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地域共生とエコの融合!宮城県栗原市のメガソーラー発電所と130頭の羊による持続可能な運営

「築館第1・第2ソーラー発電所」は、宮城県栗原市に位置するメガソーラー発電施設で、栗原市内でも最大級の発電規模を誇ります。この発電所は、地域の自然環境との共生を意識した設計と運営がなされており、特に草刈りに羊を活用する独自の取り組みが注目されています。以下に、発電所の詳細やその取り組みについて詳しく説明します。


発電所の概要と規模

「築館第1・第2ソーラー発電所」は、栗原市の北東部に位置し、栗駒山を望む自然豊かな環境に囲まれています。この発電所は、大和証券グループが保有し、運営している大規模なメガソーラー施設で、2つの発電所を合わせて約29MWの発電能力を持ちます。

  • 築館第1ソーラー発電所: 敷地面積は約19.8万平方メートルで、11.68MWの発電能力を持つ。2018年10月に稼働を開始し、20年間にわたり発電した電力を固定価格で買取る制度(FIT)を利用しています。

  • 築館第2ソーラー発電所: 敷地面積は約30.8万平方メートルで、17.245MWの発電能力を持つ。2019年11月に稼働を開始し、同じくFIT制度を利用しています。

両発電所には、中国のJAソーラー製の高効率な太陽光パネルが多数設置されており、第1発電所には4万3260枚、第2発電所には5万1480枚のパネルが整然と並べられています。これらのパネルは、TMEIC(東芝三菱電機産業システム株式会社)製のパワーコンディショナー(PCS)によって効率的に電力に変換され、地域に供給されています。

大和証券グループによるファンド組成と運営

このプロジェクトは、大和証券グループが組成した「ブラウンフィールド・ファンド」の一環として進められています。ブラウンフィールド・ファンドとは、既に稼働して安定した収益を上げている再生可能エネルギー設備に投資するファンドであり、開発リスクを避けながら安定的なキャッシュフローを確保できる点が特徴です。

「築館第1・第2ソーラー発電所」は、2021年9月にこのファンドに組み入れられ、以来、安定的に発電を続けています。大和リアル・エステート・アセット・マネジメントが技術デューデリジェンスを実施し、長期的な運用に耐えられる設備であることを確認した上でファンドに組み込まれました。このプロジェクトは、FIT制度が終了しつつある中で、今後もエネルギーインフラへの投資を継続し、地域の再生可能エネルギーの拡充に貢献することを目指しています。

羊を活用した草刈りと地域共生

「築館第1・第2ソーラー発電所」では、2022年から草刈り作業に羊を活用する取り組みが開始されました。これは、機械による除草ではなく、羊を放牧して草を食べさせることで、環境負荷を軽減すると同時に、地域の牧畜産業を支援することを目的としています。

初年度の2022年には約30頭の羊が放牧され、試験的に除草作業が行われました。この取り組みは効果が確認され、翌年の2023年には羊の数が倍増し、60頭が放牧されました。そして、2024年にはさらに羊の数を倍増させ、約130頭にまで増やし、ソーラー発電所の敷地全体で除草を行う規模に拡大しています。これにより、除草の効率が大幅に向上し、人手による作業が大幅に削減されました。

この羊による除草は、環境に優しいだけでなく、栗原市周辺の地域社会とも調和する形で進められています。特に、栗原市は宮城特産の「漢方和牛」の生産が盛んな地域であり、牧草地も多く、発電所敷地内には羊が好む草が豊富に生えているため、この取り組みは自然な形で実現されています。羊は、クズや牧草などの低い草を好んで食べるため、ソーラー発電所の管理に最適とされています。

ただし、羊はススキやセイタカアワダチソウなどの草はほとんど食べず、これらの雑草は人手で刈り取る必要があります。また、気候の変化により雑草の成長が早まると、羊による除草作業の効率に影響が出ることもあり、今後も適切な管理が求められます。

発電所の運営と地域社会への影響

「築館第1・第2ソーラー発電所」の運営は、地域社会との共生を目指した取り組みの一環として、草刈りだけでなく、地域の牧畜産業や環境保全にも寄与しています。例えば、羊による除草作業は、地域の雇用を創出するとともに、地域の特産品である羊肉の生産にもつながっています。

また、発電所は周囲の景観にも配慮して設計されており、奥州街道からは太陽光パネルが見えないように山林が配置されています。これにより、地域住民や観光客にとっても違和感なく受け入れられる施設となっています。

さらに、大和エナジー・インフラは、今後もこのような地域共生型のエネルギーインフラプロジェクトを推進し、新たなエネルギーインフラの開発を進めていく方針です。これにより、再生可能エネルギーの普及と地域社会の発展が同時に実現されることが期待されています。

まとめ

「築館第1・第2ソーラー発電所」は、宮城県栗原市の自然豊かな環境の中で、地域共生を重視した運営が行われているメガソーラー発電施設です。約130頭の羊を利用した草刈り作業は、環境に配慮しながら、地域の牧畜産業を支援するというWIN-WINの関係を築いています。また、大和証券グループのファンドによる安定的な運営により、再生可能エネルギーの普及が一層進むことが期待されています。このプロジェクトは、今後のエネルギーインフラ開発のモデルケースとなる可能性を秘めています。

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130頭のヒツジとともに地域と共生、栗原市で最大級のメガソーラー https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/19/feature/00001/00174/?ST=msb&n_cid=nbptec_tectw

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