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41 矛盾した要求

疲れるくらいなら頑張ったらダメ。頑張らないともっとダメ


 このころの食事は、夫の外出が増えていたせいか、家族そろってゆっくり食べるのは日曜の夕ご飯だけになっていました。平日の夫は、急いで食事を済ませて出かけるか、深夜遅く帰ってきて一人で食べます。私が気が乗らない時は夫の分の食事は作らずに、カップラーメンを置いておきました。むしろカップラーメンの方が喜んでいたようです。

 しかし日曜の夜ごはんだけは、私は張りきって作りました。張りきると嫌味を言われるので、なんでもないよという風にさらっと作るようにしていました。栄養のバランスと家計と私の体力と相談してその時のベストなものを作るのです。私が「疲れた」というと
モラ夫「何で勝手に頑張って勝手に疲れるん?休まない自分が悪い」
と、文句を言ってややこしいので、疲れを見せてはいけません。「大丈夫?」の一言があれば済むのに、一度も言われたことはありませんでした。そして食事の量が足りないと、また不機嫌になるので、少しだけ多めに作ります。

夫の空腹も把握しないとダメなの?


「おかわりは?」
モラ夫「まだわからん。休憩してから考えるわ」
 この休憩が私は嫌でした。夫はお皿に少し残した状態で、ソファでテレビを観始めます。いつまで経っても片付けができないので、私はほかの家事をしながら待つことになります。夫は自分では絶対に皿を洗いません。あからさまに待っているとプレッシャーを与えるので、こどものお風呂の準備をしたり、ごみ袋を入れ替えたり、ほかにできる家事をすませながら様子を見るのです。
「どう?食べれそう?」
30分ほどたって声掛けをしました。いつものことです。ちなみに、私は専業主婦ではありません。夫より忙しいフルタイム正社員です。
モラ夫「うん、少しもらおうかな」
返事があるのは機嫌がいい時です。ホッとして配膳をします。
「どれくらい食べるの、これくらい?もうちょっと?」
モラ夫「あとちょっと。はい、ストップ!」
 機嫌よく食べる夫に、今夜は平和に一日が終わりそうだとホッと胸をなでおろしました。

 配膳の量も、気を使います。「一口多い」「一口少ない」文句は言いますが自分で配膳をすることはありません。自分でついでと言えば「じゃあいらない」と言うのです。ある日、いつもと同じくらいの量を配膳しました。
モラ夫「こんなに食べれるわけない。多すぎ」
「あ、ごめんじゃあ自分で減らしてきて今手が離せない」
息子の世話をしながら言いました。
モラ夫「じゃあいいわ無理して食べるから」。

また別の日のことです。前回は多いと言われたので、少し減らして配膳しました。すると食べ終わって夫が言いました。
モラ夫「ほかに食べ物ないの?」
「ごめん、今日は残り物ばかりで作ったから、それだけ。でもご飯いっぱい炊いてあるから、お茶漬けとか卵かけご飯とかできるよ」
モラ夫「いやいいわ。白ごはんだけは俺は食べれない。おかずないの?」
「ごめん、ないんよ。」
モラ夫「はぁ、・・・じゃあいいわ。白ご飯は食べない」
とカップラーメンを作り出しました。そしてまた不機嫌タイムが始まってしまいました。カップラーメンを切らしてなくてよかった・・・とドキドキしながら、子どもの世話と家事をしました。

 ちなみに夫は先日、納豆ご飯をおいしそうに食べていたので、白ご飯が食べられないわけではありません。それに私は大体毎回同じくらいの量を作っているつもりです。夫の空腹の状態まで考えて料理しなくては文句言われるの?どうしたら普通の夫婦みたいに優しくしてもらえるの?と心はどんどん冷めていきました。

 料理に対する情熱はとうの昔に消えていました。本当は料理は好きだし、新しいものを開拓したいと思っていました。もともと、何かを極めるのが好きでしたし、新婚当初は朝からチキンカツにしたり、エビチリを1から作ったり、パウンドケーキを焼いたり、キッシュを焼いたり、生春巻きを作ったりと楽しんでいた時期もありました。そして子供のために、栄養バランスも考えて調理しました。しかし、子どもが残せば
モラ夫「そんなごちゃごちゃ野菜ばっかり食べるわけないやろ。カレーとかウインナー出せばいいやん」
と、私のせいになります。「なんでも食べて大きくなろうね」と教育することはないのです。食事に関しては、本当に私一人の孤独な闘いになりました。辛い日々です。「おいしい」「ありがとう」のセリフも聞いたことがありません。私は妻でも家族でもなく家政婦になった気分でした。心も身体も休まるときはほとんどありません。


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