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ブルーピリオドで過去を再体験して浄化される。(美大出身者が見た感想)

この漫画の存在は知っていたのですが、主人公が自分と全く別のタイプに思えて、小器用そうなイケメンが芸大受験目指す話かぁ、自分とは全然違う話だな程度にとらえておりました。

この漫画の主人公とは違い、自分は中2病で捻くれまくっており、美大も半ば大した希望もなく嫌々受験してようやく行けるところに滑り込んだもので。家庭も美大受験のお金を出してくれたもの、そういう家庭には別の問題もあったりするケースですが、自分が受験すると、兄弟も受験したいといいだし、競争、確執があったり。(受験から数十年がたつのに、いまだにそのことでいろいろ言われる)それから、就職氷河期にクリエイターの端くれにはなったものの、紆余曲折、もう物を作りたくない。という気持ちになったこともありました。

たまたまNETFLIXで、アニメを見たのですが
なんだか不思議。

はッッ、、、

とするセリフが多くて、いつの間にか画面をガン見していました。

主人公と自分は全くタイプも違うのに、どんどん、いろいろな印象的なセリフが頭に入ってきて

俺はまだ自分の好きなものすらちゃんとわかっていない

表面的な所だけ真似したな お前本質なところを何も分かっていない

とか
本当 名言多い~

主人公は自分とは全く違うとてもやさしい家族や友人にも恵まれ、うらやましいなあ、いいなあ よかったねえと見ていたのですが

純粋な感性の主人公にどんどん感情移入していくじゃぁ~ないですか。

主人公は見た目はイケメンですが、まっすぐで純粋で感性が高くて、自分のだめな部分も謙虚に冷静に分析、等身大にとらえていて

意外と誰もが共感しやすい内面の持ち主かもしれない。

テーマは芸大受験だけど、芸大に行かなきゃ勝ち組じゃない
そういう内容ではありません。自分の向き不向きを自認した結果、受験という手段を選ばず脱線というコース
それもアリだよね。というのも描かれている。
自分と同じように、捻くているキャラwww
家族で苦しんでいるキャラの苦しみも出てくる。

同時に、若いころや美大受験を追体験していくような気分になり
この漫画の題名の通りに
主人公のピュアな感性に、つらかった思い出が浄化されていくような不思議な経験でした。

また、クリエイター社会人となった今でも
構成に関する話とか勉強になることがたくさんあってこの漫画すっごい。

単行本も早速購入しました。

自分にも刺激しあえる良い友人がいたなあ(彼女は多摩美術大学の最難関の学部に受かり、卒制でも最優秀賞をとりました)あんな家族のもとで、ハンディを抱えながらよく自分は頑張ったんだなあと、不思議と過去をポジテイブに思えている自分がいたのです。

主人公と一緒に、過去を追体験し、自分の過去を浄化していく。

漫画にこういう効能があったんだなあ とびっくりしました。

これから美大受験を目指す方にも、実践的なことが描いてあってこの漫画おススメです!


ブルーピリオド | Netflix アニメ https://www.netflix.com/title/81318842

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC) コミック – 山口 つばさ (著)

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