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真っ向から否定される時

「あなた、それは違う」

はい、キタ。
その言葉に、瞬時に自分の中でスイッチが入る。

は?どんだけ自分が正しいと思っちゃってんの?

まず、相手の、その言い方自体が失礼極まりない。
まだその理由も背景も述べる前から、「上から目線」で「私の意見が絶対に正しい」という態度にイラッとくる。

もともと、気が長い方ではない。
ガチンコ勝負、大好物。
相手ががっぷり四つに組む姿勢を見せようものなら、よしきた!と言わんばかりにまわしに手をかけて、相手を力でねじ伏せることに、全力を注ぐタイプ。

・・・と心の中ではフツフツと煮えたぎる思いを抱えながらも、ぐっと言葉を飲み込む。

なぜなら、そう言うセリフを私自身が発した時点で、私も相手と同様「自分が正しい!」と大声で主張していることに他ならないからだ。

かつての私なら間髪入れずに「いやいやいや!でもね・・・」そう言って感情に任せて反論していただろう。

今の私は少しだけ柔らく、しかし、自分の意見ははっきりと伝える。

「そうかなぁ。○○だから△△だと思うんだけどなぁ」

この時点で、怒りのボルテージは2%くらいダウンしている。
(たった2%かよ)

たいてい、相手は畳みかけるようにして自分の意見を主張してくる。

「うんうん、なるほど、そうかもね」

心では納得していなくても、一応、相手の意見を受け入れる努力をする。(受け入れるフリとも言う)

頭の中は高速に回転し、自分の理論武装を組み立て、しかし相手に不快感を与えないような言い回しを咄嗟に考え、言葉を発する。

「でもさ、それって○○ってことかな?そうだとすると、△△だから□□じゃない?」

相手のボルテージを観察しながら、その後の自分の出方を調整する。

相手がさらに真っ向から否定してくる場合は、一旦引く。

相手の意見に耳を貸そうとしない人と話すことほど、無駄なエネルギーを消費する行為はない。

相手が少し考える風な様子があれば、自分の意見を混ぜながらいろいろな角度からその物事を掘り下げてみる。

「例えばさ、○○ってあるじゃない?それって△△だから□□だって、私は思うんだよね」

ここまでくると、この意見交換が自分にとって有意義か否かがおおよそ判断がつく。

相手の表情に「あれ?」という匂いが見えたら、意見交換続行。
より一層硬くなり、眉間にシワがよってきたら、ひとまず相手の意見を聞く側に徹する。

◇◇◇

とまぁ、相手から全面的に否定される場合、こんな思考回路で接していることが多いわけなのですが。

改めて読み返して、自分の未熟さを実感する。

まず、相手に対して「自分の意見も認めてほしい」という匂いをプンプンさせているところが、もうよろしくない。

つまるところ、あの手この手で自分の意見を認めさせようとする傲慢さが、いたるところから滲み出ている。

本来はそんなこと、必要ないんだけどな、と頭の中では思うのだ。
でも現実はあの手この手でなんとか自分の意見を主張しようとする。

そもそも、自分が否定されるのは、やはり気持ちがよいことではない。
何を言われてもお釈迦さまのように悟りを開いて受け入れるのがよい、とも思わないが、理想はそれを面白がる、くらいの余裕は持っていたい。

相手と同じ土俵に立ってしまうと、急激に視野が狭くなり、「自分が!自分が!!」にまみれてしまう。

理想はこんな感じ。

相手:「あなた、間違ってる」

私:(心からにこにこ)「へぇー、そうなんだ。どうしてそう思うんですか?」

ナチュラルにそう切り返せる日がきたら、「否定回避検定 準1級」のディプロマを、そっと自分に送りたい。





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