見出し画像

穴の空いたナノエアを買って、Worn Wearリペアパッチで直して、着る

ここは何処でしょう?

うちの実家の近所です。
目の前に見える森みたいなのは京都御苑。

場所は京都市上京区・烏丸今出川の交差点。

南東に京都御苑、北東に相国寺と同志社。
西一帯は住宅地。

かつて室町幕府があった場所で、街角に小さな石碑があります。

そして現在は、京都市営地下鉄烏丸線・今出川駅がある、上京区の一等地です。

直進方向が今出川通り

交差点から堀川道り方面に目を向けた風景がこちら。
いくつかの商業施設がありますが、時価が高いのかテナントが安定しません。

左手の4階建てのビル、昔2Fには私が通っていた体操教室、その次は白木屋、今は空テナント。

1Fは昔マクドナルド、次はずっと松屋が・・・あれ?!松屋も無くなってるな?!

右のモスバーガーは息が長いですね。
しかし一緒にできたはずのTUTAYAはえらい前になくなり、次に入った古着屋は一瞬。

そしてそのモスバーガーの隣、橙色のタイル外壁が特徴的な建物が今回の話に関係しそうで、あんまり関係しません。

洋服の病院」と黒看板に橙色で抜いた文字は一度見たら印象に残るこのお店。
少なくとも私が物心ついた頃からずーーっとココにあります。

服の修理だけでそんなにやってけるもんなんや、と感心します。

そんな「洋服の病院」は京都市内に8店舗展開する、創業1960年(昭和35年)の老舗。

別にこのお店に私個人がお世話になっていたとか、そんなわけではありません。
両親や祖父母は利用していたかもですが。

しかし子供のころからこの看板を見ていた私にとって「服を直して着るということは当然のことなのだ」と刷り込まれてきました。

Worn Wear
(着用してぼろぼろになった服)

なのでパタゴニアのWorn Wearという考え方は、とても好きです。
Worn Wearの基本的考えは以下の5つ。

  • 長持ちする製品を製造します。

  • 修理します。

  • 古着の売買、譲渡を推進します。

  • 古着を回収して、新しい製品に作り替えます。

  • 持続可能性を追求します。

新品よりも、ずっといい。なんて良い標語でしょう。


それはそれとして、ナノエアほし

パタゴニアの動的保温着の雄、ナノエア様。

化繊系の保温着ですが、透湿性が特出しています。

2019年の秋ごろ。
ナノエアシリーズの一つ「ナノエア・ライト・ハイブリッドジャケット」を購入しました。

スキーに雪山登山に夏山の保温着からキャンプに部屋着まで。
保温・透湿・ストレッチ&フィット・着心地の良さを兼ね備えた素晴らしい動的保温着です。

毛玉が出来やすい表地を加味しても、価値が大幅に上回ります。

暖炉の効いた秋口のコテージのような状況でも、適度な保温で快適

「ナノエア・ライト・ハイブリッド」は通常のナノエアから化繊綿の量を減。
さらに背面全体を「キャプリーン・エア」並みの高透湿素材に変更したもの。

おかげで行動時のミッドレイヤーとして完璧な性能を有します。

特に冬山登山で蒸れは大敵。
そんなときにライト・ハイブリッドなナノエアは最適です。
(2022現在はカタログ落ち。復活してほし)

「とりあえずナノエアにハードシェル着とけば大丈夫やろ」と思える信頼度

一方、背面は中厚手ベースレイヤーのような素材。
そのためゲレンデでリフトに乗っているときは背中が少しスースー。

ぎゃんぎゃん雪降ってる中、リフト故障で15分放置されたときはヤバイと思った

となると、欲しくなります普通のナノエア。

私のナノエアシリーズに対する信頼度はカンストしてます。
買うことに迷いはありません。
問題があるとすれば、それは価格。

ジャケットタイプが¥33,000-
フーディは¥39,600-
ぴえん

流石、(個人的)最強の動的保温着。
値段も最強です。

あの「プロトンLT」より高い。
一般に買える動的保温着の中ではトップクラス。

そのとき、私の中のパタゴニアがこう囁きます。

古着を買え

探しました。
それはもう、探しました。

ナノエアは古着であっても相場1.5万~2万。
状態の良いフーディだと2.5万前後なんてものも。

しかもナノエアは透湿性と毛玉のできやすさをトレードオフ。
良い状態のものを見つけるのは至難です。

そんな中、見つけました。

詐欺じゃないか?、てくらい安い。
17年製造とはいえ、表地に毛玉は見当たらず、状態はとても良く見えます。

なのにフーディで¥6,000-。

え?「訳ありってなんだ?」だって?

ANA

はい、これが訳です。
焚き火か何かでやらかしたであろう、穴。

穴の周囲に粘着成分が付着してます。
前オーナーはパッチシールを貼って着ていたのでしょう。

にしたって、¥6,000-は安い。

パタゴニアを着たい人にとって、この穴は4万円の服を6千円にしてしまうほどのダメージなのかもしれません。
しかしナノエアを着たい人にとって、この程度の穴は服の価値を大幅に下げる理由にはなりません。

3分クッキング

はい、こちらが購入したものになります。

¥6,000-ナノエア・フーディ2017モデル

余談ですがナノエアは2019年に表地変更がありました。
毛玉が出来にくくなった代わりに透湿性が若干低下してます。

同時に中綿の素材が変更。
ボリューム感が少なくなっています。

現行2022と2017を着比べると、2022は「これナノエア・ライトかな?」くらいの差があります。
(ナノエア・ライトはとっくの昔に廃盤)

つまり2017年モデルのナノエアは、
「ボリューミー中綿と高透湿性!ただし毛玉はできる」な割り切りウェア。
開発者の拘りを強く感じるビンテージになっています。

あと現行ナノエアでも毛玉はできやすい。
その点がどうしても我慢できないならナノパフ、またはプロトンLT(アークテリクス)にしましょう。


さて、こちらが訳アリの訳です。

ナノエア様の中身がポロリ

こんな穴は簡単です。
えいっ、

クマクマクマベアー

はい、直りました。
完璧です。

ナノエア並みに信頼感のあるリペアパッチ

使用したのはこちら、

パタゴニア / WORN WEAR リペアパッチ
サイズ色々4シート入りで¥1,320-
何故かGEAR AIDのより安くなってる(多分、為替対応のタイミング差)

「パタゴニア」と言ってますが、中身はGEAR AID社の「GEAR PATCHES」です。

以前からこのリペアパッチは破れ・穴空いたウェアの簡易修理に愛用しています。
使い方は、

  1. シールを剥がして、

  2. 綺麗に貼り付けて、

  3. 念のため、お湯を入れた底の平なカップを乗せ、緩く熱圧着→完成。

    一度貼り付けたら、洗濯程度じゃ簡単には剥がれません。

スコーミッシュフーディ(アークテリクス)に穴開けたときは、心に来た

ナノエアのような伸縮性maxのフワフワ素材から、スコーミッシュフーディのような同じく伸縮性があるシェル素材まで、大抵の素材ならコレ1枚で対応できます。

直せると分かれば、ガンガンに使えます。
そして長く着るほど、愛着も湧いてきます。

あぁ!新品よりもずっとイイ!

おまけ

ちなみに先日購入したダウンセーター(パタゴニア)には、このパッチが少量ですが付いてきました。

新品だと内ポケットに収納されてる

今回のナノエアのような「機能性に大きく影響しない程度の故障であれば自分で直そう」というパタゴニアからのメッセージでしょう。

特にコロナ禍以降のアウトドアブームのより、パタゴニアリペア工房(鎌倉)はオーバーワーク気味で、修理納期も長くなる一方と聞きます。

であれば、GEAR AID(WORN WEARリペアパッチ)のような技術や特別な道具を必要とせず、信頼性の高い修理手段を活用しない手はありません。


最後に、ちょうど2年前のパタゴニアの素晴らしいツイートを貼って終わりです。
バイ👋