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登山の水分補給のポイント(後編)

※この記事は約4分で読めます
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おはようございます。
すみません!バタバタしてまして投稿が遅くなりました💦
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自分は顔が濃いので、俳優・阿部寛さんのようなヒゲが似合う男にちょっぴりあこがれてヒゲを伸ばしている田口でしゅ。
#でしゅってなんだ
#タイピングミス
#濃い濃いソース顔
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さて、今回は前回の続きで、山に登る際の水分補給のポイントの後編です。
前回の記事を読んでいない方は、そちらを読んでからこの記事を読んでいただければと思います。
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後編の今回は、水中毒に気を付けながら水分補給をどのように行ったらいいか、をお話ししていきます。
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その前にお知らせです。
10/2(土)~3(日)燕岳ツアーの残席まだあります!
お申し込みは9月26日までです。
https://www.putalipeak.com/tozankyoushitsu/tsubakuro/
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まもなく緊急事態宣言が解除になりそうです。
10月以降のプログラムの予定も間もなく発表できると思いますのでご期待ください。
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それとですが、
少人数制のオンライン飲み会を定期的に開催したいなぁ、と考えています。
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このご時世、居酒屋の人数や時間制限の問題、
とくにお客様の感染拡大のリスクを考慮すると、ちょっとどうなのかなぁ、というのもあり、
リアルでの飲み会って、いまのご時世なかなか難しいじゃないですか?
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ツアーやイベントに来てくれたお客様と心置きなく飲める機会が減ってしまいましたし、
今後もしばらくは、この状況が続くと思われます。
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そこでいま考えているのがオンライン飲み会です。
まずはツアー後にやる飲み会からやってみようかなぁ、と考えております。
#オンライン居酒屋「山恋慕」っていうの
#まだ妄想の段階
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人間は脱水する生き物
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鹿屋体育大学の山本教授は、登山中にどの程度の水を飲んだらいいのかを調べるため、まず行動中の脱水量を調べることにしました。
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精密体重計を使い、季節(春~厳冬期も含む)を変え、房総丘陵などの低山から富士山などの高山まで様々な人たちの脱水量を測定しました。
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その結果、ある法則性があることが分かってきました。
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それは、行動時間や登山内容は違ったとしても、
測定した約8割のケースでは、1時間あたりの脱水量は平均5mlになることがわかりました。
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ここで注目すべきなのが、厳冬期(12月)の富士登山をした人の脱水量です。
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え…?そんな寒い時期に汗なんてかかないし、脱水なんてしないんじゃね??
って思う方もいると思いますが、
ところがどっこい、測定してみたところ、厳冬期の富士登山もこの法則に当てはまったんだそうです。
1時間あたり4mlという、けっこうな量の脱水です。
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理由としては、
➀寒い時期でも、登りでは汗をかくことはある
②人間は常に皮膚から水分が蒸発している
③人間は息を吐くと水分を失う
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ということなんですが、
②なんて読んでちょっとはっとしませんか?
言われてみれば、確かにそりゃそうだって思うんですが、
人間はほとんど水でできていますから、
僕がこの記事を書いているこの瞬間にもどんどん皮膚から水は蒸発していっているのだなって気づかされました。
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自分の脱水量を知る方法
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様々な人からデータを取り、その結果から
山本教授は行動中の脱水量(ml)の目安を求める画期的な計算式を導き出しました。
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※行動中における脱水量の推定式
 【行動中の脱水量(ml)】=体重(㎏)×行動時間(h)×5

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あくまで目安なんですけど、脱水量を求めることができます。
ちなみにこの式は、「暑くない時期に軽装で、整備された登山道を、標準的なペースで歩くとき」を想定しています。
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「自分は汗っかきなんだよなぁ」という人や「私はあまり汗をかかないわ」という方もいると思います。
そういった場合、汗っかきさんは、「×5」ではなく、6~7倍にします。
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反対に「あまり汗かかない」という人は、3から4倍にする、といった感じです。
(普通の登山よりも速いペースで歩く場合、6~7倍する)
(気温が25℃以上の場合は、6~8倍する)
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ところで、この脱水を求める式を見て、
「ん?この公式どっかで見たな…」と思った方もいらっしゃると思います。
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そうです!
以前、僕が一日にどのくらいのカロリーを摂ったらいいか、というお話をした際に
登場した式と、脱水量を求める式は全く一緒なんです。
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これには理由があって、
人間は肉体労働も含めた生活中には、1kcalあたりのエネルギーを消費すると、
もれなく1mlの脱水が起こるんですって。
登山でもこの性質が当てはまるので、2つの公式は同じ形になり、
kcalをmlの単位に置き換えることができるからです。
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逆に登山してないとき、
例えば山小屋やテント場で、日がな一日ゴロゴロしてたとしたら、どうなるのかというと、
下記の式で求めることができます。
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※生活中における脱水量の推定式
 【生活中の脱水量(ml)】=体重(㎏)×行動時間(h)×1

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  (1という係数は15歳以上の男女に適用)
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以上を踏まえて、例えば体重60㎏の僕が8時間の行動をして、
残りの16時間を山小屋で宿泊したとした場合の脱水量は・・・
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  60㎏ × 6h × 5 =1800ml(行動中)
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  60㎏ × 18h × 1 =1080ml(生活中)
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合計2880mlの脱水が起こると考えられます。
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ご自分でもぜひ当てはめて計算してみてください。
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水分補給 どれぐらい必要か?
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一日に3L近くも脱水が起きたら、
同じ量を飲まないといけないの?って思いますよね。
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でも、そうじゃないんです!
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行動中の水分補給量を求めるには、
 5X(体重kg)Y(行動時間h)-10×(体重kg)

という公式を使います。
例えば一般の登山者の場合、
体重60㎏の人が標準コースタイムで6時間の登山をしたとすると、
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 5×60㎏×6h-10×60㎏=1,200ml となります。
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つまりこれは、「脱水量の7~8割の水分補給をすること」に相当します。
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なので、暑くない日で、4~5時間くらいの日帰り登山でも、
だいたい最低1リッターは飲めるように準備しておくべきでしょう。
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「水は重いからなるべく減らしたい」って考える人も少なくないと思いますが、
安全に登山をするためには、
1~1.5リッターを担いで登れる体力をつけるよう頑張りましょう!
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最低1時間に1回 水分補給が必要
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多くの水を飲まないといけない場合、
一気に大量の飲むと水中毒になる危険があることは、すでにお伝えしました。
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多量の水を飲むときの飲み方としては、
こまめに飲む方が無駄な汗や尿は減る、ということが分かっています。
下界のスポーツでは、こまめに15~20分おきの水分補給が勧められています。
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…なんですが、
登山ではハイドレーション(チュウチュウ吸う器具)を使っている人はできるでしょうが
持ってない人は、そんなペースで水分補給なんてちょっとできませんよね。
なので、最低1時間に1回、飲むようにしてください。
暑いときや運動が激しいときは、30分に1回がいいです。
おさえておくポイントとして、山に登る前の朝食時に、
300~500ml程度の水分補給(味噌汁やスープでもOK)をしておくことです。
(それ以上は飲んでも、無駄な汗や尿が出たりしますのでオススメしません)
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例えば、その日の行動で2リッターの水を飲まなければいけないとしたら、
朝食時に500mlの水を飲んだら、行動中は1.5リッター飲めばいいということになります。
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飲み物は何を飲んだらいいのか?
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飲み物の種類は、水、お茶、スポーツドリンク、ジュースなど、
自分のお好きなもので大丈夫です。
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ですが、注意したいのは、
3時間以上の長時間歩くような登山では、塩分補給も忘れずにするようにしましょう。
(塩分補給の大切さについては、前回書きました)
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特に水しか持っていないときは、
塩気のある柿ピーやおにぎり🍙も一緒に食べることもおすすめします。
1リットルあたり1~2gの塩分補給がベター。
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また「飲む点滴」とも呼ばれる「経口補水液」もスーパーやドラッグストアでよく見かけますよね。
ゼリー飲料タイプのがコンパクトで、雨蓋に忍ばせておけるので、おすすめです!
熱中症なりかけの対策として、抜群に効果を発揮します。
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最後に、飲みものの温度については、
以前は、冷たい水は身体に良くないといわれていましたが、
暑いときには、冷水の方が体に良い、と専門家は言っています。
理由は、ふたつあって、
ひとつは、冷たい方が腸内での吸収が早い、ということと
二つ目には、身体の最深部にある胃の内部で直接身体を冷やせるから、なんてすって。
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以上、現場から中継でお伝えしました!!

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