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【感想】映画『PERFECT DAYS』※ネタバレ注意

2024年2月28日、役所広司主演の『PERFECT DAYS』を見た感想を備忘録的に書こうかと思います。

きっかけ

就活が中々奮わず人生に嫌気が差していた最中、オモコロのラジオ「ありっちゃありスパーク 梵」にてこの映画に触れていたのを聴き、
「理想の人生のハードルが下がったらいいな」
という思いを抱き、衝動的に映画館へ行った。

感想

映画を見終わった率直な感想としては
「好き嫌い分かれるだろうなぁこれ」というのが大きかった。役所広司演じる平山の無難な日々をずっと追うだけで、伏線も何も無く終始山場の無いシーンが続くのだ。
かといって、つまらないという訳ではなかった。個人的には「姪に毎朝自分が買っている缶コーヒーを欲しいか聞く時の声の大きさ」や、「終わった○×ゲームの紙を胸ポケットにしまう」シーンに人間味を感じて和やかな気持ちになれた。

最近は起承転結のハッキリした、いわゆる「心が揺さぶられる」作品に疲れを感じるという人が多いらしい。自分も完全にそのうちの一人で、緊張が走る瞬間やお涙頂戴の感動シーンを見ると心の何かを消費してしまうので、この『PERFECT DAYS』のような、波風の立たない物語は読んでて心地が良いことに気が付いた。

一方で、感情移入しづらい(何を考えてるか分からない)女性キャラクターや、後半のセリフのクサさなども目に付いた。ポスターの「こんなふうに生きていけたなら」というコピーには概ね賛成できるが、悪い意味で「いや、こんな人間は居ない」と感じてしまった。正直リアリティに欠ける。

他の人の感想を見ると、やはり評価の善し悪しが二分化しているようだ。それに関しては「この映画は見どころがなくて面白くない」という人の意見は分かる。一方で「最高傑作」と褒めちぎるのは何となく違う気がする。なぜなら、この映画は100点を目指して作られていない気がするからだ。こんなことを言うのは憚られるが、この作品をすこぶる褒めちぎっている人は、監督や役者のネームドに引っ張られてるだけな気がしなくもない。

なんか、マイナスな感じになってしまったが、結論としては面白かった。見て良かったと思っている。羨ましくは無いけど、思わず「なんか良いな」と思ってしまう平山の人生を観察したい人は是非。

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