見出し画像

シンボロジーとしての占星術の位相から見る「パーパス」

はじめに ー「パーパス」を見る切り口としての占星術

今回は9月15日(金)から始める講座の紹介として、「パーパス」を「占星術」の観点から見ていきます。

なぜ、パーパスが占星術から見ることができるのか、については、そもそもパーパスが何かということから考えてみたいと思います。
前回の投稿でも紹介しましたが、私の好きなパーパスの定義のひとつに以下のフレーズがあります。
Purpose is how soul expresses itself in the waking state of mind.”   (パーパスとは、魂が覚醒した状態で自分を表現すること)
これはとても詩的ともいえるし抽象的ともとれますが、もう少しかみ砕くと、本当に自分の心の奥底から自分のリソースを使い人生を創造していくことだと言えます。では、私たちがリソースをどの方向にどのタイミングで使っていくのかについて、一つのメタファー・シンボロジーとして有効なのが占星術になります。

占星術の系譜

まず、占星術について簡単に説明したいと思います。占星術は「Astrology」といい、語源はギリシャ語でAstro・Logos(宇宙の学問)からきています。紀元前7世紀に古代シュメール文明(現在のイラク近辺)で発生し、東西に伝播していきました。その後・インド文明やイスラム文明で興隆した後、ルネサンス文明を経て、1930年代頃に現代の(西洋)占星術が形成されたのです。このころは正にFotune-tellingという吉凶を占うものとして見ていました。
ところが、ユング心理学の影響を受け、1960年代から70年代に心理占星術が形成されます。ユング自身も占星術におけるメタファー・シンボロジーを自身の心理学の形成に活用したことから、ユング心理学と占星術との親和性が高く、ここで占星術はただの占いから人のプロファイル・心理的な動きを見るものとして形成されていったのです。
更に、人や世界が進化発展していくという観点が加わっていき、1980年代には、人間の真理だけではなく時間軸での進化発達を考慮した進化占星術が生まれました。
そして、この大いなる占星術の潮流のCutting-Egeにある技法として、オーストラリアの故マーニー・デューガンが開発・創始したライフパーパス・アストロジー/コーチング(LPA/LPC)があります。これは人は「パーパス」を自ら選択して生まれてくるとしたものです。人生を通じて、この一度生まれた瞬間に忘れてくるパーパスを再び思い出し、人生でパーパスを顕現・表現していくとしています。彼女は亡くなるまでにその叡智で数多くの人々の人生をサポートしてきました。私自身も彼女の最後の講座に参加し、認定コーチの資格を持っていますがとても奥深く、彼女が伝えた叡智の探求に生涯をかけていくつもりです。

占星術のチャート(Bonding Chart)から見るパーパスとは

では、主にLPA/LPCのメタファー・シンボロジーからパーパスとは何かを探究してみたいと思います。
私たちを象徴するものとしてチャート(Bonding Chart)というものがあります。従来占星術の範囲では吉凶の占いを主にみますが、このチャートでは、それぞれの個人(魂)が生まれた時にパーパスを持ち、そのパーパスを顕現・表現するために必要なエネルギーがあると前提があります。この2次元のチャートの中に時間・空間を超えた網の目のように織り込まれた情報が埋め込まれているのです。
端的に言うと、「制約論」的立場ではなく「可能性の創造・潜在性の体現」的立場をとっています。

ここからは紙芝居風にもう少し図で象徴されるメタファー・シンボロジーで説明していきましょう。まず、チャートと言われるものはこのようなものです(これは筆者のチャートになります)。以下の図でこのチャートがどう形成されるか≒同パーパスを定めてくるか、を見ていきましょう。

チャート(参考)


私たちは生まれながらに「全体性(Wholeness)」を有している

この世界において、貧富の格差や肉体的な不自由、人種差別など、定められた条件の中で、理不尽かつ不平等・不公平なことが渦巻いている点があることは否めません。そうした環境や境遇の中で、いつしか人は自分自身の存在を根源的に何かしら「欠けたもの」「ないもの」として認識してしまう性を持っています。しかし、「本質的」には私たちの存在としては何ら善し悪しがあるわけでもなく、生まれながらに「全体性(Wholeness)」を宿しているのです。
これは、チャートの中で「星座」として表現されます。「星座」とはエネルギーの表現のバリエーションの象徴で、ご存知の通り12星座に分かれていますが、私たち一人一人の存在は12星座のエネルギーを全て持つのです。それを示したものが下の図になります。

エネルギーの象徴としての12星座

(原理的に)無限の可能性から羅針盤を設定し目的を定める

私たちは全てのエネルギーを持つと仮定した場合、(原理的に)無限の可能性を有していると言えます。ただ、この現実世界で表現していくには、何かしら方向性を定める必要が出てくるのです。そのために、私たちはまずエネルギーをどう有効に使えばいいのか羅針盤を設定します。それを表現したのが以下の図です。

羅針盤を設定する

パーパスを設定し、パーパスを表現するために必要なエネルギーを配置する。

さらに、羅針盤を設定した上で、人生の目的(パーパス)を定めます。どこに向かおうとしているのか、持つエネルギーをどのように変化しながら表現していくのか、いわば北極星の位置を定めるのです。それが下の図の矢印で表現されるものです。

矢印で表現されるパーパス

パーパスを定めたら、後はそのパーパスを実現するために「何のエネルギー」をどう配置していくのかになります。正に「何のエネルギー」かを示すものが、ここでは「惑星」に該当します。そしてこの「惑星」も万人が等しく同じ種類と数を持つのです。ただしどこに何の強調があるのか、どう配置するのかの違いだけなのです。それを表したものが下の図です。

「惑星」を配置する。

そのエネルギーを「どの領域(ハウス)」で使うかになります。それを示したのが、下記の図です。その人の人生でどの経験領域(仕事・家庭・関係性・社会など)で使うかを示すものになります。

「経験領域(ハウス)」

そして、最後に、そのエネルギーがどのような固有のパターン・傾向を示すのかを表現したものが「アスペクト」と呼ばれるエネルギーの関係性・流れになります。それを示したものが下記になります。

アスペクト(エネルギーの関係性)

まとめ

まとめると以下になると言えます。

  1. チャートは、「私たちは等しく全ての星座・惑星・ハウスを持つ。そして、私たちは同時に一人一人全く異なる固有の存在である」ことを示す。

  2. 占星術のメタファー・シンボロジーから示されるものは、人間存在はそれぞれの固有のパターン(個性)を持ち、その個性を顕現・表現していくプロセス(C.G.ユングの言う「個性化」)であると言える。

  3. あらゆる人は生まれながらに「全体性(Wholeness)」を持ちながら気づかず、固有の「パーパス」に目覚めて、「全体性」を回復していく力学を持っている。

「パーパス」に目覚めることで新たな自己認識を持ち、内在する可能性の地平線に立つ存在ではないかと思います。以上が、占星術の位相から「パーパス」を見た時の考察でした。最後までお読みいただきありがとうございます。

講座のご紹介

最後に、占星術のメタファー・シンボロジーから自分自身の「パーパス」を理解する講座をご案内します。
9月15日(金)から12回シリーズで開始する「あなたの魂が決めた人生の目的につながる ―自らのチャートを理解する 基本編ー」となります。
チャートはその人そのものではなく、その人の「地図」となります。地図には以下の2つの意味がありますが、今回は第1の地図を取り扱います。

  • 第1の地図(特定の特徴・傾向・気質:目的と持つ可能性)

  • 第2の地図(潜在能力が開いていくタイミング:可能性の展開)

申込みは下記からとなります。ご自身の人生のパーパスと固有のリソース・エネルギーを理解して人生に活かしたい方は是非ご参加ください。
(申込サイト)
https://lpurposebasic2023.peatix.com/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?