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34 エスカレートの始まり~モラハラへの対抗~


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夫を変えるための反撃 子どもをお風呂に入れる

 
 毎晩、息子をお風呂に入れるのは私の役目でした。と言っても、結婚してから二人目が生まれるまでずーっとワンオペ育児なので、お風呂に限ったことではありませんでした。ただ夫は、家に不在のことが多かったので、私が担当するのが自然になっていたし、スムーズでした。だからこそ、たまに夫が自宅にいるときは、敢えて夫に頼むようにしていました。料理に掃除洗濯いろいろと家事があるので、やはりどうしても手が足りなかったのです。夫が息子をお風呂に入れてくれたら、その30分で食器を洗って洗濯物をしまうことができるし、家中のごみ箱の中身をまとめて、ごみ出しの準備もできます。
 

「お風呂に入れる」のは、体を洗うことだけではない

 お風呂に入れる、という作業は、風呂場で子どもの体を洗うことだけではありません。それに付随する作業すべてを指します。服やタオルを用意し、子どもをお風呂に誘う、お風呂に入る気にさせる、服を脱がせる、洗ったらお風呂から上げてタオルで体を拭いて、服を着せる、髪を乾かす、ついでに歯磨きまでできたらばっちりです。

 しかしその間も、子どもはお風呂を嫌がって泣くし、石鹸を付けたまま暴れるし、上がったら裸で脱走します。これはどの家庭でも見られる日常だと思います。そして私は毎日それをやっています。一方で夫の考える「風呂に入れる」行程はその一部。つまり、本当に体を洗うだけ。お風呂の準備から服を着せることまでは頭にありません。当然、ひとつひとつ私を呼び出して質問したり、あとはお願い、と子どもを脱衣所に放置するのです。しかしこれも訓練。父親として夫を育てなければなりません。最後まで機嫌よくお風呂に入れてくれるか、ハラハラしながらお願いしました。

自分は良くて相手はダメ

「パパ、今日はお風呂お願いできる?」
モラ夫「わかった!」
快諾してくれただけでも奇跡でした。

 息子を夫に任せて、私は夕飯の後片付けを始めました。5分も経たないうちにお風呂から私を呼ぶ声がしました呼ばれてすぐ行かないと不機嫌になるので、私は洗剤だらけの手をすすいで、急いでお風呂場に行きました。

「なに?」
モラ夫「息子連れてきて服脱がせえて。俺シャンプー終わった。中で待ってるから」
「え・・・わかった」
 さっきすべてお願いしたのに、と思いながらも、不機嫌が怖いので言われる通りにしました。
 嫌がる息子を半ば無理やり連れてきて、何とか服を脱がせて、お風呂場にいれました。急がないと、シャワーのお湯を出しっぱなしで夫は中で何もせずに待っているのです。お湯ももったいないし、不機嫌になってしまいます。もうお風呂せえへん、といつ言われるかわかりません。


 そして再び食器洗いに戻ると、すぐにまた、風呂場から呼び出し音が鳴りました。しかしこちらも食器洗い中です。切りのいいところまで洗って、洗剤をすすいで急いでお風呂場へ向かいました。夫は呼び鈴を30秒ごとに鳴らしてきます。待てないのです。こちらが家事をしていることを想像できないのです。

「はいはい、今きたよー」平常心を保ちながら声をかけました。
モラ夫「遅い!ずっと待ってたんやで。もうとっくに終わったのに」

 そう言うと、息子に向かって「はい、そこでママが待ってるからね~、ママの所にいこっか!」と息子を私にバトンタッチするのでした。
(遅いって、1分ちょっと待たせただけやんか)と思いましたが反論はしませんでした。面倒なことになるだけだからです。

 結局、洗い物は途中のまま、服を着せて髪を乾かして歯磨きをさせて、とバタバタしました。その間も夫はゆっくり湯船につかって携帯動画を見ています。もう毎回のことなので呆れて何も言う気力はありません。言ったところで話し合いにならないし、不機嫌になるし、夜中まで帰ってこなくなるだけです。

反撃

(もうお風呂に入れてもらうのはやめよう。結局手が離せない)とお風呂に関してもあきらめようとしました。しかし、どうしても手が足りず、寝かしつけまで時間も足りません。そして役割を逆にすればいいんだ!!ということに気が付きました。つまり、夫が自宅にいるときに私がお風呂に入れる。でも洗う以外は夫にしてもらうことにすればいいのです。早速次の機会に実行しました。

「パパ、今日は私が息子をお風呂入れるから。服とタオル出しておいて。後で呼ぶから息子の服を脱がせて連れてきてね。ママは先に入ってるから。洗い終わったら呼ぶから、あとはお願いね」
モラ夫「・・・わかった。俺、息子の服がどこにあるか知らんからそれだけは出しといて」

育児に参加しないから、家の中に何があるか、夫は知らないし知ろうともしてこなかったのです。言いたいことはありましたが、ここは譲りました。

 そして順調に息子をお風呂にいれました。そ湯ぶねで温まったあと、呼び鈴を鳴らしました。しかし夫はなかなか来ません。湯船につかりながら時計を見て、5分後にもう一度鳴らしました。しかし全く来てくれません
(1分ちょっと待たせただけでキレたくせに、なんなん。自分は5分待たせても平気なん?!)怒りがこみ上げてきました。それでもなかなか来ないので、更に5分後、お風呂場から扉を開けて大声で呼びました。

 「まだー?とっくに終わったんやけど!」
 モラ夫「・・・今来た」
 私「なんでもっと早く来てくれないの、ずっと待ってたんだよ。10分も待ってたんだよ?!」
 モラ夫「テレビ見てたから呼ばれても聞こえないねん」
 「お風呂から呼ばれるのわかるやろ、私は、いつ呼ばれてもいいように気にしながら家事してスタンバイしてるよ、もっと気にかけてほしい。結局寝かせるの遅くなるやんか」
 モラ夫「そんなに待つのが嫌なら自分で服着せて寝かせる準備したらいいやんか」ものすごく不機嫌そうに夫は言いました。いつもの、眉間に皺を寄せた顔です。私はこの顔と声のトーンが嫌なのです。

「・・・!!!!」もう、かける言葉もありませんでした。結局私が悪者だと、夫は思ってしまったようでした。

反撃その2


 私だっていつも負けてばかりではありません。あまりにも我慢の限界が来たので、今度は夫がお風呂に子どもを入れているときに、呼ばれてもなかなか行かなかったらどう思うか、やってみることにしました。夫は共感したり人の気持ちがわからないので、実際に自分が体験するのが一番効くかもしれない、と思ったのです。結婚してからずっと夫の気分や夫の時間に合わせて生活してきましたが、こんな生活を何十年も続けるのは無理です。夫には変わってもらわなくてはやっていけません。

しかし結果的にその試みは失敗に終わりました
モラ夫「ずっと呼んでるのに何ですぐ連れてこおへんの。」
モラ夫「すぐ来てって言ってるやん」
モラ夫「なんで来んかったん。おかしいやろ。子どものこと考えてるん?!」
 今日も30秒ごとに呼び鈴を鳴らしていましたが、夫が私にしたように、きっちり10分測ってから向かいました。今回も折れたら、ずっと言いなりになってしまいます。これくらいの主張は許されるはずです。いつまでもワンオペ家事育児はおかしいです。しかもフルタイム共働きで。明らかにイライラしている夫に、私は言いました。


「パパがいつもママにしてる通りにしたんだよ。私はいつも今日みたいな気持ちだよ。なかなか来ないと困るやろ?ちょっとはわかってほしかったの」
モラ夫「はぁ?・・・そんな実験のためにこんなことしたんか。こどもを利用して。こんなに待たせて。わざと。実験する神経がわからん。嫌がらせか」
 この後は、不機嫌になり、何を言っても同じことの繰り返しで話し合いになりませんでした。
 結局最後まで、夫から「ごめん」とか「気を付けるね」と言った反省の言葉を聞くことはなく、代わりに「わざと人を陥れる考えが理解できない」、と責められて終わったのです。圧倒的に自分に非がある場合でも、モラハラ夫は絶対に謝りません。そしてお決まりの無視、不機嫌、責任転嫁です。

 それからも夫は行動を改めることなく、その後お風呂に入れる時にはやはり私が呼んでもなかなか手伝いに来ないし、私が夫に呼ばれてすぐ行かないと夫は不機嫌になりました。

 自由に不機嫌になれる人が心底うらやましいと思いました。

 このお風呂の件が積み重なった時、もう夫に育児に貢献してほしいとか、父親としての役割を担ってもらおうとするのはやめようと決めました。夫も積極的に手伝いたくないようだし、ちょうどいい。もう夫に存在意義はありません。都合のいいときだけお菓子をあげたり頬ずりしたり、ペットのように子供を扱っているようにしか思えません。もう勝手にすればいい。もうやめた。無駄だ。

 私は夫への期待値を限りなくゼロにしました。生きているだけでマシ、と思うことにしました。


パートナーに気持ちを分かってもらえないことがどんなに孤独か。

そのストレスと孤独感は、子どもにも悪影響を与えるようになっていきますが、気づくのはずっと後です。娘は3歳ころからのチックが、更にひどくなっていました。


次回に続きます。

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