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社会人になりました。その1

4月に社会人なった。上司が繰り返し言う「俺の時代は、朝早く来てコピー用紙を入れることが新人の役目だったけど、今はそんなことも強要できないね」が、私の脳にこびりついた。

その頃の私はというと、仕事の面では本当に1ミリも人の役に立てなかったから、社会人ってナンナンダと思いながらも、ひとまず朝は約1時間早く出社して、古典的な新人業務をしておくようになった。今思うと、上司の言葉はきっと優しさだったのだけれど、ひねくれ気味の私には、「やった方がいいよ」と言っているように聞こえてしまった。

そんなこんなで、10ヶ月が過ぎたが、あの時の「気づいた人がやればいいやん。ばかばかしい。」という感情はもはや消え、朝起きて顔を洗うのと同じように、会社に行ってコピー用紙を補充している。

人間は変わるということをひしひしと感じる。悲しいほどに早く私という人間は変わっていく。私の当たり前は、どんどんと既存の社会のルールによって、打ち砕かれていく。打ち砕かれる方がむしろましで、現実はじわりじわりと自分でも本当に気づかないうちに、全く知らない自分になっている。私も5年後には「私は朝早くにきて、コピー用紙を入れてたんだよね」なんて、高らかに言う大人になってしまうかもしれないと思うと、正直怖い。

あの頃は若かったな、と思うようになるかもしれないし、恥ずかしく思う日が来るかもしれないし、社会の大先輩方からは甘えるな、と思われるかもしれないけれど、私から見えている景色は、きっと今の私からしか見えないと思う。(とてもひとりよがりだけれど。)ふと思い出した時、重い出せなくても、過去の自分に思いを馳せられるように、言葉にしていきたいと思います。


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