【エルデンリング】狭間の地の武器ギャラリー32.~そびえ立つもの~
こちらは、エルデンリングに登場するさまざまな武器デザインを紹介する記事です。
今回は巨人山嶺編、後編です。
山嶺全般に関係する武器を紹介します。
ネタバレにはご注意ください
斬馬刀
屈強なカイデン傭兵の得物です。
ドロップによって入手できます。
「カイデン傭兵ってリムグレイブにいるやつだよね。なんで山嶺の記事に?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実は、彼らの故郷は雪深い北の山嶺なのだといいます。
まさにここ、巨人たちの山嶺が出身地なわけですね。
厳密にいえば、リムグレイブ以外で彼らを見かけるのは山嶺地帯ではなく聖別雪原です。
「カイデン」とは地名とのことですが、どこか雪原の一区域がそうなんでしょうか。
幅広で、先端に大きく丸みのついた刃が目を引く、「大曲剣」と呼ばれる種類の武器です。
大曲剣カテゴリは珍しく、いわゆる「ふつうの武器」が存在しません。強いていうならこの斬馬刀が基本になるでしょうか。
柄まで金属でできていて、革なども巻かれていないので握りづらそうですね。
加えて彼らの極寒の故郷ですから、素手で持った日にはしもやけで手にくっついちゃいそうです。
代わりに、刀身の根本に刃をつぶして革を巻いてあります。
ツヴァイヘンダーなどに見られるリカッソのようなものでしょうか。
ちなみに、斬馬刀という刀は現実にも存在します。
かつての中国、後漢から宋の時代に用いられていたそうです。
ちょうど年代的に『三国志』の時代も入っていきますね。
形状としては、長柄で大きな刃を持つ、デカい薙刀のような感じだったようです。
……まあ方向性としては狭間の地の斬馬刀も似た感じですね。
その長大なリーチや「馬を斬る刀」の名からもわかるように、騎馬同士での戦いに重きをおいた武器であることがわかります。
騎馬民族であるカイデンらしい武器ですが、敵も騎馬を想定したということは民族内での紛争もけっこう頻繁だったりしたんでしょうか。
傭兵になるような民族ですから、血の気は多いかもしれませんね。
そのぐらい熱血のほうが、寒さ厳しい北の大地ではかえってちょうどいいのかも。
ザミェルの湾刀
ザミェルの騎士たちの得物です。
巨人戦争の英雄墓に眠る一人を倒すことで入手できます。
ザミェルの騎士たちは古い山嶺の民です。冷たい風を纏い、長命である彼らは長く火の巨人たちの宿敵であったとか。
氷と炎。相容れないのは想像に難くありません。
独特の形状は、凍り付いた風を模しているそうです。
たしかに、つららのような突起があったり、流れるような刃紋、うねるような刃が風のように見えますね。
それは冬を祀るものであり、敵に冷気を与えます。
少しこじつけですが、絡み合うような2つの刀身は過去作「ダークソウル2」に登場する曲剣、「エス・ロイエス」のオマージュかもしれません。
あちらも絡み合う2つの刀身を持ち、雪深い極寒の地「凍てついたエス・ロイエス」に関係深い武器でした。
攻撃モーションは独特のもので、舞うような斬撃を繰り出します。
他の大曲剣と比べて短めのリーチを補うような大きい踏み込みが特徴ですが、そのぶん動きは遅く、扱いにはテクニックが必要です。
専用戦技「ザミェルの氷嵐」は湾刀を地に刺し力を込め、周囲に冷気の嵐を生じる技です。
同名の魔術も存在しますが、こちらは知力を必要としません。
武器に込められた力だけで嵐を起こしているようです。
騎士たちはこれを纏い火の巨人たちに挑んだそうですが、この攻撃範囲であれば小型の敵に囲まれた時にでも使えそうですね。
ゴーレムの斧槍
古遺跡の文明で作られた黒石の大斧槍です。
ガーディアン・ゴーレムがドロップします。
ガーディアン・ゴーレムはインプなどと同じように無機物で、いわば人工の生命です。
神授塔や王都外郭など要となる場所に、まさにガーディアンとして配置されていることが多いです。
武器のテキストにある通り、彼らは古遺跡文明の産物であるようです。
巨人たちの山嶺には「古遺跡の雪谷」という祝福が存在しますが、まさにその場所がゴーレムの生まれた場所なんじゃないかな、と思っています。
実際、近くにゴーレムがたくさんいますからね。
体内には溶岩が流れているようですが、あれも案外巨人の火に関係してたりして。
「斧槍」と名前がついていますが、特大武器カテゴリです。
重量21.5はさすがに規格外だったようですね。
巨大な黒石をそのまま削り出して作られているようで、パーツの継ぎ目は見当たりません。
一般的に、石は金属よりも加工がしづらいです。これだけ複雑な形状と緻密な装飾を施すのはかなり高度な技術だと思われます。
古遺跡文明、すごい!
柄頭は大きく膨らんだ半月状になっています。
これだけ重くて大型な武器だと振り回すのが大変そうですが、この大きな柄頭のおかげで重心が安定して扱いやすくなっている……のかも?
ちなみに、特大武器の中で唯一、戦技「突撃」が使える武器でもあります。戦灰としては装着できないので注意。
つまり、突撃を使うためには無変質で扱う必要があります。どうやら古遺跡文明は戦灰に対応しきれなかったようですね。
ゴーレムの大弓
古遺跡の文明で作られた黒石の大弓です。
こちらもガーディアン・ゴーレムの得物です。
重量はカテゴリ内最大の14.5。一般に、石は金属よりも軽いんですが、黒鉄製の獅子の大弓が重量9.5なので、けっこうな逆転現象を起こしていますね。
黒石の密度を高めるような技術が古遺跡にはあったのかもしれません。
弓というのはリム、いわゆる幹の部分がどれだけしなるかで威力が決まります。
が、石はほとんどしなりません。石製のバネなんて聞いたことないですもんね。
にもかかわらず、この弓はカテゴリ内随一の攻撃力を持ちます。
いったいどうやって威力を確保しているんでしょうか。
よく見ると、弦が両端からではなく、中心あたりからぐるぐる巻きになって伸びています。
弦というか、これ太すぎてむしろ綱ですね。
この太く長い弦が幹の代わりになって、張力を蓄えてくれるのかもしれません。
対となる矢「ゴーレムの大矢」も黒石製の矢です。
重量があるため威力が高く、また風を渦巻いて飛んでいきます。
着弾点には衝撃波が発生し、敵を吹き飛ばします。
巨大なゴーレムらしい豪快な性能ですね。
もう一つ、魔力をまとった「ゴーレムの魔力矢」というのもあります。
こちらは風をまとっていないためか、衝撃波が出ません。
ドロップするのは魔力矢を使うゴーレム。これはケイリッドにしか存在しません。
ラダーンが古い魔力を復刻したんでしょうか。
トロルの黄金剣
古い時代、巨人戦争において、黄金樹に与した巨人たちに与えられた剣です。
狭間の各地でみられるトロルたちが振るっています。
嵐の丘で初遭遇してボコボコにされた方も多いんじゃないでしょうか。
彼らもまた巨人の一員であり、しかし巨人戦争で裏切り、黄金樹に寝返ったようです。
この剣はその証ということですね。
「ウチら黄金樹組!」ということで、剣は金色に輝いて……
……ませんね。意外と。
どうやら黄金なのは表面だけで、流れる歳月によって鉄製の中身が見えてしまっています。
マリカたちにとってトロルとは、つまりその程度の存在だったということですね。
カーリアからの扱いと比べるとかなり差がありますよね。
さて、このように、モノの表面に別の金属をかぶせる技術のことを「鍍金」といいます。
古くは紀元前1500年ごろから存在するこの技術は現代では様々な手法が開発されています。
こと金めっきに関して有名なのは、奈良の大仏でしょうか。
今でこそ黒っぽいですが、造立された当時は金ピカだったらしいですよ。
あれは金を水銀に溶かして表面に塗り、火であぶって水銀だけを蒸発させているんだそうです。
狭間の地にも水銀っぽいものがありますから、この剣も似たような手法でめっきされているのかも?
トロルハンマー
石掘りトロルが、岩盤を砕く道具です。
彼が潜む旧アルター坑道の中に落ちています。
巨人の末裔、トロルの得物ということでカテゴリとしては特大武器ですが、重さは16.0と最軽量で扱いやすいです。
通常の鍛石による強化を行う武器としては珍しく、もともと炎攻撃力を持つという特徴を持っています。
炎の源は槌頭の紋様でしょうか。
この渦がいくつも重なったようなグルグル模様。
これ、火の巨人のお腹の眼に似てますよね。
よく見ると黒目、瞳孔が9つあるんですよね。
天体を表す「九曜」という家紋にも少し似ている気がしますが、何か関係があるんでしょうか。
トロルハンマーは元々武器ではなく鍛冶道具、祭具だったといいます。
鍛冶師イジーも同じものを使っているのがわかります。
鍛冶はかつて神事だったそうですが、イジーさんもかつては神職に就いていたりしたんでしょうか。
巨人の赤髪
火の巨人の、燃えるような赤髪を編み込み束ねた太鞭です。
追憶から入手することができます。
特徴的な三つ編みヘアーをそのまま武器にしちゃいました。
青銅の髪留めも持ち手として付いてきていますね。
その色に違わず、炎攻撃力を持った鞭です。
また巨人の性質を反映したのか、筋力補正もBと高めですね。
巨人たちは皆一様に赤髪であり、おなじく赤髪として生まれたラダゴンはそれに絶望したといいます。
現実でも、かつて赤髪は「血の気が多い」とか「不道徳」といったことと結びついて考えられ、差別の対象となっていました。
悲しいことに今でもその差別は消えていないようです。
狭間の地ではラダゴン本人やその子供たちの大活躍から、赤髪は英雄の象徴と見られているみたいです。
ラダーンなんかはその典型ですね。
自分の行動によって偏見を打ち砕いていく姿、かっこいいですね。
専用戦技「炎の舞」は赤髪の鞭に巨人の火を燃やし、流れるように連続で、広範囲を薙ぎ払う技です。
もともとのリーチが長いので、かなりの範囲ですね。
それにしてもあの巨人からこんなに流麗な動きをする武器が生まれるなんて、ちょっと意外ですね。
巨人の聖印
火の巨人たちの神、その単眼を象った聖印です。
巨人戦争の英雄墓に落ちています。
この聖印も巨人の赤髪で飾られています。
火の僧兵や司教も使っているそうです。やっぱりあいつら火の味方なんだ。
やはり、巨人のお腹の眼を象ったものです。
これって火の神様だったんですね。
目玉と三角形の組み合わせはプロビデンスの目がモチーフでしょうね。
キリスト教における三位一体の象徴なんだそうです。
こちらにおいては、山嶺に住まう単眼の神、ということで三角形に一つ目なのかもしれません。
特殊効果として、巨人の火の祈祷を強化します。
火の祈祷の中でも、「火付け」「火投げ」「火の大罪」は巨人の火ではなく「不吉な予言」に由来する祈祷なので対象外です。
巨人の火の紋章は、円を基調としたデザインになっています。
これもやはり火の神の単眼が基になっていたりするんでしょうか。
巨人砕き
巨人戦争で使われた、巨岩の大槌です。
王都外郭の荷車に積まれています。
狭間の地において最も大きく、最も重い武器です。
その重量、じつに26.5。最重量装備の大山羊の鎧と同じ重さです。
必要筋力も60とゲーム中最大。トロルの黄金剣を持てる筋力を倍にしても、わずかに届かないほどです。
人と巨人の戦い、巨人戦争においてこれを使っていたのは、なんと巨人ではなく人間です。
いや古の人間つよすぎるでしょ。
持ち手にはルーン文字のようなものが刻まれています。
鍔の部分、ちょうど肩にかかっているあたりには「井」みたいな文字がありますが……。
これ、ラダゴンの刻印に似てませんか?
斜め線の本数がちょっと違うか……。
でも、ラダゴンもハンマーを武器として使っていましたから、何か関係があるのかもしれません。
たとえば、この巨人戦争のあたりにラダゴン誕生のきっかけがある、とか。
ちなみに、モーゴットもこの武器を幻影として使います。
幻影だったら重くなくて使いやすそうですね。
おまけ
トロルのお腹はえぐれていて、中に石板が埋め込まれています。
よく見ると十字架、黄金樹の紋章のような意匠が見て取れますね。
これがトロルの裏切りの証、ということなんでしょうか。
今回は以上となります。巨人山嶺、および巨人に関係する武器を紹介しました。
次回はソールの城砦や霊廟に関係する武器を紹介します。
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