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靴のかかと消失!?あなたの足元は大丈夫ですか?

こんにちは、ぷるるです。

今日は母方の法事でした。親族で曽祖父の50回忌を行えて本当に良かったです。

ところで私は冠婚葬祭にて、出席者の『かかと』を確認するクセがあります。
なぜならかつてお葬式で、『靴のカカト消失事件』に遭遇したからです・・・


5年前の12月、義母の親族が亡くなり私たち夫婦と義母は、お葬式に参加しました。

故人は98歳の大往生。
そのためお葬式の場は明るく、久しぶりに会った親族の方々は、互いを懐かしんでいました。
私は『誰も泣くことなく、故人が生き切ったことにを喜べるお葬式』は、実に良いものだとしみじみ思ったものです。

しかし、私たちは火葬場へ同行しませんでした。

義母の実家はかなりの田舎で、唯一他県から参加した私たちだけが帰宅に数時間かかるからです。
しかし喪主の方から「昼食はぜひ食べていってください」と強く勧められ、私たちはひと足さきに食事の用意されたお座敷へ向かいました。


すると義母がふと眉をしかめ「ここ、なんだか汚いわね」と言うではありませんか。

表情のイメージです、義母ではありません、念の為。

その葬儀場は新しくきれいでしたが、確かに白い床には黒いゴミがバラバラと散らばっていました。

「これは職員の人に言うべきかしら?」
生真面目な義母が私に問いかけます。

「何か事情があるかもしれませんよ」と私は遠回しにNOを伝え、夫も同意したことで、この話は終了となりました。
私たち夫婦はお腹が空いていたのです。

食事を終え腹もくち、さて帰ろうとなった時のことでした。

靴をはき始めた義母が、突然叫びました。

「カカトがないわ!」


カカトがない・・・カカトが・・・?

それは一体どういう状況なのか。財布がない方がまだ納得いきます。
だってカカトは、靴にピッタリとくっついているものじゃないですか。

そこで私と夫は、義母の足元をのぞき込みました。

義母の靴は防寒性のショートブーツで、低めのカカトはゴム製でした。
その部分が確かにまるっと消えているのです。

すると、今度は夫が叫びました。

「母さんの足から、あのゴミが出ている!」


そう、義母の怒りをかったあの黒いゴミが、当人の周りにたくさん落ちているじゃありませんか。

かかと窃盗の犯人は誰だ!


しかもそのゴミは「ヘンゼルとグレーテル」のパンくずのように、ラインを描いています。これは探らねばなりません。

私たちは探偵のようにゴミの線をたどっていきました。お座敷を出て左に曲がり、玄関を通り抜け、今度は右に・・・

そうしてたどり着いたのは、先ほど式を取り行った場所。
黒いゴミは2列に並ぶ座席の右側三列目の床に、どっさりと落ちていました。

そう、義母が座っていた席に・・・


つまり、私たちが葬儀で故人を偲んでいる間に、ゴムかかともひっそりと、お亡くなりになっていたのです。

黒い藻屑となって。



思えばこの日の朝、義母は靴を私に見せながら、
「これ、古い靴だけどおかしくないかしら」
と言っていました。

私は「素敵ですし、冷えないから良いと思います」と答えました。
実際、ブーツはきれいだったので。

しかし!!素材はきっちり劣化していた!!!
特にゴムは、時の流れに耐えられなかった!!

怪奇!でもなんでもなかった・・・。


私たちは、ゴムくずの山に爆笑しました。

3人の心が今、1つに。

職員さんに謝罪をしたところ、お気になさらずと真面目な顔で言われました。
でもその小鼻が膨らんでいたのを、私は見逃しませんでしたけどね。


後日この「かかと事件」を気に入った私は、あちこちで話しました。
そして同じ体験をした方々と出会い、驚きました。

もしかして、よく起こることだったのか??

さらに友人からも「同じ話知ってる!」と言われました。

なんと、ブログ界のスター「カータン」さんが、とっくの昔に記事にしていらっしゃっいました。しかもすっごく面白かった!!


ただ、よくある現象だったとわかり、「かかと事件」の面白さは私の中で半減しました。

その代わり「誰かのかかとが急に消えるのではないか」と心配するようになり、先述のクセが身についたのです。


ところでこの現象は、「加水分解」と言い、よく起こるそうです。

加水分解はウレタンゴムやポリウレタン樹脂の部分が劣化し、ひび割れボロボロになったり、ベトベトになったりと、所有者泣かせの化学反応です。どちらの素材も水気とは無縁に思えますが水に弱い性質のゴムもあり、ウレタンゴムもその1つです。(以下略)

Kurashi-no「加水分解とは?大切なスニーカーの劣化やひび割れを防ぐ保管&防止方法!」より


これらの素材は、履かずにしまいこむことで風通しが悪くなり崩壊しやすくなるとのこと。

幸い今回の法事では、全員のかかとはしっかりとくっついていました。
とはいえ、油断は禁物です。

皆さまもかかとの喪失には、十分にお気をつけくださいませ。


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