演する歌番組ではスポンサーが降りるという事態まで起きてしまう。
この辺は当時のアメリカの人種差別。特に、その意識が強い南部が主な活動エリアだったエルヴィスの不運なところか…。
そのパフォーマンス中の独特な動きと黒人文化を云々が罪に問われて警察にもマークされてしまい。あげくパトカーで会場入り。
パトカーを降りる際に署長から「指一本でも動かしたら逮捕な」と送り出された後のステージの格好良いこと。
本来の自分を好きでいてくれるファンは裏切れなかったんでしょうね。

「どうやら俺は小指一本動かしただけでも逮捕されるらしい。」

と言いながら、ゆっくりと頭上に右小指を掲げ、クイックイッと小指を動かす。ここで最高潮。
このステージのシーンは本当に格好良い。流石はバズ・ラーマン監督。

結果的に、この小指クイックイッからのパフォーマンスで本当に逮捕されてしまい。懲役か兵役かという選択を迫られて、2年間の兵役でドイツへ。
この頃、プリシラと出会い結婚へ。

アメリカに戻ってきた時にはジャクソン5などの出現でミュージックシーンには居場所は無く…映画の世界へ。

ただ、低予算映画を連発で出しまくったのですが評価されず(観たことありますが演技が下手という印象はなかったです。)
やはり俺には歌だ歌しか無い!とワールド・ツアーを公言します。

ここで問題がマネージャーのパーマー大佐が密かにホテルのショーに5年契約を結んだ後。しかもパーマー大佐は不法滞在者なのでパスポートが取得出来ないという事実が発覚。
代わりに世界初の世界同時中継してあげるよと宣う始末。

世界進出という夢の実現に壁ができたエルヴィスはパーマー大佐をクビにするも「それなら今まで立て替えたお金全部一括払いて宜しく、無理なら訴えるから」と脅してきます。みごとに完璧なテイカーです。
このとき既にエルヴィスの会社(父親が社長)はエルヴィスの豪遊などでお金が無い。さらに悪い事は続き、最愛の母が亡くなります。打ちひしがれたエルヴィスはパーマー大佐を呼び戻しホテルのステージに立つしかなくなってしまう。

不眠症などを患い処方薬を大量に飲み続け荒んでいく。それでもステージには立ち続けなくてはいけない。
増える薬の量。
見ていられなくなったプリシラは子供を連れて家を出ていき。独りになってしまったエルヴィス。
ステージの直前に倒れて専属の看護師が「わたしの息子なら今すぐに入院させます!」と言っても、パーマー大佐は「いま大事な事は、この男をステージに立たせる事だ」と取り合わず、気つけ薬を注射されステージに立ち続ける事を強要され、そのショーの回数は5年間で800ステージ。
そしてエルヴィスは42歳という若さで亡くなってしまったのですが、
亡くなる数週間前の本物のエルヴィスの最後のステージが流れたのですが…もうね立つことも出来ずピアノの椅子に座り弾きながら歌うんですよ。あきらかに変な汗流しながら。彼を突き動かしたのは観客への愛。「I LOVE YOU」を何回も言うの。もう込み上げてきてしまって、涙が出ないのが悔しい。

観客への愛に、観客からの愛にすがらなければ生きていけなかったんだろな。
世界進出出来ていたら人生変わってたかもなと思いったり。





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