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ぶたのたね【pirokichi絵本さんぽ】

不思議な絵本。

『ぶたのたね』

足の遅いオオカミが豚を食べてみたく、キツネの博士より『ぶたのたね』なるものを貰います。

早速、土に蒔くと、芽が出て木となります。やがてその木には、たわわに『ぶた』が実をつけます。

しかし足の遅いオオカミは地に落ちた『ぶた』を捕まえることが出来ません。

最後は再び『ぶたのたね』を蒔いているシーンで物語は終わります。

主人公のオオカミはとにかく足が遅いので、『ぶた』からもからかわれており、なんだか気の毒になってしまいます。

木から落ちた際に頭を打って気を失ってしまい逃げ遅れた『ぶた』がおり、それを捕まえたオオカミはこの『ぶた』を焼いて食べるために火を起こすのですが、そのうちに目を覚ました『ぶた』にはやはり逃げられてしまいます。
挙げ句の果てには自ら起こしたその火で尻尾が燃えるという災難に見舞われます。

ね、散々ですよね。

良いことなしのオオカミ、オオカミにとっては何の救いもありません。

この絵本、一体何を伝えたいのでしょう。
絵のタッチといい、魅力ある絵本ではあるのですが、大人目線ではとくに教訓めいたものがあるわけでもなく、足の遅いオオカミの不運がただ繰り広げられる。

本作には続編が数冊あります。果たしてどんなストーリーなのでしょう。
悲しきオオカミに幸せが訪れるのでしょうか。


おしまい



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