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ポパイのほうれん草

近くのスーパーの地元農家直売売り場であまり見かけないほうれん草を見つけました。一般にスーパーで流通しているのは、東洋種と西洋種を交配させたほうれん草です。

東洋種は葉がギザギザしていて西洋種は丸いのですが、見つけたほうれん草は葉は丸めだけど茎が非常に細いもので新種かなと思い、思わず買ってしまいました。家に帰って調べてみるとどうやら「サラダほうれん草」というもので甘味が強く生で食べられるよう改良した食感のやわらかいほうれん草でした。

子供の頃は東洋種、いわゆる日本ほうれん草しかなかったのですが、甘くてとても美味しかった記憶があります。ただ栽培がかなり難しく、だんだんとアクは強くても育てるのが簡単な西洋種に市場を席捲されていったようです。

そういえばいつの間にかやたらほうれん草を苦く感じるようになり、食べなくなったのはそのせいでしょう。カボチャも同じで小さい頃あった和種カボチャは甘くてねっとりとしてとても大好きだったのですが、最近の西洋系のカボチャは粘りがなくいまいちですね。

さて、ほうれん草で私たちの世代が思い出すのはアメリカのアニメーション漫画の「ポパイ」です。日曜日の19時30分から不二家の提供で放映されていた記憶があります(間違っていたらごめんなさい)。

登場人物は主にポパイと恋人のオリーブと悪役のブルートです。話の大筋は毎回同じで、ブルートがオリーブに手をだしてポパイが助けにいくのですが、最初はコテンパンにやられてしまいます。そんな時にほうれん草の缶詰を握りつぶして出てきたほうれん草を食べると力100倍となり(ブリキ缶を握りつぶすこと自体がもともとすごいですが )、ブルートをやっつけてオリーブを助けるというストーリーです。

勧善懲悪な感じのストーリーなので、正義のヒーローもの好きの私達世代は毎週楽しみに見ていました。しかし、この漫画はアメリカの子供がほうれん草(それも含め野菜)が嫌いで食べないので、食べるよう啓発するために作った漫画だと聞いたとき、理解できずにずっと疑問が残ったのです。だって、あんなにおいしいほうれん草を嫌いで食べないなんて信じられなかったからです。

まあそれも、そのあと西洋種の混じったほうれん草を食べたときに苦くてあまり美味しくないと分かりすとんと腑に落ちました。ちなみにサラダほうれん草はお浸しで美味しくいただきました。



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