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父の思い出は、グアムのループタイ

こんにちは、ぷるるです。

昨日は、父の日でした。

みなさま、このよき日をお祝いしたりしなかったりと、それぞれに過ごされたことと思います。

ところでわたしには父が2人おりまして、父の日には現在の父を祝ってきました。
そこでnoteでは生物学上の父(以下『実父』)の思い出を語り、お祝いしてみたいと思います。


わたしにとって実父といえば「ループタイ」です。

あまり一般的な思い出とはいえませんね。ちなみにこれは生父からのグアム土産です。当時5歳だった私への・・・

素材は「めのう」です。


今なら1000%突き返す一品ですが、当時のわたしは大喜びで受け取りました。もちろん、このタイに興味を抱いたからではありません。


経営者だった実父は、仕事(と女)が大好きで家庭をかえりみない人でした。
母もそれをわかった上で結婚したので、そのことに文句は言いませんでした。
でも、この取引先とのグアム旅行だけは、ちょっと時期が悪かった。

クリスマスにかかっていたのです。

母は「クリスマスまで家を空けるのか!」と怒り心頭。哀れな娘に土産の一つも買ってこいと、実父に厳命したらしいのです。

しかし、実父は陽気で楽しいことが大好き。

仕事とグァムの楽しさにすっかり夢中となり、土産のことなど忘れて帰国。

グアムの魅惑的な夜で、記憶が?

帰宅後に我が子(わたしですね)を前にして、己の使命を思い出すという体たらくでした。そこですかさず自分のために買ったループタイを、私にプレゼント!

疑いもせず大喜びするわたし。
それを見て父はドヤ顔に。
もちろん母は鬼の形相に。

その後はあまり覚えていません。多分両親のバトルが勃発したのでしょう。


しかしこの翌年から事業が傾き、実父は多額の借金を作り失踪。
借金は母が背負うことになり、わたしたちの暮らしは大きく変化しました。

そして2度と会うことのないまま、わたしが12歳の時に病気で他界。
よってわたしが実父から直接もらったのは、このループタイだけなのです。

幸い母は飲食店を経営しており、暮らしには困りませんでした。
けれど実父により、かなりの迷惑を被ったこともまた事実です。

ありのままを書いたら、ずいぶんひどい話になってしまうと思います。
今なら間違いなく「毒親」認定となるでしょう。

でも私は、この実父がどうしても憎めないのです。

陽気でにぎやかなことが大好き。いつも冗談でみんなを笑わせていた実父を。
お金の管理がまるでダメ。その責任から逃げ出してしまった実父を。

まあ、親子バイアスってだけかもしれませんけどね。

考えたら一度も実父を祝ったことがないと気づき、この話を書きました。
でも読み返したら、特に祝ってはいませんでした。とても残念です。

あと、このループタイは手元にありません。どうしてないのかも覚えていません。
多分引っ越しでどっかに行っちゃったんじゃないかな。だっていらないし。

それでもわたしは、おじさん用のループタイをくれた実父を、これからも折に触れ思い出すことでしょう。

そして、その度にちょっと笑っちゃうのでしょう。

パパ、命をくれてありがとうね。
そして父の日おめでとう。








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