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システム刷新でユーザを味方につける

基幹システムリニューアル!

 あちこちで基幹システム刷新についての記事を耳にしますが、弊社も実はやっています。早く大型機から脱却してクラウドやSaaSを使ったフットワーク軽く動ける世界に行きたいのですが、長く使ってきたシステムは文字通りスパゲッティ。息の長い戦いになりそうです。

さて、システム刷新というと、こんな流れでいくことが多いですが、構想~要件定義に移るときのユーザ側との付き合い方がとにかく難しい。気づくともめていたり「こんなの聞いていない!」という流れになること、あるあるです。

刷新構想

実現フェーズ

要件定義

設計・開発

ユーザとのすれちがいはどこで生まれるのか?

 何度かシステム刷新を経験してきましたが、情シスとユーザで一番ずれやすいのは要件定義だと思います。当初のシステム構想は、だいたい夢であり、夢を実現するためには、やりたいことを仕組み化する、そしてさらに個別の要件をロジックにする必要があります。ここで、同じようなことを粒度を変えながら何度も聞くことになるので、ユーザがいらいらし始めます。で、それをぶつけられた情シスもいらいらし始めます。こうなると大体もう、うまくいきません。

・以前言った
・資料を全部渡してあるから勝手に見て考えてくれ
・考えるのはそちらの仕事だろう

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ユーザとのコミュニケーションのあり方

 これは本当に根深い問題で、絶対的な解ってないと思っています。私自身が気を付けていることは、

・刷新のテーマを見失わないこと
・現場に流されすぎないこと
・ユーザの言葉の裏にある思いを受け止めること

 言ってしまうと、私自身は、壮大な話をするときと、現場で要件を聞き取るときは人格を分けています。壮大な話をするときは語り手にまわることが多く、要件を聞き取るときにはできるだけ聞き手にまわります。とくに後者は「想いを受け止める」ことが必要だと思います。

 またこのときには、ユーザ部門のリーダーと現場の温度感のズレを理解する必要があります。リーダーの刷新についての想いが強く、でも、現場はそれに全然納得していないっていうこと、あるあるですよね。

 私自身は、現場の方からリーダーの方についての不満を聞いた時には、否定も肯定もせず「この部分でずれがありますね。よく話した方がよいのでは?」とそのままお戻ししています。リーダー不在の現場ヒアリングとかで起きがち。で、並行してリーダーに「ここにずれがありますね」とお戻ししますが、リーダーの方がしっかりしていたら、次にお会いするときには意見が変わっているか、担当が変わっているか、どちらかになっていることが多いですね。いずれにしても、共感しながら「ユーザ部門内の問題である」ことをユーザ側にきちんと把握させることが大事です。

悪口に乗らない

 こういった流れや考え方にならないようにユーザ側のトップときちんとコミュニケーションをとっていくことが必要なんですけど、このときによく出てくるのが、現場への愚痴であったり悪口です。これには乗らないようにしています。空気が悪くなるので。

・こういった点で不安に思っているのだと思う
・現場が協力しないとプロジェクトはうまくいかない
・形だけつくっても、それを使うのは現場である

この一番上が大事だと思っていて、とくにロジカルでない現場の方って、うまく言語化ができていないんですよ。実は要件一つ調整するだけで解決することが少なくない。そして、「一方的にこうしろって言われた!」と思っているので、そこには現場の中で検討したり調整したりする余地がある(というよりそれが現場の仕事である)ということもわかっていない。

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リーダーとサシで話をしよう

 上記のようなやり取りをしていると、次第にプロジェクト全体のモチベーションが下がっていきます。これをこのままにしていくと傷が広がり全体として非協力的になり、さらにはユーザ側で頼りにしていたリーダーが折れてやる気をなくしてしまったり、さらには「飛んで」しまったりします。そうなると最悪。

 こういったときに私は「少し話をしませんか?」とリーダーの方と話をする機会をもつようにしています。現場の雰囲気であったり問題の解決法であったり、愚痴もふくめてあれやこれやと話します。

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 ここで大切なのは「システムとして口を出す問題か」「ユーザ内で解決させる問題か」を明確にすることです。そのうえで、ユーザ内で解決させる問題についても、リーダー一人で抱えこんでしまっていることもあるので、そういったときは一段階上の方にエスカレーションするようにアドバイスしたりすることもあります。ここまできたら大体上の人は状況をなんとなくわかっているものです(わかっていない人もいるけど)。

 また、ユーザ自身の問題なのに「細かいことは自信がないので情シスから説明してくれ」と言われることもありますね。ここで親切心を出して引き受けすぎると、担当者だけで20人、30人といった怒れるユーザの怒りの矛先が自分に向かいますから気を付けなければなりません。

 このあたりの考え方はいろいろな意見があると思いますが、私自身は、情シスはシステム設計の取りまとめ役にとどまらず、リーダーのよき相談役でもありたいと思っています。

 でも、結構ムカッときたりカッとすることはありますけどね。。。(多分これはずっとなおらない)。



 


 

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