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『地下謎への招待状』なるものに挑んだお話

「なんか面白そうなのあるんだけどやる?」
そう彼女に言われたので、二つ返事で
「やる」
と答えた。

『地下謎への招待状 2014revival』

何かって言うと、東京メトロが開催しているイベント『地下謎への招待状』。
東京の様々な場所に仕掛けられた謎を、東京メトロを使って実地に行きながら解いていく、というものだ。
謎解きに関してはリアル脱出ゲームで知られる株式会社SCRAPが監修しているそうで、過去に6回開催されていたようだ(知らなかった)。

2023/3/19までのイベントなので、これを投稿する時点でもはやあと5日しかないのだが、やはり謎解きにネタバレは厳禁。ということで、できるだけ抽象的に感想を書いていく。

実際にやってみて

まず、僕の最初のイメージとして
「こういうのって子供向けやろ〜🙄」
というのがあったのだが、そんなことは無かった。謎解きに関しては、大人がじっくり考えて答えを出すようなものもあれば、子供さながらのひらめきが問われるものまで、バランスの良い難易度となっていた。(もちろん、難しかった人のためにヒントも用意されていた。)
実際、イベントに参加している人達にちょくちょく出会うのだが、カップルだったりママ友らしきグループだったり、老夫婦であったりと相当幅広い層の人達に楽しまれている様子だった。

そんで、どんなことすんの?

具体的な流れとしては
①指令カードにとある駅に行くよう書かれているのだが、まずそれが謎解きになっている

②謎を解いて答えとなった駅に向かう

③その駅周辺にある施設やオブジェを使った謎を解いて、キーワードを得る

④全てのキーワードが集まるまで①〜③を繰り返す

⑤全てのキーワードから得られる謎を解いて、答えとなった駅に向かう。

⑥最後の謎を解く

こんな感じになっている。キーワードを手に入れるために様々な駅に行く必要があるので、文字通り東奔西走右往左往する事となった。もちろん、東京メトロ1日乗り放題のチケットが付属しているので、めっちゃお金がかかるなんてことは無い。

これの面白いところとして、「ここ、名前は聞いたことあるけど初めて降りるなぁ」といった、普段ならまず行かない場所であったり、「この駅、降りたことはあるけどこんなオブジェがあったのかぁ」などと、色々な発見を促されるというのがある。
まさに冒険だ。

1番感動したこと

このイベントに参加して何よりも感動したのが、謎解きのクオリティの高さだ。
前述の通り、調度良い難易度設定になっている。というのもそうなのだが、この謎解きの凄さはそれだけじゃなかった。

例えば、以下のようなオブジェに出会う事がある。(これは少々ネタバレになります。すみません…)

赤い…顔…の看板?

おそらく、分かる人なら分かるオブジェなのだろうが、僕は初めて見た。なんだこれ?が最初の印象だった。
イベントを進めてゆくと、このオブジェを使った謎解きをする必要があるのだが、当然これはそのために作られたオブジェでは無い。
あくまでもこれは看板として作られたものであり、彼は普段看板として働いている。

何が言いたいかというと、全ての謎解きが
「謎解きを作る→それ用のオブジェを作る」
という順番ではなく
「オブジェがある→それ用の謎解きを作る」
となっていること。

要は、既に存在する何かに絡めた謎を作らなければならないという制約があるはずなのだ。にも関わらず、一筋縄ではいかない謎ばかりで、何度もこういったオブジェとにらめっこすることになった。

いつもはあまり意識されなさそうな造形物でも、このような『謎解き』という形で意味がもたらされる事があるのだなぁと感心した。

おわりに

先程の赤い顔をした彼は、このイベントが終わる頃にはきっと、ただの看板に戻ってしまうだろう。しかし、かつては謎解きのピースになったことがあるのだということを僕はおそらく忘れないと思う。それくらい印象に残ったからだ。

きっと、東京にはまだまだ意味の与えられていないオブジェや看板が沢山あるはずだ。そういったモノ達がいる限り、このようなイベントはどんどん続いて欲しいと願う。また次も参加しよう。

おまけ

おじさんの頭on人面魚

イベント中、こういったオブジェに出会った。アートの中には到底理解の及ばない領域があることを思い知らされましたとさ。

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