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地域で手を取り合って医療する嘘

助け合いの精神が大事です、と言いますが医療の世界は全くそんなことはありません。開業医のおおくはお盆も正月も休みですね。ただ総合病院の勤務医の多くはお盆や正月にお休みをもらうことの難しさを感じることすらなく当然働く以外の選択肢がないのですよ。

地域医療は大事、皆が手を取り合って助け合いの精神で、ということが地域医療にいかに茶番か、です。もし本当にそのように考えているのなら、なぜ地域の病院が盆に一斉に休むのでしょう。一斉に休み、薬がなくなった、体調が悪くなった、けれど地域の病院はお盆はどこも休みで基幹病院の総合病院しか開いていない場合、基幹病院に受診しますよね。誰がどう考えても。そうすると当然受診が集中し盆も正月も病院はパンク。おまけに『待たせやがって』的なお言葉を患者様や患者さまのご家族様から浴びせられる始末。憲法に保障されている『健康で文化的な最低限度の生活』には程遠い仕打ちでして働くスタッフに人権はないのかなぁとメンタルを削られます。感謝の言葉をいただくために医療スタッフになったわけではありませんが心は確実に削られるんですよね。まあ医療スタッフは罵詈雑言を浴びると眼がビー玉になるように訓練されていますのでダメージは最小限にはなるのですが。ビー玉の眼のときは無痛です。無敵の人かもしれません。

乙武さんの発信をみていると医療者の世界も割とカオスですが教師の待遇もカオスみたいですね。サービス残業を是とする法律で残業しても給料は一定だそうで。医師の世界にも謎なルールがあります。患者診察していない時間は残業代をつけてはならないという謎ルールです。コロナ患者が毎日ひっきりなしにやってきて、国が全例報告しろというので書類は山のようにたまっていきます。しかし書類を記入している時間は?そう。患者様を診察している時間ではないのでお金になりません。多くの全国の勤務医が勤務時間外に書類を書こうと思うと無給です。それでなくても時間外労働をせねば患者の安全を担保できないと言うのに。それでいて命に危機が訪れるような診療をすればストリートファイターの豪鬼というキャラの瞬獄殺という技を誰かから受けます。昔、アインシュタイン大学の血管外科のDrが日本はエコノミー料金の医療でファーストクラスの医療を受けようとする国と言っていましたがその通りです。きちんと論文を調べてグローバルスタンダードの質の高い医療をしても、謎ルールの多いジャパニーズスタンダードの医療をしてもお給料が変わらないんですね。


さて、こんな国で医療を真面目にやろうとする人ってどれくらいいるかです。患者さまからすると受診する医師はもれなく一流であれと思うじゃないですか。ですよね。

そんなわけあ○かい!とつっこんでるひとばかりの業界です。わかりますよね。今日あなたが受診したお医者様は診断に足る病歴と診断に足る診察をしてくれましたか?なんとなく話をきいてくれて、なんとなく診察で胸の音だけきかれ、ただなんとなく薬を出されましたって人の方が多くないですか?

そもそも患者さんに興味をしめしていましたか?目がビー玉じゃなかったですか??

こんな医者に誰がしたかって?誰だと思いますか?それを考えるのが社会のひとたちかもしれません。おあとがよろしいようで。

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